Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

6日目:ヌーク町歩き (1)

今回宿泊したのは、Seamen's Homeという宿。名前から推測できる通り、港のすぐ隣りに建っています。

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朝食付きで1泊1,375デンマーククローネ(=約25,000円)。アイスランドに負けず劣らずの高物価に面食らいますが、こればかりはどうにもなりません。

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2万円以上払っているのに、ベッドは驚くほど簡易的。

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部屋からの眺め。ヌークの中心部は崖のさらに奥の方です。

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天気は相変わらず冴えないですが、ヌーク滞在も2泊しかないので、早速町歩きに繰り出すことに。

グリーンランド全土から人が集まって来ており、ヌークの人口は増加傾向というのは事前に予習していました。それを裏付けるかのように、ヌーク市内では住宅の建設があちこちで進行中です。

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ヌークの町は、全体的に岩が目立つ特徴的な地形の上に成り立っています。

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そのため、歩きやすいように階段が多く整備されており、アップダウンが多いところでも徒歩での散策しやすくなっているので助かります。

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謎のモニュメント。格闘技をしているのでしょうか。

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ヨーロッパでよく見かけるスーパー、SPARはグリーンランドでも店舗を展開していました。

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品揃えは西欧の標準的なスーパーとほとんど変わらず。野菜・果物類はスペインやイタリアからの空輸品が勢揃い。

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宿から歩いて15分ほどで、中心部に到着です。

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町一番の高級ホテル、ショッピングセンター、レストラン等が立ち並ぶエリアです。

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ここにあるスーパーはヌーク最大規模。

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さすがにスターバックスの店舗はグリーンランドにはありませんが、それでもスタバのコーヒーは楽しめるようです。

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日清のカップヌードルグリーンランド進出を果たしています。価格は1つ20.50クローネ(=約350円)。

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冷凍寿司までありました。全体的に値段は高いものの、ヌークであれば西欧の大都市と変わらない食生活を送ることが出来そうです。

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最近流行りのハンドスピナーグリーンランドに上陸済み。

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グリーンランドでは、欧州からの植民者が酒類を持ち込むまで飲酒の習慣がありませんでした。そのため、アルコール依存症が深刻な社会問題となり、現在では酒類の販売には厳しい制限が設けられています。例えば、スピリッツ類についてはこのようなカウンターでの対面販売しか認められていません。

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ビールやワインは店頭に並んでいますが、販売時間が制限されているほか、酒税も非常に高額です。酒が好きな人には住みづらい国でしょう。

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スーパーの品揃えのほとんどが輸入品な中、グリーンランド産のものといえば海産物くらい。

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そのため、他の商品と比べて魚介類は激安。ナマズ500gが20クローネ(=約350円)で買えます。

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スーパーの外では漁師の方でしょうか、魚の直売も行われていました。

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こちらが見渡した限りではヌークで一番高い建物。

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1~2階部分はショッピングモールになっています。

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他の部分はグリーンランド自治政府の庁舎になっていました。

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このビル一つに全ての省庁が収まっているようです。

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この近未来的な建物は、Katuaqという文化センター。内部にはカフェや映画館が入っています。

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中心部から5分ほど北に歩くと、サッカー場があります。人工芝のピッチで、グリーンランド代表の試合もここで行われるとのことです。

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公式には2,000人を収容できるスタジアムとのことなのですが、特段の観客用の設備は無く、皆スタジアム脇の岩場で観戦しているようでした。なかなかワイルドなスタジアムです。

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ヌークの地図。大きく3つの地区に分けられており、青色の部分が中心部になります。空港は右上部分。

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明日は晴れれば、町のすぐ隣りにそびえるUkkusissatという山に登る予定です。この日は一日中分厚い雲に覆われていましたが、どうなるでしょうか。

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6日目:エアアイスランド・コネクト NY407 レイキャビク(RKV)〜ヌーク エコノミー

今日はアイスランドからグリーンランドへの移動日。

アイスランドからグリーンランドへは、エアアイスランド・コネクトとグリーンランド航空の2社が就航しています。グリーンランド航空は国際線用のケプラヴィーク空港を発着する一方で、今回搭乗するエアアイスランド・コネクトは国内線用のレイキャビク空港発着。この空港はレイキャビク市街地のすぐ脇にあるため、歩いて空港まで向かうことに。

