Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

4日目:ボヘミアン・スイス国立公園 トレッキング

チェコ最高峰を踏破した前日に続き、今日は北部のドイツとの国境地帯に広がる国立公園へ。昨日はバスでしたが、本日は電車移動なのでまずはプラハの鉄道駅へやってきました。

朝8:28発の列車でプラハからジェチーン(Děčín)まで。ベルリン行きの特急列車(InterCity)で、運賃は229コロナ(=約1,500円)でした。オンラインで購入するとこのeTicketに加えて指定座席番号が記載されたQRコードも送られてくるので、そちらをスマホに入れておけば紙のチケットは不要です。

指定されたのはコンパートメントの1席。車両によっては日本のようなオープン型の座席もあったのですが、オンラインで格安チケットを予約すると座席は自動で指定されるので、偶然こちらに割り振られたようです。ただ、ジェチーンまでの間は他の乗客は乗って来ず、ずっと1人で占有できたのでラッキーでした。

ベルリン行きですが、車両はチェコ国鉄のもの。コンパートメント型の車両なので随分年季が入っているのかと思いきや、コンセントやUSBプラグも付いており意外と新型のようです。

9:59、日本顔負けの1分単位の定刻でジェチーン駅に到着しました。

ジェチーンからはバスに乗り換え。普通の路線バスのような車両ですが、国立公園の中までどんどん入っていきます。バス運賃は33.3コロナ(=約220円)で、クレジットカード利用可能です。

30分ほどバスに揺られて、ボヘミアン・スイス国立公園に到着。ややこしい名前ですが、スイスに似た景観ということで付けられたそうです。バスを降りたのは、この国立公園で一番の見どころである、プラフチツェ門(Pravčická brána)の最寄りバス停。

今回想定したルートは以下の地図の緑色で示された、プラフチツェ門入り口からイェトジホヴィツェ(Jetřichovice)までの18.8kmのコース(AllTrails)。ただ、昨年起きた山火事の影響で、プラフチツェ門(地図上①)から先の一部区間が残念ながら通行止めになっているとのことでした。ということで、①まで行った後はスタート地点に戻り、地図赤色の迂回ルートを通って行くことに。結果、トータルで24kmです。

10:50、バス停からトレッキングスタート。ここからプラフチツェ門の区間はかなりの数の観光客が歩くので、トレイルもかなり整備されています。ただ、道の両脇に目をやると確かに山火事の跡がまだ生々しく残っていました。

この区間はこのような感じで軽装の観光客も目立ちます。ゆっくり歩いても片道45分程度らしいので良い散歩レベルです。

11:10、プラフチツェ門に到着。ヨーロッパ最大の自然岩石のアーチとのことで、かなり見応えがあります。この先は入場料95コロナ(=約650円)が必要ですが、ここはケチらずに支払って入りました。もちろんここもクレジットカードが使えます。

奥に進むとアーチがよく見える展望台まで行くことができますが、アーチの上に立つことは出来ずにこうやって眺めるのみ。ちなみに、このエリアは映画ナルニア国物語のロケ地にもなっているそうです。

アーチの脇にある建物はホテルだそうですが、現在は改修中でレストランのみがオープンしています。トイレだけ利用するために中に入りましたが、自然の岩石をうまく利用した造りになっていて歴史を感じる建物でした。

そして確かにこの奥のトレイルはクローズ。DANGER! RISK OF DEATH!と書かれては引き返すしかありません。

11:50、バス停まで戻ってきました。そのまま車道の反対側に伸びる迂回トレイルへ。

迂回トレイルはアップダウンも少なく快適。ただ、閉鎖中のトレイル区間は奇岩地帯を色々楽しめたらしいので、それに比べると面白みには欠けます。

12:30、メズニーロウカ(Mezní Louka)の集落で当初のトレイルと合流。今回の24kmの中で、途中に商店やレストランがあるのはプラフチツェ門とここの2カ所だけでこの先はゴールまで何もありません。私は最後の方で水が足りなくなって辛かったので、補充が必要な場合はここで忘れずに買い足すようにしましょう。

この先は基本的に樹林帯のトレイル。観光客もほとんどおらず、道も無駄に整備されることもなく土のトレイルなので非常に快適でした。奥多摩や奥高尾を思い出させる風景でトレラン向きのルートで、適度に走りながら進みます。

13:10、リトルプラフチツェ門(Malá Pravčická brána)という名前の、先ほどよりかなり規模の小さいアーチに到着。ここのアーチは上に登れて景色が良かったので、ここで30分ほどお昼休憩。

13:50、休憩を終えて少し進んだらまたハシゴで登れるような奇岩を発見。Google MapによるとŠaunštejnという名前の岩だそうです。当然登ってみます。

中を進むと岩の間を縫うように更に細いハシゴ。トレラン用の密着型ザックなのでギリギリ通れましたが、大きめのリュックだと引っかかってしまうかもしれません。

登ってみると展望台。確かに奥の芝生が広がる大地はスイスを彷彿とさせると言えるかもしれません。

この先は15分ほど車道を進む区間もありつつ、それ以外はずっと樹林帯のトレイル。すれ違ったり追い抜かしたりで出会う他のハイカーは30分に1組くらいしかおらず、プラフチツェ門の賑わいとは随分様相が違います。

15:00、この日のルートの最高標高地点Rudolfův kámenが見えてきました。

ここまで来るともうバテてきているところに、この階段はなかなか過酷。

15:10、頂上着。標高484mと、平坦な国土のチェコらしく高尾山よりも低い高さしかありませんが、景色は最高です。

岩の上には避難小屋あり。ちょっとした嵐で崩れてしまいそう。

15:35、最後の奇岩展望台Vilemínina vyhlídka。正面に見える集落が今日のゴール・イェトジホヴィツェです。

16:00、イェトジホヴィツェに到着。24kmを5時間で踏破したわけですが、最後の1時間あたりは飲み水が切れてしまい結構キツいトレーニング状態でした。前日のチェコ最高峰スニェシュカ山であまり水を消費しなかったのですが、ここは標高が低いだけあってかなり暑かったのが想定外。

ということで、イェトジホヴィツェで唯一開いていたバス停前の食堂で水分補給。一杯47コロナ(=約320円)で生き返りました。

食事ももらいましたが、メニューがチェコ語しかなかったのでGoogle翻訳でなんとかたどり着いたローストチキンらしき料理を注文。165コロナ(=約1,100円)。丸い塊は翻訳だとBacon Dumplingsと出てきましたが、あまりベーコン感はせず何だったのか謎のままです。かなりカロリーを消費した直後だったので即完食でした。

16時発のイェトジホヴィツェ発でジェチーンまで戻り、行きと同じく電車でプラハに帰還。19時過ぎにはプラハに戻って来られました。