Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

2日目:クチトンネル サイクリングツアー

深夜便に乗って朝にホーチミンシティに到着後は、そのまま事前予約していたサイクリングツアーに参加。

今回参加するのは、以前にミャンマーのインレー湖でも参加したGrasshopper Adventuresが主催するツアーです。前回もかなり満足度が高かったので、今回も期待は高めです。

本来のツアーは、ホテルでピックアップしてもらい桟橋まで車で連れられた後に、スピードボートに乗ってサイクリング開始地点まで移動するというのが基本行程。ただし、私はそれだと間に合わないということで、空港近くのカフェでガイドの車にピックアップしてもらい、そのまま車で開始地点まで移動することに。こうした参加者ごとのイレギュラーな要望に柔軟に対応してもらえるのは良いポイント。しかも、スピードボート相当分の代金の割引までしてもらえました。

ガイドとの待ち合わせ場所は、ホーチミンにしては意外とおしゃれなカフェ。事前にしっかりとメールでのやりとりをしていたおかげで、イレギュラーな流れでも無事合流できました。

f:id:Pablo21:20200429184755j:plain

1時間ほど車に乗り、船着場に到着。この後はスピードボートで来る2人の参加者が到着するまで待機とのことで、しばらく周囲をぶらぶらして過ごします。

f:id:Pablo21:20200429230555j:plain

その間にガイドは自転車の組み立て。事前に身長を伝えているので、それぞれの参加者に合ったサイズに事前に調整してくれています。その上で実際に乗ってみて、最終的な微調整をしてもらった上でセットアップ完了です。

有名メーカーGTのバイクなので安心。

f:id:Pablo21:20200429184805j:plain

スピードボートが到着して参加者が全員揃い、10時頃に出発。距離は27km、ほぼフラットなルートで難易度もGrasshopperの中では低めとのことで、気軽に参加できるコースです。

最初はキャッサバ畑。

f:id:Pablo21:20200429184744j:plain

そこからゴム林へ。ベトナムは天然ゴムの生産量が世界3位と、実は天然ゴム大国なのです。

f:id:Pablo21:20200429184733j:plain

木の上の方に傷を付け、そこから糸を垂らすとそれに沿ってゴムの樹液が落ちてくる仕組み。ガイドがただの道案内ではなく、道中の風景の解説がしっかりしているのも、このツアーの評価が高い一因です。

f:id:Pablo21:20200429184719j:plain

続いて立ち寄ったのはライスペーパーの加工工場。ライスペーパーと言えば、日本でもポピュラーな生春巻きを始めとする、ベトナム料理には欠かせない基本素材の1つです。

f:id:Pablo21:20200429184654j:plain

工場の裏ではライスペーパーが天日干しされています。乾燥するにつれて生地が収縮するために発生するパリッという割れる音があちこちで響き渡り、不思議な雰囲気の場所でした。

f:id:Pablo21:20200429184642j:plain

乾燥したら、この機械で円形にくり抜いて出荷されます。残りカスは家畜の餌になるとのことで、意外と勿体ない使い方をしていることに驚き。円形ではなく四角形にすればより効率が良さそうなのですが、やはり生春巻き等に使うとなると円形の方がやりやすいということでしょうか。

f:id:Pablo21:20200429184705j:plain

その後はこのような街中の道も少し走りながら。

f:id:Pablo21:20200429184620j:plain

次に訪れたのは村の市場。ただ、この時点でもう11時半頃となっており、朝に最も活気がある市場は既にピークを過ぎたような雰囲気でした。

f:id:Pablo21:20200429184609j:plain

生の肉や魚が常温のまま陳列されているのは、いかにも途上国の市場という風景。今思えば、新型コロナウイルスの発生源もこういう場所だったのかもしれません。

f:id:Pablo21:20200429184538j:plain

これはベトナムのゲテモノとして有名な、孵化寸前の鶏の卵。殻を破るとヒヨコの形が分かるような状態ですが、これを食べるのがこの辺りの食文化です。ただ、やはりベトナムで最近の若者はこうしたものを敬遠する風潮があるのだとか。

