Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

往路:JAL JL35 羽田〜シンガポール ビジネス

年末に降って湧いた海外出張。今回はJALビジネスクラスで行くことが出来たので、いつも通りここのカウンターからスタートです。

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いつも通りでなかったのは、JALのファーストクラスラウンジが改装工事で閉鎖中ということ。チェックイン時にこの案内紙を渡されました。

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ということで、代替ラウンジであるサクララウンジスカイビューへ。ラウンジ入り口前にも、閉鎖中の取り扱いについて丁寧過ぎるほどに案内されていました。

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初めて入室するサクララウンジスカイビューですが、予想を超える広さでした。サクララウンジでありつつも、Fラウンジの閉鎖中はJGC等の上級会員は排除されているので、混雑もあまりありません。

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食事コーナーはこんなもの。Fラウンジの鉄板焼き等はありませんが、それは改装後のFラウンジに期待しましょう。

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唯一面倒だったのはシャワーの利用。サクララウンジスカイビューにはシャワールームが無いため、下の階にあるSKY LOUNGE ANNEXのシャワールームを間借りする形になります。予約はサクララウンジスカイビューの受付で行い、時間になったら下の階に向かうという方式でした。今回20時半頃に予約をすると、最短で確保出来たのは21:30からのロット。

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時間になりSKY LOUNGE ANNEXのシャワールームへ。全部で4室ありましたが、そのうち2室がサクララウンジスカイビューの利用客向けに押さえられているようでした。21時半の時点では次の空きスロットが24時となっていたので、改装工事中はかなり早い時間に空港に来ないと、シャワーを浴びることは期待できなさそうです。

シャワールームに入ると、なんとなく自宅アパートの浴室を思い出させるような造りで安っぽい感は否めませんが、まあ機能的には問題なし。

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その後はラウンジでゆっくり。JL35便の搭乗は予定時刻より15分ほど遅れて始まりました。

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搭乗。機材はB777-200で、スカイスイートIIIを搭載している機材です。ホーチミン線などに投入されているシェルフラットネオに比べると、やはりこちらのシートの方が随分楽。特に夜行便では助かります。

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正面はパーソナルモニター。その脇にある大きな壁は食事用のテーブルになります。フルラットにしてはかなり詰め込んでいるレイアウトのため、収納スペースはあまりありません。

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搭乗開始時刻の遅れを引きずり、少し定刻より遅れて出発。この時期の外はかなり冷えますが、それでも地上では整備スタッフが手を振って見送ってくれています。

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シンガポールまでの飛行時間は7時間弱。離陸後はアミューズのサービスがありますが、それはパスしてすぐに眠りにつきました。

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眠る前に朝食で起こすかどうかクルーに訊かれたので、ギリギリのタイミングで起こしてくれるように伝えておいたところ、実際に起こされたのはこのあたり。到着まで1時間20分ほどあります。

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起きると早速朝食のスタート。まずは目覚めのオレンジジュースから。

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この日の機内食メニュー。和朝食か洋朝食から選ぶことになります。

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今回は洋食をチョイス。やっぱり和食よりは手の込み具合が一段下がるでしょうか。メインについてはアルミ容器に入っていればエコノミー用と勘違いしてもおかしくないレベル。

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朝のチャンギに到着。

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ちなみに、今回はインターコンチネンタル・ロバートソンキーに泊まりました。チャンギからGrabで直行したのですが、朝の時間帯にも関わらずチェックイン可能だったのはラッキー。

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部屋はブギスのインターコンチネンタルと比べても狭めで、バスタブもありません。ただし、アンバサダー特典+アップグレードで、1泊あたり50SGD(=約4,000円)ほどの食事用クーポンが付与されたのは良かったです。

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2019年11月 イラン旅行 まとめ

2008年以来のイランへの旅行。当時はまだ学生で、バックパッカーデビューとなった思い出の国に11年ぶりに戻ってきました。

前回の旅行で1ヶ月かけてテヘラン→マシュハド→シーラーズ→イスファハーン→ヤズド→ラシュト→タブリーズとイランのほぼ全土を周ったので、今回はその中でも特に印象が深かったマシュハドを再訪することに。マシュハドの見所であるイマームレザー廟は相変わらずの壮麗さを誇っており、イスラム教徒で無くとも思わず姿勢を正さずにはいられないような気にさせられる場所でした。

