Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

8日目:エチオピア航空 ET900 ラゴス〜アディスアベバ ビジネス

西アフリカ3カ国旅行を終え、ラゴスの空港からエチオピア航空で出国。Uberで空港まではあっさりと到着しますが、西アフリカの空港ということで賄賂要求がどこであるか分からず、実際に搭乗して機内に入るまで気を抜くことはできません。

建物に入る際の保安検査はあっさり通過してチェックインカウンターには到着。ビジネスクラス用の優先レーンもきちんと設置されています。

ただ、まずはチェックインカウンター前のDocument Checkで一悶着。次の目的地がケニアということでナイジェリアからの入国には黄熱病予防接種証明が必要となるため、証明書(イエローカード)の提示を求められたので、提示したのですが、そこで難癖を付けられてしまいました。

こちらが私の保有しているイエローカード。黄熱病予防接種はかつては有効期限が10年だったのですが、2016年よりWHOにより生涯有効と変更するように勧告があり、それ以前にワクチンを接種した人間についても有効期間は生涯へと自動的に変更になっています。ただし、私がイエローカードを取得したのは2011年のため、イエローカード上では有効期限は2021年との記載が残っており、ここがチェックインスタッフの難癖に引っ掛かってしまいました。

これは2021年で有効期限が切れているから搭乗できない、とのことでWHOウェブサイトの勧告を見せたりケニア当局も問題ないと言っていると伝えても渋り続け、少し待っていろとのことでその場で待たされます。そして10分ほど待つとスタッフの上司のような人間が現れ、同じく威圧的に難癖を付けてくるのに付き合う羽目に。

こちらに落ち度は無いのでずっと同じ説明を繰り返していると、最後は搭乗クラスを聞かれ、ビジネスクラスだと答えるとそれなら良いという意味不明な理由で解放してもらえました。1,000ナイラほど渡せばすぐ通過出来たのでしょうが、それを渋ったあまりに20分ほど捕まってしまうという、出国まで油断できない西アフリカの賄賂文化の洗礼でした。

ちなみに、空港には至る所に私達は賄賂を許さないというポスターが貼ってあります。その真横で堂々と賄賂要求の嫌がらせとは、もはや虚しささえ感じる西アフリカの賄賂カルチャー。

その後出国審査は西アフリカにしては珍しく上級クラス用の優先レーンまであり、賄賂要求もなくスムーズに通過。その後の保安検査は、旅行者ならナイラを持っていてももはや不要だからここに置いていけ、という理不尽な要求を受けましたが、既に空港の両替所でドルに再両替済身だったのでスルー。

ということで、ラウンジへ避難して出発まで待機。Priority Passでも入れるレベルの共用ラウンジで特筆すべきような場所では無いのですが、腐った役人から逃れられるというだけでかなりの安心感のあるラウンジでした。

エチオピア航空の搭乗開始とのアナウンスがラウンジ内で流れてから、出発ゲートへ移動。照明切れなのか元々こういうデザインなのかわかりませんが、出発ゲート前も恐ろしく暗く、最後まで気が重くなる雰囲気の空港でした。

搭乗。機材はエチオピア航空保有する中で最大の機材であるB777-300ERで、ラゴスの経済規模の大きさを感じます。ビジネスクラスの搭乗率は半分程度でしたが、エコノミークラスはほぼ満席に近いようでした。

2-3-2の座席配列で、ビジネスクラスにも関わらず運が悪いと通路側でも窓側でもない真ん中席が当たってしまう可能性もある機材ですが、今回は窓側席で隣りもいなかったため快適な旅。ウェルカムドリンクのシャンパンをもらうと、やっとナイジェリアを離れたということで緊張感から解放されます。

タキシング時、デルタ航空の機体が見えました。米系がナイジェリアまで直行便を飛ばしているとは知らなかったので意外でしたが、確かに米国でもナイジェリア系移民は存在感がありますし、アフリカ渡航に便利な中東系やエチオピア航空だと米国からは相当遠回りになってしまうので、実は結構需要があるのかもしれません。後から調べたところ、デルタだけでなくユナイテッドも就航しているそうで、米国BIG3のうち2社がラゴスへ就航済みなのでした。

曇天のラゴスを離陸。期待に違わずなかなか刺激的な街でした。

機内食メニュー。エチオピア航空はメニュー冊子を使い回すので、ところどころシミがあったり結構ボロボロです。

離陸して45分ほどで機内食のサービスが始まりました。スターターはメニュー上は2択ですが、チョイスを聞かれることもなくビーフテリーヌがサーブ。元々こちらが欲しかったので特に問題はないのですが。

メインはアフリカンバーベキューチキン。もっとアフリカっぽいワイルドな見た目を想像していましたが、こじんまりとした当たり障りのない機内食でした。

デザートはチーズ。大きな塊の状態でワゴンが回ってきて、希望者がいると目の前でカット・盛り付けしてサーブしてくれるスタイルでした。ワインを注文する時も、必ずボトルと空のグラスをそれぞれ持ってきて目の前で注いでくれますし、エチオピア航空はこのスタイルが徹底しています。

お茶とチョコレートでシメ。テキパキとしたサービスで、最初のスターターからここまで45分で終了しました。

食後はクルーが窓を閉めて周りおやすみモード。とはいえ13:40発→21:00着という昼行便なのであまり眠くなる時間帯でもなく、座席を倒してKindleで読書しながらグタグダ。フライトは中部アフリカを横断するおもしろい航路だったのですが、キャビンが暗いので頻繁に外を見るのは憚られ、何度かちょっとシェードを上げてみた際も外は曇っており、あまりアフリカらしい景色を楽しむことはできなかったのが少し残念。

アディスアベバに到着。大型機のB777-300ERにも関わらず沖止めでした。エチオピア航空ハブ空港の乗り継ぎ戦略として朝と夜にそれぞれフライトの発着を集中させているので、その時間帯はボーディングブリッジが足りないのでしょう。

それでも、移動にはビジネスクラス乗客用のバスが用意してあったので移動は楽々。ただ、大型機でビジネスクラスが満席になるような事態があると、バスの座席数は足りないかもしれない気がしました。