空港への道すがら、不思議なモニュメントを発見。

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宿から10分ほど歩くと、すぐ滑走路が見えてきます。

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滑走路脇をターミナルまで歩いている途中では、着陸する飛行機もよく見えます。滑走路が短いため、この空港にはこうした小型機しか離発着出来ません。

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宿が空港から遠い場合は、バスでのアクセスも可能。空港前のバス停は少し気味が悪いアートで彩られていました。

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宿から歩いて30分ほどでレイキャビク空港に到着。大きなスーツケースを引きずって歩くには少し遠いかもしれませんが、バックパックであれば散歩として程よい距離です。

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この空港の発着便はほぼアイスランドエア・コネクトが独占していることもあり、専用ターミナルのような門構え。

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中はシンプルな構造で、ターミナルに入るとすぐにチェックインカウンター。

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チェックインを済ませた後も、出発時刻の1時間前までは保安検査場に入ることは出来ず、待合室で待つことになります。写真奥に到着客用のターンテーブルが見えることからもわかる通り、到着客と出発客の動線は全く分けられていません。

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出発1時間前になり、保安検査を通過して出発ゲートへ。ゲートは1つしかなく、ベンチが20席ほどあるだけでした。これで1時間前まで保安検査の通過を制限していたことも納得。

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脇には小さな免税店がありましたが、売っているのはほとんど酒類のみ。税金の関係でしょうか、グリーンランドへの帰路だと思われるイヌイット系の人々が大量に箱買いしていたのが印象的でした。

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当然ボーディングブリッジなど無く、歩いて搭乗。機材はボンバルディアのQ200。座席配置は2-2です。

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観光シーズン真っ盛りということもあり、ほぼ満席の状態で離陸。

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乗降用のステップも扉に取り付けられており、タラップ搭載車も不要です。

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エアアイスランド・コネクトではソフトドリンク以外の機内食は有料です。せっかくなので、余っていたアイスランドクローナをここで全て使い切ってしまいました。サンドイッチ1,150クローナ、スープ450クローナ、スキール(アイスランド風ヨーグルト)300クローナで、合計1,900クローナ。占めて約2,000円。

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エアアイスランド・コネクトはアイスランド航空の子会社で、アイスランド国内線を中心に周辺諸国へも一部フライトを飛ばしています。以前は単にエアアイスランド (Air Iceland)という名称だったのですが、それだと親会社のアイスランド航空 (Icelandair)と混同されることが多かったため、今年の5月にブランド名が変更されました。中長距離路線を飛ばす親会社と補完関係にあることがより明確にわかる新名称です。

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グリーンランドが近づいてきました。

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真夏なのですが、海岸沿いを除けば大地は白一色。地図帳でグリーンランドが真っ白に塗られているのも納得です。

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3時間弱で、ヌークに到着。

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残念ながら天気は雨。気温もアイスランドに比べ一段と下がっています。降機したら足早にターミナルへ。

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ターンテーブルも可愛いサイズのものが一つだけ。一応グリーンランドの首都空港なのですが、それでもこんなものです。

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この空港の注意点としては、建物内にATMや両替所がありません。グリーンランドの通貨はデンマーククローネですが手持ちが全く無いので少し焦ります。

空港からのタクシーもクレジットカードは使用不可とのことだったので、結局タクシーに途中でATMがあるスーパーマーケットに立ち寄ってもらい、そこで現金を引き出してから市街地のホテルへ向かいました。

5日目:ロイガヴェーグル・トレイル トレッキング (4)

4日間のトレッキングもついに最終日。今まで天候には恵まれてきたのですが、最後の最後で残念ながら曇天です。雨もポツポツ。

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この日は15km先のゴール地点のソルスモルクを14:30に出るバスに乗ってレイキャビクへ戻らなければいけません。天候の回復を待ってもいられず、7時半過ぎには出発。

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エムストル小屋の全景。

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出発してすぐ、大きな標識が立っていました。

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ルート脇に位置するカトラ火山の噴火に対する警告でした。噴火が始まったら警告の花火が鳴るので、それが聞こえたら斜面を登るように、とのこと。そうならないことを祈るしかありません。

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広い谷に出ました。どうやら、ここを下って川の反対側へコースは続いているようです。