イランはアメリカによる経済制裁を受けている真っ只中ですが、地域大国としての底力というべきか、傍目にはイラン国内での物資不足は感じられません。

直近ではまたきな臭い雰囲気もありますが、見所も多く、人も優しいですし、情勢が安定したらぜひ多くの人に訪れてほしい国の1つです。

 

【フライト】

今回は往路でエミレーツのファーストクラスを利用。もちろんJALマイルを利用した特典航空券です。羽田発の新型ファーストはほとんど特典枠の空席を見かけませんが、成田発のA380ファーストであれば意外と結構空きが出ている印象があるので、今回利用してみました。

その他、現地での国内線はイラン航空、復路のテヘラン〜上海間はマーハーン航空と、イランの航空会社にも乗ってみました。特にマーハーン航空は米国制裁の対象となっている企業でもあるのですが、実際に搭乗してみるとシートもフルフラットになりますし、クルーのサービスも世界基準でした。

 

旅行記

1日目:エミレーツ航空 EK319 成田〜ドバイ(DXB) ファースト

2日目:エミレーツ航空 EK971 ドバイ(DXB)〜テヘラン(IKA) ファースト

2日目:テヘラン散策 (1) ホテル、国内線航空券購入、電器街

3日目:イラン航空 IR268 テヘラン(THR)〜マシュハド ビジネス

3日目:マシュハド散策 (1) 地下鉄、昼のイマームレザー廟

3日目:イラン航空 IR269 マシュハド〜テヘラン(THR) ビジネス

4日目:テヘラン散策 (2) グランドバザール、イラン伝統料理ディジ

4日目:テヘラン散策 (3) 旧アメリカ大使館

4日目:マーハーン航空 W577 テヘラン(IKA)〜上海(PVG) ビジネス

5日目:乗り継ぎで上海散策

5日目:JAL JL86 上海(PVG)〜羽田 ビジネス

 

5日目:JAL JL86 上海(PVG)〜羽田 ビジネス

浦東空港JALが発着するのはターミナル1。地下鉄やリニアの駅はターミナル1とターミナル2の中間に位置しており、駅から左右に分かれる通路でそれぞれのターミナルへとアクセスします。

ターミナル1を利用すつ航空会社は以下の通り。あまりアライアンスを考慮したターミナル分けにはなっていないようです。

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JALの浦東線は1日7便(羽田1便、成田3便、関空2便、中部1便)も就航しており、外航としてはかなり存在感のあるキャリア。チェックインカウンターも普段はFの島を丸々1つ使わせてもらえています。

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ただし、この日はFカウンターが故障で使用不可とのこと。中国の玄関口の国際空港としては少しお粗末な設備です。

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ということで、この日はLカウンターでのチェックインでした。出発の2時間前に到着しましたが、エコノミーもビジネスもカウンターは混雑無くスムーズ。

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この日はビジネスクラスの埋まり具合が芳しくなかったのか、空港当日アップグレードの案内がカウンターにも大きく置かれていました。

そもそもビジネスクラス用のカウンターにも関わらずこうした案内がなされること自体がおかしいのですが、それだけエコノミー搭乗の上級会員が多い路線ということでしょう。

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チェックイン後は制限エリアへと進み、そのままラウンジへ。出国審査はそれなりの行列がありましたが、保安検査はビジネスクラス乗客用の優先レーンがあったので、スムーズに通過することが出来ました。

仕組みはよくわかりませんが、浦東空港のラウンジは番号制。36番ラウンジは中国東方航空が運営している一方、もう1つの39番ラウンジはJALエールフランスのみがアサインされています。JALもAFも中国東方航空とはコードシェアを行なっており、MUとの関係は良いはずなのですが。

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39番ラウンジへ向かうと、錦織選手のパネルがお出迎え。AF便は1日1~2便しかありませんので、実質的にはJALラウンジのようになっているようです。

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英語が苦手な日本人のために、日本語での案内もしっかり用意されています。

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案内のあった麺・点心コーナーでもらってきたのがこちら。中国語訛りの拙い英語で話す中国人スタッフのおばちゃんと、それを意に介さず日本語で注文を返す日本人おじちゃんのおかげで、なかなかキッチン周りはカオスな状態でした。

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ラウンジ自体は窓が無いせいか少し閉鎖的な雰囲気。椅子が並んでいるだけで、何か特別なサービスがあるわけではありません。

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ゲートへ。ついにJALでもグループ別の搭乗が始まりました。

