Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

3日目:マシュハド散策 (1) 地下鉄、昼のイマームレザー廟

今回のマシュハド観光は日帰りなので、空港に着いたら早速お目当てであるイマームレザー廟へ向かいます。まずは空港から地下鉄で最寄駅まで。

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マシュハドの地下鉄は現在2路線が開通済み。空港は1号線(緑色)の終着駅です。

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マシュハドの地下鉄における注意点は、乗車には専用カードが必要で現金は受け付けていないということ。しかも空港駅にはカードのチャージ機はあるものの、カード自体を販売している場所はありません。

改札前でどうしたものかと困っていると、通りがかった現地の人が彼のカードを使って改札を通してくれました。その分の現金を彼に手渡そうとしても「あなたはゲストだから」ということで受け取ろうとせず、イラン人のホスピタリティを感じました。

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地下鉄自体の開業は2011年で、空港駅が開業したのは2016年。まだまだホームも車体も綺麗です。

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車体は中国製。経済制裁下ではそもそもこれ以外に選択肢が無いのでしょう。

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車内は区画によって男性用と女性用に分かれています。ただ、これは必ずしも厳密に守られているわけではなく、女性客が男性用の車両から乗車してきた後に車内を歩いて女性用の車両に向かったりしている光景も見られました。

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15分ほど乗車してBasij駅で下車。イマームレザー廟(Holy Shrine)はここから歩いて20分ほどの距離にあります。

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Basij駅からイマームレザー廟を結ぶのは、その名もイマームレザー通り。マシュハドのメインストリートの1つであり、イラン各地からの巡礼客で賑わっていました。

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イマームレザー廟に着いたら、まずは入り口近くにある荷物預り所へ。持ち込み禁止物はここで無料で預かってもらえます。旅行客が持っていそうな禁止物と言えば、カメラや飲食物等でしょう。

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持ち込み禁止物の一覧。カメラはダメですがスマートフォンは持ち込み可能なので、写真は問題なく撮れます。

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入り口から敷地内へ。ここはイマームレザー廟以外にもいくつもの広場やモスク、図書館等が建っており、一大宗教施設になっています。

まず最初に目に入るのは、敷地内に7つある広場の中でも最大であるラザヴィ広場。かなり大きなスペースですが、イスラムシーア派の聖地でもあるこの場所は、夜になると礼拝に訪れる巡礼者達でかなりのスペースが埋まります。

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広場を通り抜けたら、まず目指すのはManagement of Foreign Pilgrim Affairsというオフィス。Lonely Planetによると、ここに行けば無料で英語ガイドが敷地内を案内してくれるということが書いてありました。前回2008年に訪れた時には無かったサービスです。

ところが、広い敷地内をうろうろしてやっと辿り着いたオフィスはクローズ中。なにやら張り紙が出ていますが、ペルシャ語のみのため全く理解出来ません。

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周囲のスタッフに聞いてみたりしましたがペルシャ語オンリーの人ばかりで途方に暮れていたところ、助けてくれたのが英語を理解するイラン人女性。私とスタッフの会話に入ってくれ、スタッフにいくつか確認をすると、私をガイドがいるという場所まで連れて行ってくれることになりました。

再びイラン人のホスピタリティに助けられ、15分ほど歩いてとある建物に入り、迷路のような階段を上ったり下ったりして辿り着いたのがDepartment of Religions & Touristというオフィス。ここにたどり着くまで案内表示の一つも無かったので、連れてきてもらわなければ絶対にわからない場所です。

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英語を話すイラン人女性は私の案内を終えたら何事も無かったかのように姿を消してしまい、ガイドとバトンタッチ。最初にこの施設を紹介する15分ほどのビデオを見た後、ツアーがスタートしました。所要時間の目安を伝えると、それに応じてガイドが順路を組み立ててくれる、1対1の完全プライベートツアーです。

まずは同じ建物の地下から。一面ガラス細工に覆われており、圧倒される光景です。今は照明が消えていますが、点いた時にはさぞ煌びやかなことでしょう。

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1階部分は天井が高くてより開放的。世界中からの寄付金によって常に改修、増築が行われているため、古びた雰囲気は一切ありません。

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建物の外へ。絨毯が敷いてあるのは礼拝スペースですが、礼拝の時間帯以外は自由に座って寛ぐことが出来ます。家族や友人同士で談笑する姿も数多く見られました。

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それにしても目を奪われるのはこの壁面の装飾。イスラムアートが好きな人なら1日いても飽きないこと請け合いです。

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ちなみに、今回付いてくれたガイドを含め、清掃員や警備員など全てのスタッフはボランティアとのこと。今回のガイドは普段は機械エンジニアをしており、週に1度だけボランティアを行なっているそうです。宗教施設なだけあって、ここでボランティアを行うことは、いわば"徳を積む"ような効果があるそう。

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この施設の歴史から、シーア派スンニ派の礼拝方法の違いといったことまで、ガイドの知識は驚くべきもので、こちらがどんなトンチンカンな質問しても我慢強く回答してくれるような人でした。前回ガイド無しで訪れた時に比べ、間違いなく満足度は上がっています。

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この金メッキの金網からは内部にあるイマームレザーの墓が見え、ムスリムの巡礼者はこの金網にしがみついて祈りを捧げています。てっきりムスリムしか近づけないのかと思っていたら、ガイド曰く非ムスリムでも問題無いとのことなので、私も近づいて中を覗いてきました。

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その隣には金のアーチ。本物の金です。

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1時間ほどで一周回ってガイドツアーは終了。1度外に出て、ライトアップが美しくなる夕暮れ時にまた訪れることにします。

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