Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

4日目:マーハーン航空 W577 テヘラン(IKA)〜上海(PVG) ビジネス

復路はイランの最大航空会社であるマーハーン航空を利用して上海まで。21:10発のフライトなので、19時頃にイマームホメイニ空港に到着しました。

この空港もチェックインカウンターのあるエリアに入る前に保安検査があります。下の写真の通り上級クラス用のファストトラックがあったので、ここを利用しようとしたのですが、門番の男性にマーハーン航空はファストトラックの利用契約をしていないということで断られてしまいました。

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ということで、一般客と同じ行列に並ぶことに。門番の男性曰く、イラン航空など他のイランの航空会社も契約していないらしく、エミレーツやルフトハンザ等の外航のみが対象になっているようです。初めての航空会社は乗る前から楽しみなのですが、初っ端からがっかり。

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保安検査の先はチェックインカウンター。この空港では最大の勢力であるマーハーン航空ですが、イランの国内線と同じく、ここでもチェックインは路線別に別々のカウンターで行われるようです。

ここも優先カウンターは無いのかと思い列に並んでいましたが、自分の番が来ると、ビジネスクラスはここではない、と。

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言われるがままに51番カウンターへと向かうと、確かにビジネスクラス用のチェックインカウンターがありました。ここは路線を問わずマーハーン航空運航便であれば全て対応しているようです。優先カウンターがあること自体は良いことですが、初心者にはわかりづらすぎます。

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このあと、普通の空港の動線としては保安検査と出国審査がセットであるはずなのですが、この空港では出国審査のみ。出国審査場の先に免税店とラウンジがあり、その先にある保安検査を越えてゲート前に着くという流れです。

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ラウンジの配置もとても不親切で、看板等は一切無し。気づかずにそのまま保安検査場の方に行ってしまうともう戻って来られないので、注意が必要です。

しかも、免税店の周囲をうろうろしているとカフェの裏にやっとこの表示を見つけましたが、実はこれは外航用の共用ラウンジ。

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正解はそのラウンジの反対側の階段を降りた先。喫煙所の表示しか無く、誰かに教えてもらわないと見つかるわけがありません。

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階段を降りて少し進んだ先に、やっと見つかったマーハーン航空のラウンジです。

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ラウンジ入り口にはマーハーン航空のモデルが置いてありました。4発機なので今回搭乗するA340でしょうか。

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ラウンジ内部は窓も無く天井も低いので、少し息苦しい感じがします。夜便なのでシャワーを浴びたかったのですが、その設備も無いとのことでした。

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食事はホットミールが何種類か。ハブ空港のラウンジとしては寂しいですが、この規模の航空会社にしては頑張っているほうでしょうか。

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ボーディングパスには20:10搭乗開始と書いてあったので、その時間に合わせて20:00にはラウンジを出てゲートへ。保安検査が行列だったので、ゲート前に着いたのは20:20頃だったのですが、まだ搭乗は始まっていませんでした。それでも気の早い中国人達はもう列を作り始めています。

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その後も特段何のアナウンスも無いまま時間だけが経っていきます。そのまま出発予定時刻の21:10になってしまったので、さすがにゲートのスタッフに聞きに言ったら、"We don't know, maybe in 10 or 15 minutes..."と何とも頼りにならない回答。

ただし、そのmaybeは実は正解だったようで、21:20頃にやっと搭乗開始に。特に表示はありませんでしたが、ビジネス客の優先搭乗もありました。

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機材は日本ではなかなかお目にかかれないA340-600。17年選手で、ヴァージンアトランティック航空で12年活躍した後に払い下げられた中古機材で、ビジネスクラスはフルフラットになります。

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ビジネスクラスの設定は45席ありますが、驚いたことにほぼ満席。しかもエコノミーは中国人団体旅行客が多い一方で、ビジネスはほとんどイラン人乗客ばかりでした。イランと中国の経済的な繋がりの太さを実感できる路線です。

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座席に着くとウェルカムドリンクのサービスがありました。配られていたのはオレンジ色、真紅色、そして透明なドリンク。

オレンジ色は明らかにオレンジジュースですが、残りの2つはグレープジュースと水かと思いきや、真紅色の方はザクロジュース、透明な方はクルーも英語で何と言うか知らないらしく、"local juice"とだけ言われました。

ということで、その2つを両方もらうことに。ザクロジュースはその通りの味でしたが、もう1つの透明な方は結局飲んでも何なのかわかりませんでした。

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続いておしぼり。これはしっかりした生地のタオルです。

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その次は新聞の配布。海外紙は搭載しておらず、英文のものはイラン発行のFinancial Tribuneのみ。

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この新聞記事の1面に乗っていたのが、まさに今搭乗しているマーハーン航空のイタリア路線が、米国政府の圧力を受けたイタリア政府によって認可取り消しを受けたという内容でした。これを何も気にせず配布できるマーハーン航空のクルーもなかなかの肝っ玉です。

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こちらがマーハーン航空の機内誌。

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路線図には、撤退に追い込まれたイタリア路線もまだ記載されています。ドイツ、フランス路線も同様に撤退に追い込まれ、残る西欧路線はバルセロナ線のみとなりました。