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機材はB787-8。シートはスカイスイートでは無くシェルフラットネオが搭載されている、古いタイプの機材です。

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上海の2空港(虹橋、浦東)はどちらも空港混雑による出発遅延が多いというイメージだったのですが、今回の便は定刻通りにゲートを離れ、そのまま待たされずに離陸。

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JALの中国線の機内食は短距離仕様。和食と洋食がそれぞれ1種類ずつあり、メインのみが月ごとに入れ替わるようになっています。

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今回は洋食を選びました。ワンプレートです。

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メニューにあったデザートは、ハーゲンダッツのアイスクリームのことでした。それなら最初からアイスクリームと書いておけば良い気もしますが。

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食事が終わるともう九州上空。

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食事の後は、前夜が深夜フライトだったこともあって、知らずのうちに眠りに落ちてしまいました。座席を戻すようにクルーに言われ目を覚ますともう羽田のすぐ手前。

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羽田に到着すると、驚いたことに沖止めでした。現在で既にこのような状況では、来年4月以降の羽田発着便の増便後が思いやられます。

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5日目:乗り継ぎで上海散策

まずは浦東空港から市内へ。地下鉄で行こうかリニアモーターカーで行こうか決めかねていたのですが、地下鉄駅へ入場するためのこの行列を見て、リニアモーターカーに即決しました。

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運賃は往復で80元ですが、往復+地下鉄24時間乗り放題というチケットが85元で売り出されていたので、それを購入することに。

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リニアモーターカー。傍目にはこれが浮いているようには見えません。

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座席は3-3の配置で安っぽい布カバーが付いています。オフピークの時間帯だったのか、1両に数名程度の乗客だけで出発しました。

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あっという間に市街地に付き、地下鉄に乗り換えて人民公園駅へ。駅ではこんな広告を見つけましたが、この人は中国でも有名だったのでしょうか。

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お目当ては本場の小籠包。ざっと調べたところ、有名店としてこの"佳家湯包"がヒットしたのでとりあえず訪れてみました。外まで行列が続いており、外国人観光客も多く、知名度の高さを伺わせます。

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そんな外国人がたくさん訪れる店にも関わらず、表記は中国語のみなのが中国流。こういう時に漢字のわかる日本人で良かったと思います。

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注文1品目は"紫菜蛋皮汤"。"蛋"という字が卵を意味することがわかる程度には中国を旅行しています。想定通りのものが出てきて一安心。

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そしてメインは"蟹粉鮮肉小笼"。1人で食べる昼食としてはちょうど良い量でした。スープと合わせて46元(=約700円)と、発展した上海とはいえ食費はまだまだ安価です。

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食後は南京東路を歩いて外灘方面へ。

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南京東路と言えば歩行者天国で渋谷のような雰囲気ですが、そういうところにもこうした軍民団結を謳う看板が立っているのが中国らしいところ。日本や西側諸国では考えられません。

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街中ではこうした軍人の行進に遭遇する場面も。何か特別なイベントがあるのかと思いましたが、日本に帰った後で、この日に香港の林鄭長官が上海で習近平と階段していたことを知りました。間違いなくそのせいでしょう。

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外灘に到着。

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これぞ、まさに上海。今日は晴れ間が見える程度に空気も澄んでいます。

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外灘で時間を潰したら、再び地下鉄とリニアモーターカーの乗り継ぎで浦東空港へ戻ります。

4日目:マーハーン航空 W577 テヘラン(IKA)〜上海(PVG) ビジネス

復路はイランの最大航空会社であるマーハーン航空を利用して上海まで。21:10発のフライトなので、19時頃にイマームホメイニ空港に到着しました。

この空港もチェックインカウンターのあるエリアに入る前に保安検査があります。下の写真の通り上級クラス用のファストトラックがあったので、ここを利用しようとしたのですが、門番の男性にマーハーン航空はファストトラックの利用契約をしていないということで断られてしまいました。

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ということで、一般客と同じ行列に並ぶことに。門番の男性曰く、イラン航空など他のイランの航空会社も契約していないらしく、エミレーツやルフトハンザ等の外航のみが対象になっているようです。初めての航空会社は乗る前から楽しみなのですが、初っ端からがっかり。

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保安検査の先はチェックインカウンター。この空港では最大の勢力であるマーハーン航空ですが、イランの国内線と同じく、ここでもチェックインは路線別に別々のカウンターで行われるようです。