f:id:Pablo21:20200429184527j:plain

上に色々と吊るしてあるのは、先祖への贈り物?のようなものだそう。先祖の欲しいもの(を模した紙細工)を燃やすと、あの世にそれを贈ることが出来るという風習なのだとか。

f:id:Pablo21:20200429184559j:plain

これも同じ。100ドル札の束を燃やすと、あの世で先祖が金持ちになれると言うことのようです。

f:id:Pablo21:20200429184548j:plain

続いて川沿い。気温が高く日差しも強いので、十分な水分補給と日焼け止めは必須アイテムです。水は出発時に専用ボトルで配られ、残量が少なくなれば都度補給してもらえますが、日焼け止めは持参が必要です。

f:id:Pablo21:20200429184515j:plain

13時過ぎ、ベトナム戦争時に実際にベトコンが使っていたというクチトンネルに到着。ここでサイクリングは終了となり、ここからツアーはクチトンネル見学へと進みます。

f:id:Pablo21:20200429184453j:plain

クチトンネルは現在では観光客向けに、ベトナム戦争当時のベトコンの生活を展示する施設になっています。

エントランス部分には、当時打ち落とした南ベトナム軍・米軍のヘリコプターや戦闘機が展示されており、プロパガンダ的な要素も多分にありました。

f:id:Pablo21:20200429184441j:plain

当時のベトコンの衣装展示。注目すべき点は足元のサンダルだそうで、物資が欠乏していたベトコン側は、廃タイヤを利用したゴムサンダルを履くのが当時の主流だったとのこと。

f:id:Pablo21:20200429184407j:plain

ゲリラ戦を遂行する上で、ベトコン側はベトナム各地にこのような地下トンネルを張り巡らせました。そのうちの幾つかが観光客向けに少し拡張されて気軽に中に入れるようになっています。

f:id:Pablo21:20200429184344j:plain

拡張されたとはいえ、中はこの狭さ。当時はこれと比較してもより狭く、電気もなかったことを考えるとかなり劣悪な環境だったことが想定されます。

f:id:Pablo21:20200429184333j:plain

ちなみに、拡張していない当時のままのトンネルの入り口はこのサイズ。

f:id:Pablo21:20200429184255j:plain

現地ガイドが入り方を実演してくれました。体格の小さいベトナム人でも、なんとかぴったりという大きさ。

f:id:Pablo21:20200429184243j:plain

中に入って蓋を閉じてしまえば、地上から見てもどこが入り口か全くわかりません。

f:id:Pablo21:20200429184230j:plain

地上に所々置いてある一見するとただの岩に見えるこれは、実は地下トンネルの通気孔。見事にカモフラージュされており、これでは上空の爆撃機からは判別がつくはずもありません。

f:id:Pablo21:20200429184418j:plain

ベトコン地下司令部の再現。さながら映画の世界です。

f:id:Pablo21:20200429184204j:plain

内部にはコウモリがうろうろしているので、苦手な方はご注意を。

f:id:Pablo21:20200429184219j:plain

ルートの最後には、米兵・南ベトナム兵を陥れるためのトラップの数々も展示されています。かなりエグい器械ばかりなので、詳細は省略。

f:id:Pablo21:20200429184142j:plain

そして、ベトコンが主食としていたキャッサバの試食も。右側に添えている塩とピーナッツの粉末がよくマッチしており美味しかったですが、毎日これと言われるとウンザリでしょう。

f:id:Pablo21:20200429184153j:plain

 これにてツアーの行程は終了。もう15時近くになっていましたが、この後はツアーに含まれているランチへと向かいます。

もうサイクリングも無いので、心置きなくビールを飲んでやっとリラックス。日本を出てからまだ半日しか経っていないのですが、ほぼノンストップで動いたこともあり、ビールが染み渡り最高の休日でした。

f:id:Pablo21:20200429184131j:plain

ランチ後は車でホーチミンシティまで帰還。帰りは渋滞に巻き込まれ市街地に着いたのは18時前になりました。前夜は深夜便で寝不足だったこともあり、この日の夜は出かけることもなく早々に寝落ちです。