今後は中国、ロシア、トルコ等の米国の圧力を物ともしない国を中心にした路線拡大を目指すしかなさそうです。日本に就航するのは夢のまた夢でしょう。

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フリートリスト。B747の2機とA340の11機が主力でしょう。その他A300やA310など年季物と思わせる機材もまだ飛んでいるようです。

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機内誌の中身はほとんどペルシャ語のみで理解できなかったのですが、なんとなく理解出来たのがこちら。カリブ海にある小国のドミニカ国籍取得に関する広告のようです。やはり海外に行くようなイラン人にとっては、イラン国籍だと色々と困る場面が多いことが推察されます。

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これも同じ類。ドミニカの他、カナダ、トルコ、ポルトガルギリシャ、スペインあたりの国籍が人気の様子。

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搭乗開始が遅れたせいで、ゲートを出発したのは定刻より40分遅れの21:50。一旦ゲートを離れたらスムーズに離陸し、すぐに機内食のサービスが始まります。

メニューは重厚なカバーに入っており、通常の食事メニューに加えてハーブティーの専用メニューも入っていました。

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こちらがハーブティーのメニュー。イランの航空会社ということでアルコールは禁止なので、他の航空会社がワインリストに力を入れているような具合でハーブティーに注力しているようです。なんと10種類も搭載していました。

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その他のドリンクはこちら。一応ノンアルコールビールは積んでいます。

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1食目のメニュー。前菜、サラダ、メインをそれぞれ選択肢から選ぶ方式です。

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そして到着前の朝食。

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まず前菜はチキンガランティーヌをチョイス。サラダはGarden SaladとVegetable Saladの違いがイマイチわかりませんでしたが、とりあえずGarden Saladを頼みました。

夕食なのにたっぷりのヨーグルトがサーブされるのはイランの航空会社ならではでしょう。

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メインはビーフケバブ、グリルチキンかエビ。物は試しでエビにしてみましたが、これは小エビがゴロゴロ入っているだけで微妙な内容。素直にケバブにしておくべきでした。

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その後はフルーツとチーズが一緒になったプレート。このチーズがとても不思議な味がする、今まで食べたことのない種類のものでした。そもそも色からして一部が赤かったりとちょっと普通じゃありません。

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メニューの上ではこの後デザートが来る予定なのですが、フルーツ&チーズが終わるとクルーがテーブルクロスまで撤収してしまいました。

クルーに確認すると、どうやらデザートは希望者のみのよう。せっかくなので、ハーブティーの1つ(サフランティー)と一緒にもらいます。

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食後にトイレに向かうと、ヴァージンアトランティック航空時代の名残りが見られる張り紙が残っていました。トイレで喫煙すると罰金1,000ポンド。

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食後は座席をフルフラットにして睡眠へ。このシートはリクライニングを倒してフルフラットにするのではなく、逆に背もたれを前に倒してフルフラットにするタイプ。慣れるまで扱いづらいですが、こちらの方が座面とマット面の硬さ等を変えられるので、これはこれでありです。

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4時間ほど眠って、中国時間の朝8時半頃に起こされました。中国大陸のどこかを飛んでいるはずですが、個人モニターが全く作動せず位置情報が掴めないため、どの辺りかはわかりません。

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朝食は目覚めのザクロジュースからスタート。

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まずはメニューに記載のないトマトやきゅうりが登場。夕食で出てきた得体の知れない怪しいチーズもあります。

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ホットミールはパンケーキをオーダーしました。奥のカップにチョコレートソースが入っています。これなら失敗しようがありません。

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朝食後はクルーが乗客1人1人の座席を回ってアンケート記入の依頼。

国内線・国際線の違いはあれど、クルーのサービスは昨日乗ったイラン航空と比べてもかなり評価出来るものでしたが、それはこういう地道な取り組みの成果かもしれません。

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着陸前の機内。隣りの乗客との間のパーテーションはそんなに高いわけではないので、起きている時はそこまでプライベート感はありません。真ん中にはテレビモニターが前方と中央部に1台ずつ設置されていますが、今回のフライトでは終始消えたままでした。

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10年ぶりくらいに利用する浦東空港。上海も世界有数の大都会になったとはいえ、浦東空港の近くはまだまだ発展の余地がありそうです。

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浦東空港に到着。マーハーン航空は第2ターミナルを利用します。四発機の2つのエンジンがなかなかの存在感。

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せっかくレアな機体なので全体が映る写真を取りたかったのですが、浦東空港はアングル的にうまい写真がとれなかったのが残念。

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中国の入国もしばらく来ない間に流れが変わり、まずはアメリカのように機械で手続きする方式になっていました。その後の友人の入国検査は変わらずありますが、方式変更のおかげか混雑空港の浦東にも関わらず大した待ち時間も無くすぐに入国出来ました。

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 現在11:00。日本への帰国便の出発は18:35なので、乗り継ぎ時間で久しぶりに上海の街を訪れます。