ここも優先カウンターは無いのかと思い列に並んでいましたが、自分の番が来ると、ビジネスクラスはここではない、と。

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言われるがままに51番カウンターへと向かうと、確かにビジネスクラス用のチェックインカウンターがありました。ここは路線を問わずマーハーン航空運航便であれば全て対応しているようです。優先カウンターがあること自体は良いことですが、初心者にはわかりづらすぎます。

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このあと、普通の空港の動線としては保安検査と出国審査がセットであるはずなのですが、この空港では出国審査のみ。出国審査場の先に免税店とラウンジがあり、その先にある保安検査を越えてゲート前に着くという流れです。

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ラウンジの配置もとても不親切で、看板等は一切無し。気づかずにそのまま保安検査場の方に行ってしまうともう戻って来られないので、注意が必要です。

しかも、免税店の周囲をうろうろしているとカフェの裏にやっとこの表示を見つけましたが、実はこれは外航用の共用ラウンジ。

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正解はそのラウンジの反対側の階段を降りた先。喫煙所の表示しか無く、誰かに教えてもらわないと見つかるわけがありません。

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階段を降りて少し進んだ先に、やっと見つかったマーハーン航空のラウンジです。

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ラウンジ入り口にはマーハーン航空のモデルが置いてありました。4発機なので今回搭乗するA340でしょうか。

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ラウンジ内部は窓も無く天井も低いので、少し息苦しい感じがします。夜便なのでシャワーを浴びたかったのですが、その設備も無いとのことでした。

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食事はホットミールが何種類か。ハブ空港のラウンジとしては寂しいですが、この規模の航空会社にしては頑張っているほうでしょうか。

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ボーディングパスには20:10搭乗開始と書いてあったので、その時間に合わせて20:00にはラウンジを出てゲートへ。保安検査が行列だったので、ゲート前に着いたのは20:20頃だったのですが、まだ搭乗は始まっていませんでした。それでも気の早い中国人達はもう列を作り始めています。

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その後も特段何のアナウンスも無いまま時間だけが経っていきます。そのまま出発予定時刻の21:10になってしまったので、さすがにゲートのスタッフに聞きに言ったら、"We don't know, maybe in 10 or 15 minutes..."と何とも頼りにならない回答。

ただし、そのmaybeは実は正解だったようで、21:20頃にやっと搭乗開始に。特に表示はありませんでしたが、ビジネス客の優先搭乗もありました。

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機材は日本ではなかなかお目にかかれないA340-600。17年選手で、ヴァージンアトランティック航空で12年活躍した後に払い下げられた中古機材で、ビジネスクラスはフルフラットになります。

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ビジネスクラスの設定は45席ありますが、驚いたことにほぼ満席。しかもエコノミーは中国人団体旅行客が多い一方で、ビジネスはほとんどイラン人乗客ばかりでした。イランと中国の経済的な繋がりの太さを実感できる路線です。

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座席に着くとウェルカムドリンクのサービスがありました。配られていたのはオレンジ色、真紅色、そして透明なドリンク。

オレンジ色は明らかにオレンジジュースですが、残りの2つはグレープジュースと水かと思いきや、真紅色の方はザクロジュース、透明な方はクルーも英語で何と言うか知らないらしく、"local juice"とだけ言われました。

ということで、その2つを両方もらうことに。ザクロジュースはその通りの味でしたが、もう1つの透明な方は結局飲んでも何なのかわかりませんでした。

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続いておしぼり。これはしっかりした生地のタオルです。

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その次は新聞の配布。海外紙は搭載しておらず、英文のものはイラン発行のFinancial Tribuneのみ。

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この新聞記事の1面に乗っていたのが、まさに今搭乗しているマーハーン航空のイタリア路線が、米国政府の圧力を受けたイタリア政府によって認可取り消しを受けたという内容でした。これを何も気にせず配布できるマーハーン航空のクルーもなかなかの肝っ玉です。

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こちらがマーハーン航空の機内誌。

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路線図には、撤退に追い込まれたイタリア路線もまだ記載されています。ドイツ、フランス路線も同様に撤退に追い込まれ、残る西欧路線はバルセロナ線のみとなりました。

今後は中国、ロシア、トルコ等の米国の圧力を物ともしない国を中心にした路線拡大を目指すしかなさそうです。日本に就航するのは夢のまた夢でしょう。

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フリートリスト。B747の2機とA340の11機が主力でしょう。その他A300やA310など年季物と思わせる機材もまだ飛んでいるようです。