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ひたすら下り。

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途中、ロープ伝いに下りていく箇所もあります。滑りやすいので要注意。

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川が一番狭くなっているところに、橋が架かっていました。

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岩の間には急流。さすがにこれは歩いて渡るのは無理でしょう。

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川を渡った後は反対側の斜面をまた登り、一つ丘を越えていきます。

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丘を越えたら、ソルスモルク方面へ向けてしばらく下り。分厚い雲のせいか、なんとなく今までに比べて寂しい風景です。

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少し歩くと視界が開けてくるのですが、この辺りで残念ながら雨が強くなってきてしまいました。こうなるとただ黙々と歩くしかありません。

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雨が強くなるとどうしても歩くときに下を向きがちになりますが、そのおかげで地面に咲く花に気づくことができました。

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よく見るといろいろな種類の花が咲いています。

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高山植物の類には明るくないのですが、その方面が好きな人なら楽しいでしょう。

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川の反対側に小屋を発見。こんな何も無いところに誰か住んでいるのでしょうか。

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木が生えています。明らかに植生が変わってきました。

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道の先に川が見えてきました。

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どうやらまた渡渉ポイント。

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雨のせいか、今までに渡った川と違い川底が全く見えませんでした。これは深さがわからず大変です。幸い前日の川に比べて浅く幅も狭かったのでなんとかなりましたが、雨が降ると渡渉の難易度が一気に上がることを実感。

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渡渉ポイントを過ぎると、完全にルートの両脇が木々に囲まれました。ゴールが近づいていることを感じさせます。

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分岐点に到着。ソルスモルクは離れた場所に小屋がいくつかあり、利用するバス会社によって発着地点が違います。この看板を見るとバス停は右と思い込んでしまいますが・・・

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裏を見ると、私の利用するTREX社のバスはランギダルル小屋でした。進むべきは左です。

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地図によると、あの川沿いがゴール地点のはずです。

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よく目を凝らすと、目指すランギダルル小屋が見えました。

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13時、到着。

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ロイガヴェーグル・トレイル、全54kmを無事踏破です。最終日を除いて概ね天候にも恵まれ、満足できるトレッキングになりました。

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休憩用の建物でランチを済ませ、14時半が近づいてきたらバスに乗車。帰りの便は予約が出来ないので、満員で乗り切れなかったらどうするのだろうと思っていたのですが、乗車率は5割程度で、杞憂に終わりました。

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途中、大きな滝の横を通過。ソルスモルク周辺にも見所はいろいろあるようです。

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途中でバスの乗り換えを1度挟み、17時過ぎにレイキャビクに到着。出発前と同じ宿に戻り、シャワーを浴びてリフレッシュしたら、到着時に見かけて気になっていたラーメン屋で夕食です。

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店員に聞いたら、オーナーはチベット人で、日本でラーメン作りを学び、アイスランド人女性と結婚してここでラーメン店を開業したとのこと。ラーメン屋育成ジムとは初耳です。

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メニューはスープ、麺の種類、トッピングでそれぞれ好きなものを1つ選ぶ方式。価格はどれを選んでも1890クローナです。とんこつor味噌はいいとして、麺の種類でラーメン、うどん、ライスと並ぶのには唖然。当然ラーメンを選びましたが、うどんを選ぶと"とんこつうどん"なるものが出てくるのでしょうか。ライスを選ぶとどうなるのかは想像すら出来ません。

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餃子もあるようなので一緒に注文。

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まずはラーメンが出てきました。見た目はそれなりで、スープもいい味でしたが、有り得ないレベルで麺が伸びきっています。これがアイスランド人好みなのでしょうか。

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餃子はなぜかマヨネーズと一緒。

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この夕食で3,000円以上するのがアイスランドの物価。アイスランド最後の夕食はある意味で貴重な経験になりました。

 

4日目:ロイガヴェーグル・トレイル トレッキング (3)

トレッキング3日目、朝起きると少し雲が出ています。

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しかし風が吹いてくる方向をみると明るいので、そこまで悲観すべき状況ではなさそう。

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案の定、身支度をしていると晴れてきました。今日も運はまだ味方のようです。8時半に出発。

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最初は緑の中を進みます。雪の白・溶岩の黒・野草の緑と景色が変化に富んでいることもロイガヴェーグルの人気の秘訣でしょう。

