Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

6日目:ベナン〜ナイジェリア 陸路国境越え

この日は今回の旅の最大の難関と予想されていた、ナイジェリアへの陸路入国。ナイジェリアはこれまでに旅してきたトーゴベナンと比べても格段に公務員の腐敗が進んでいると言われており、先人達のブログを見ても皆一筋縄では行っていない様子です。気を引き締めて8:15に宿を出発。

宿のベナン人オーナーにバイタクを捕まえてもらい、まずはナイジェリア国境行きの乗合タクシー発着所まで。どういうわけか少し日本語の話せるバイタクドライバーに偶然当たり、料金400CFA(=約100円)で行ってもらうことが出来、宿から10分ほどで到着しました。

ナイジェリア国境行きの乗合タクシーが出発するのはこの辺り。LonelyPlanetに記載してある情報は古いのか現在では正しくないので注意してください。ちなみに、ラゴスまで直通の乗合タクシーは出ていないようでしたので、国境での乗り換えは必須です。

ドライバーに国境までの運賃を聞いたところ1,000CFA(=約250円)。事前リサーチや今回の旅で培った感覚から言っても通常運賃かむしろ少し安いくらいですので、交渉するコトなくそのままOK。しかもここでは運よく私でちょうど座席が満席、しかもどういうわけか助手席に座らせてくれるとのことでラッキー続きでした。

ということで、8:35には乗合タクシーコトヌーを出発。

コトヌーから国境までは30kmほどありますが、道はきちんと舗装されており、朝なので町から出る分には交通渋滞もなく、30分も経たずに9:00には国境に到着しました。

国境で降ろしてもらったらまずは両替。この国境もイミグレ施設はベナンとナイジェリアで共用の大きな建物があるのですが、その敷地に入る前に両替商がいたのでそこで両替をしてもらいました。

ナイジェリアの通貨ナイラは、政府が定める公定レートと自由市場で取引される市中レートに乖離がある通貨の1つで、今回訪れた時点では公定レートが1ドル=約670ナイラに対し、市中レートは1ドル=約1,100ナイラ。

ただ、これはアフリカ各地でどこでも同じことですが、市中の両替商は同じ米ドルでも高額紙幣($100,$50)を好むため、小額紙幣($20以下)の場合は両替レートが悪くなるのが普通。今回は$20×3枚の両替をお願いしたため、小額紙幣ということで提示されたのは1ドル=1,000ナイラでした。少し粘ろうかとも思いましたが、1ドルあたり100ナイラ損するとしても、60ドルで損するのは6,000ナイラ。日本円に換算するとせいぜい800円程度なのでここは飲み込むことに。

ナイラはインフレが進んでいるため、最大紙幣でも1,000ナイラ。ということで60ドルを両替すると1,000ナイラ札60枚になってしまい、早速財布に入らないほどの大量の札が手元に残ってしまいました。

両替を終えたら出入国審査へ。まずベナンの出国審査については、立ち寄るのは1カ所のみ。出国にも関わらずe-Visaを印刷した紙が求められますが、それさえあれば問題なく出国スタンプをもらうことが出来ました。逆に言うと、仮にe-Visaの印刷版を持っていないとすると賄賂を要求してくるかもしれない雰囲気はあります。

そのまま同じ建物でいよいよナイジェリアの入国審査。まず一番最初に荷物チェック。荷物の中身を開けさせられ、課税対象のものが無いかチェックしていたようですが、大した金目のものが無いバックパッカーだとわかると途中で解放されました。

続いては入国審査。ここではやはり審査官からのDo you have some gifts for me?という典型的な賄賂要求がありましたが、適当にあしらって拒否。ただそのせいか、1ヶ月有効のビザを事前に取得していたにも関わらず、何日滞在かと聞かれ正直に3日と答えたら3日分の入国許可しかもらえませんでした。万一の出国フライト欠航等が起こると即不法滞在になってしまうので、これは賄賂を拒否した嫌がらせなのでしょう。

そして最後にイエローカードのチェック。これは表紙だけ見せると、中を開くこともなく通してもらえました。予想外にあっさり。

ということで、無事ナイジェリア入国完了。全ての手続きが終わるのは9:45頃でした。1時間以内に国境を抜けられれば良いかなと思っていたところでしたので、それを超える良いペースです。

入国後はラゴスまでの乗合タクシー探し。まず、入管施設の敷地を出たすぐ先にプライベートタクシーが泊まっていますが、80,000ナイラ(=約10,900円)という異常のぼったくり価格だったので無視。乗合タクシー乗り場は入管施設から1本道を500m程度進んだ先にあるので、ここのプライベートタクシーに騙されないようにしましょう。

ここの乗合タクシー乗り場に着くと、わらわらとドライバーが寄ってきて乗客争奪戦の開始です。私の後から来た別の旅行者がドライバーに囲まれているのが以下の図ですが、文字通りのこのように取り囲まれてかなりの圧迫感です。

ここのイケていないところは、各ドライバーが協力をせずに各々で客引きをしていること。トーゴベナンであれば同一の行き先の乗合タクシー同士はきちんと順番を決めて1台ずつ乗客を入れていくので比較的すぐ出発できるのですが、こちらではそういったドライバー同士の協力関係はないため、各タクシーに2~3人ずつが乗って出発を待つ状態が発生する等、とにかく非常に効率が悪いのです。

私が乗り込んだタクシーも私が1番目の客で、待てど暮らせど他の客が集まらず2時間ほど経過。流石に私も痺れを切らしてこのタクシーは諦めて降りて他のタクシーを探し、あと1人で出発というタクシーを発見したのでこちらに乗り換え。こうしたこともあるので、乗合タクシーの運賃は出発寸前まで払わない方が良いでしょう。

乗合タクシーが待機しているのはこの辺り。幹線道路の両サイドに車が無数に停まっています。ラゴスまでのタクシー代は6,000ナイラ(=約800円)でした。

ということで、国境を出発したのは12:45。入国審査を終えてから3時間も国境近辺でウロウロしていたことになり、かなりのタイムロスになってしまいました。

国境からラゴスまでの道は賄賂街道とも呼ばれかなりびびっていたのですが、その名に違わず警察等による検問は合計21回。ただ、想像と違いかなりシステマチックな賄賂徴収体系になっていて、①車が来るとドラム缶等で通りを封鎖、②ドライバーが警官に500ナイラを渡す、③警官がドラム缶を除去して通過、という流れでした。警官も何か難癖を付けてくるわけでもなく、ドライバーも抵抗するわけでもなく毎回支払い。もはや通行税のような雰囲気でした。

21回のうち、乗客のIDやイエローカードの確認があったのは3回だけで、それ以外は乗客には特に影響なし。もちろんドライバーが払っている毎回の500ナイラの原資は乗客が支払っている運賃なわけですが、こうやって間接的な徴収システムになるとあまり不快感がなくなるのが不思議。

道路は舗装されており、検問以外は快適なドライブです。

ラゴスが近づくにつれて交通渋滞で進みは悪くなるものの、15時にはラゴスのMile 2に到着。Mile 2というのはラゴス市街地の西部にある大きな交差点で、国境等の西方面への乗合タクシーが発着する地点。ちょうど今年の夏に一部区間だけ開業した近郊鉄道の、現時点での終着駅となります。ドライバーに駅前で下ろしてもらい、鉄道に乗り換えて市内へと向かいました。