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機内誌の中身はほとんどペルシャ語のみで理解できなかったのですが、なんとなく理解出来たのがこちら。カリブ海にある小国のドミニカ国籍取得に関する広告のようです。やはり海外に行くようなイラン人にとっては、イラン国籍だと色々と困る場面が多いことが推察されます。

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これも同じ類。ドミニカの他、カナダ、トルコ、ポルトガルギリシャ、スペインあたりの国籍が人気の様子。

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搭乗開始が遅れたせいで、ゲートを出発したのは定刻より40分遅れの21:50。一旦ゲートを離れたらスムーズに離陸し、すぐに機内食のサービスが始まります。

メニューは重厚なカバーに入っており、通常の食事メニューに加えてハーブティーの専用メニューも入っていました。

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こちらがハーブティーのメニュー。イランの航空会社ということでアルコールは禁止なので、他の航空会社がワインリストに力を入れているような具合でハーブティーに注力しているようです。なんと10種類も搭載していました。

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その他のドリンクはこちら。一応ノンアルコールビールは積んでいます。

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1食目のメニュー。前菜、サラダ、メインをそれぞれ選択肢から選ぶ方式です。

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そして到着前の朝食。

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まず前菜はチキンガランティーヌをチョイス。サラダはGarden SaladとVegetable Saladの違いがイマイチわかりませんでしたが、とりあえずGarden Saladを頼みました。

夕食なのにたっぷりのヨーグルトがサーブされるのはイランの航空会社ならではでしょう。

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メインはビーフケバブ、グリルチキンかエビ。物は試しでエビにしてみましたが、これは小エビがゴロゴロ入っているだけで微妙な内容。素直にケバブにしておくべきでした。

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その後はフルーツとチーズが一緒になったプレート。このチーズがとても不思議な味がする、今まで食べたことのない種類のものでした。そもそも色からして一部が赤かったりとちょっと普通じゃありません。

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メニューの上ではこの後デザートが来る予定なのですが、フルーツ&チーズが終わるとクルーがテーブルクロスまで撤収してしまいました。

クルーに確認すると、どうやらデザートは希望者のみのよう。せっかくなので、ハーブティーの1つ(サフランティー)と一緒にもらいます。

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食後にトイレに向かうと、ヴァージンアトランティック航空時代の名残りが見られる張り紙が残っていました。トイレで喫煙すると罰金1,000ポンド。

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食後は座席をフルフラットにして睡眠へ。このシートはリクライニングを倒してフルフラットにするのではなく、逆に背もたれを前に倒してフルフラットにするタイプ。慣れるまで扱いづらいですが、こちらの方が座面とマット面の硬さ等を変えられるので、これはこれでありです。

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4時間ほど眠って、中国時間の朝8時半頃に起こされました。中国大陸のどこかを飛んでいるはずですが、個人モニターが全く作動せず位置情報が掴めないため、どの辺りかはわかりません。

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朝食は目覚めのザクロジュースからスタート。

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まずはメニューに記載のないトマトやきゅうりが登場。夕食で出てきた得体の知れない怪しいチーズもあります。

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ホットミールはパンケーキをオーダーしました。奥のカップにチョコレートソースが入っています。これなら失敗しようがありません。

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朝食後はクルーが乗客1人1人の座席を回ってアンケート記入の依頼。

国内線・国際線の違いはあれど、クルーのサービスは昨日乗ったイラン航空と比べてもかなり評価出来るものでしたが、それはこういう地道な取り組みの成果かもしれません。

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着陸前の機内。隣りの乗客との間のパーテーションはそんなに高いわけではないので、起きている時はそこまでプライベート感はありません。真ん中にはテレビモニターが前方と中央部に1台ずつ設置されていますが、今回のフライトでは終始消えたままでした。

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10年ぶりくらいに利用する浦東空港。上海も世界有数の大都会になったとはいえ、浦東空港の近くはまだまだ発展の余地がありそうです。

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浦東空港に到着。マーハーン航空は第2ターミナルを利用します。四発機の2つのエンジンがなかなかの存在感。

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せっかくレアな機体なので全体が映る写真を取りたかったのですが、浦東空港はアングル的にうまい写真がとれなかったのが残念。

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中国の入国もしばらく来ない間に流れが変わり、まずはアメリカのように機械で手続きする方式になっていました。その後の友人の入国検査は変わらずありますが、方式変更のおかげか混雑空港の浦東にも関わらず大した待ち時間も無くすぐに入国出来ました。

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 現在11:00。日本への帰国便の出発は18:35なので、乗り継ぎ時間で久しぶりに上海の街を訪れます。

4日目:テヘラン散策 (3) 旧アメリカ大使館

午後は地下鉄に乗って旧アメリカ大使館へ。テヘランの地下鉄駅には自動券売機は無く、チケットは有人カウンターで購入します。

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テヘランのメトロも女性専用車両は設置されています。一方、マシュハドと違い男性専用車両の設置は無く、女性はどの車両でも利用できるようでした。

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平日の昼間でも地下鉄は大混雑。さすが大都市テヘランです。

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アメリカ大使館の最寄駅であるタレガニ(Taleghani)駅で下車。駅から北側を望むと、市街地のすぐ後ろに聳えるアルボーズ山脈の山々が目に入ります。既に雪に覆われていますが、冬はテヘラン市民にとってのスキースポットになるそうです。

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タレガニ駅から歩いてすぐのところにある、旧アメリカ大使館。1979年2月のイラン革命後に国外亡命したパフラヴィー元皇帝をアメリカが受け入れたことに反発して、同年11月に発生したイランの学生によるアメリカ大使館占拠事件の舞台です。

現在は"Den of Espionage"(=スパイの巣窟)という名前が付けられ、イラン政府による反米プロパガンダのためのミュージアムになっています。

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まず目を引くのは、外壁のプロパガンダ壁画。占拠事件からちょうど40年というタイミングだったので、それに合わせ壁画が新しいものに更新されたばかりというところでした。

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どれもアメリカを皮肉るような壁画ばかり。

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オバマ前大統領の時代には雪解けの気配も見られましたが、トランプ現大統領の強硬姿勢の下では関係改善は見込めません。そういう背景もあっての壁画の更新なのでしょう。

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壁画だけではなく、ドクロが埋め込まれているような場所も。ここまで行くと悪趣味な気もしますが。

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壁画を一通り眺めたところで敷地内へ。外国人にとっては定番の観光地となっているらしく、団体の観光客ツアーでも訪れているようでした。

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入り口に掲示されていたのはこの張り紙。なかなか面白い絵です。

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内部にも数多くのプロパガンダ作品が展示されています。硫黄島の有名な写真も反米勢力の手にかかればこんなもの。

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反米だけでなく、反シオニズム的な展示もあります。比較的最近の事象であるイエメン紛争をテーマにしているので、定期的に展示物の入れ替えもあるのでしょう。

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インスタグラム投稿を模しているわけですが、コメントを入れているのはトランプ大統領(米国)、ネタニヤフ首相(イスラエル)、サルマン国王(サウジアラビア)、ムハンマド首長(ドバイ)、ハマド国王(バーレーン)。イラン政府がどこを敵と考えているかがよくわかります。

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逆に、敵はアメリカ国民では無くアメリカの政治リーダー達なのですよ、というメッセージも。こうした主張は11年前に訪れた時には無かった気がします。

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数多くのプロパガンダ展示に加え、当時のアメリカ大使館の内部の様子も再現されており、これも一見の価値がありました。例えばここは大使室とのこと。

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これは機密情報をやり取りするための防音設備の整った部屋。当時のものをそのまま残しているそうです。

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置かれた機械類の古さには、40年の年月を感じさせます。

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40年前の大使館占拠事件時にイラン人学生が壁に書いたメッセージもそのまま残してありました。ペルシャ語部分は、"This den of espionage should be shut down, Long live Khomeini"と書かれているそうです。もしかしたらこのメッセージが今のミュージアムの名称の由来かもしれません。

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1年以上にも亘った大使館占拠の間、50人以上のアメリカ人の人質に対する処遇についても、きちんとしたものだったとイラン側は主張しています。これは監禁等があったとするアメリカ側の主張とは真っ向から反対のもの。真実はわかりません。

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その他15分ほどのビデオ上映もあり、計1時間程度で見て回れる規模のミュージアムでした。ここの掲示をそのまま鵜呑みにする人はさすがにいないでしょうが、イランとアメリカの歪んだ関係性を理解するという意味では、興味深い場所であることは間違いありません。

4日目:テヘラン散策 (2) グランドバザール、イラン伝統料理ディジ

イラン滞在最終日。前日にマシュハドまでの日帰りをこなしたため、今日はテヘラン市内の行きたい場所を巡ってゆっくり過ごすことに。

この日は日曜日でしたが、イランでは普通の平日。朝は道路に通勤者の車・バイクが溢れます。この大量の車が行き交う道を渡るのは勇気がいるのですが、現地人はこの通り、こちらでは信じられないような隙間を見つけて渡っていきます。テヘランで生活するには必須の能力なのでしょう。

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ホテルからグランドバザールに向かう途中に立ち寄ったのは、マシュハドホステル。11年前に初めて途上国1人旅をした先がイランだったのですが、その際のテヘラン到着初日に泊まった思い出の宿です。今でこそ毎月旅行に行っていますが、ここが原点と言っても過言ありません。

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当時と変わった様子の無いマシュハドホステルを眺めて安心したのち、グランドバザールへ。大通りは喧騒に包まれていますが、一歩裏通りに入ればこの通りの静けさです。

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グランドバザールに到着。Lonely Planetには、まだ人の少ない午前中が訪れるにはベストと書いてあったのですが、いざ着いてみると午前中にも関わらずこの混雑ぶりです。

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ここに来れば何でも揃うと言っても過言では無いほどの大規模なグランドバザール。こうした金ピカの装飾品店などは、いかにも中東のバザールらしい店でしょう。

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大きなグランドバザールですが、ここも中東の他のバザールと同様、取り扱っている商品毎にある程度コーナーが分かれています。例えば、ここは時計のコーナー。

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模造品のコーナーも充実しており、ここはここでツッコミどころ満載ですが見ている分には楽しめます。例えば、世界の一流ブランドのベルトバックルだけを売る店。

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ロゴのプリントを売る店など。個人向けの商売では無く、模造品製造業者向けの卸売がメインなのだと思われます。

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ドライフルーツのコーナー。ここはお目当ての一つだったのですが、かなり奥の方にあり見つけるのが大変でした。

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イランといえばピスタチオ。1kgで約1,000円程度とかなりお手頃です。この店のオーナーは英語こそ通じませんでしたが、味見をさせてくれたりと親切だったので、Google Translateを駆使して会話をしながら、2kgほど大人買いしてしまいました。

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食堂はあまり多くはないですが、このようにケバブなどの軽食を売っている店はいくつか見かけます。

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バザールの中にはこんなモスクも。銀行も消防署もあり、もはやグランドバザール自体が1つの町としての機能を兼ね備えているといっても過言ではありません。

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また、頭上にはこんなプロパガンダも。

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やはり米国とイスラエルは不倶戴天の敵なのです。

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続いてグランドバザールを後にして、その近くにあるLonely Planetおすすめの"Timcheh Akbariyan"というチャイハーネへ。イラン最古の銀行となった建物を利用したチャイハーネとのことで、その建物自体にも文化遺産的な価値があるらしく、観光客向けの標識も出ていました。

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標識に沿って入り込んだ小道もまた良い雰囲気。

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そしてお目当てのチャイハーネTimcheh Akbarianに到着。ロンプラに載っている割には観光客も全くおらず、穴場的な良い場所です。

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建物自体は1774年に建設され、1792年からユダヤ系の銀行として営業していたようです。ユダヤ系というとイスラエルを連想しがちですが、こうした過去の歴史自体はイラン的にも問題無しということなのでしょうか。

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このチャイハーネは1階と2階にそれぞれカーペットが敷かれた小部屋がいくつもあり、靴を脱いでここに上がって寛ぐ形式です。

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ランチメニューとして置いてあるのはイランの伝統料理である"ディジ"(Dizi)1種類のみ。シチューのようなものなのですが、これがかなり日本人の舌に合う料理でした。

このディジですが、食べるまでには少し作業が必要。まずはポットに入れたシチューとナンを店員が持ってきてくれるので、その中からスープも半分ほど器に取り出します。

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そして、ポットに残ったヒヨコ豆、トマト、ラム肉とスープをひたすら押し潰します。

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これで完成。ナンはスープに浸して食べ、ポットの中身がマッシュされた混ざったものはそのまま食べます。

スープ自体に肉と野菜のコクが出ていてこれを浸して食べるナンも美味しいですし、ポットの中身はマッシュドポテトのような食感ですがこれも日本人にウケること間違い無しの味でした。これで200,000リアル(=約170円)と価格も激安です。

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お腹も満たしたところで、午後は旧アメリカ大使館を訪れます。