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アルフタヴァトン小屋で、この日のルート上には渡渉ポイントが2カ所あるという情報を確認していたのですが、出発して30分ほどで早速ひとつ目。

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昨日の川に比べて幅も広め。足元が不安定なので、トレッキングポールがここでかなり役立ちました。

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幸運なのは晴れていること。ザックを下ろしての靴の履き替えも落ち着いて出来るし、川を渡り終えた後は20分ほど芝生の上でゆっくりしていると足も直ぐに乾きます。

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渡渉後はゆるいアップダウンの連続。

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ところどころ、正面に氷河が顔を出します。最終日のゴールであるソルスモルクはあの氷河の麓です。

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最近噴火したとは思えない雄大な氷河。

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出発から1時間半ほどで、ハヴァンギル小屋が見えてきました。

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アルフタヴァトン小屋が満員の際にはこちらを使うことも出来ますが、設備がとても簡素らしくあまりオススメはされていません。

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ハヴァンギル小屋を過ぎると風景がまた一変します。今度は溶岩の黒。

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途中、かなり流れの強い川に出くわしました。

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さすがにここは橋があるので安心。

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その後はしばらく車道を直進。

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本日2度目の渡渉。ここが全行程で一番幅の広い渡渉ポイントでした。深さも最大で、膝まで冷たい雪解け水に浸かることに。

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この日は平坦な道が多く、初日・2日目に比べると単調な道のり。

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歩いているとゴーという音が徐々に大きくなりながら聞こえてきたので何かと思っていたら、急に大きな滝が現れました。ちょうど12時過ぎだったので、ここでランチタイムに。

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その後も同じような風景。砂が少し細かくなってきたため、強風が吹くと砂が舞い上がって目がやられます。

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時間も十分あるので、途中少しルートから逸れて、コース脇にある丘の一つに登ってみました。

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ルートはひたすら氷河の方へと続いています。

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面白い形状の雲。山全体が気を発しているかのよう。

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渡渉ポイントは2つと聞いていたのですが、3つ目がありました。もう少し水深が浅ければ石伝いに渡れそうなので、この日はたまたま水量が多かっただけかもしれません。

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少しずつ雲が増えてきました。

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単調な景色に飽き始めてきたころ、やっと小屋が見えてきました。

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15時過ぎ、エムストル小屋に到着。今日も約7時間のトレッキングでした。

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小屋のレセプションに貼られていた掲示。日本だったら苦情が出ること間違い無しの内容に思わず苦笑させられます。

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ここは宿泊棟が3つに分かれており、私はハット3を指定されました。2段ベッドが並んでおり、1つのマットレスを2人の宿泊者で共有する形式です。

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各宿泊棟にキッチンも備えられていますが、ゴミ箱はありません。

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テント場は少し下ったところ。

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天気も下り坂なので、早めにシャワーを浴びて建物内でゆっくり。3日目になると同じルートで歩いている他のトレッカーとも顔見知りになるので、彼らと雑談をしながら過ごしました。

3日目:ロイガヴェーグル・トレイル トレッキング (2)

前夜早めに寝たため、6時前には起床。外に出てみると雲ひとつない快晴です。

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天気が崩れないうちにさっさと歩き始めたかったのですが、あいにくキッチンが7時までクローズしており朝食の準備も出来ないので、しばらく待機。それでも、朝の静けさの中でこの雄大なパノラマを独り占め出来ることに幸せを感じます。

7時を過ぎると他の宿泊客も続々と起床してきます。アイスランドの山の朝は遅めのようです。

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よく考えてみれば、今日の行程も6時間ほど。これだけ日が長いアイスランドであれば、そもそも急ぐ必要などないのかもしれません。私も朝食、身支度をゆっくりと済ませ、食後の緑茶まで楽しんでから9時過ぎに小屋を出発。

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前日の後半同様、しばらくは残雪の中を進むことに。

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かなり分厚く雪が積もっていることがわかります。7月中旬でこれだけの量が残っているのであれば、一年中溶けない万年雪なのでしょう。

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一つ丘を登りきると、絶景が広がっていました。

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丘を越えると雪道は終わり。少しの間、川沿いの道が続きます。

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相変わらずコースの脇では至る所で湧き出る温泉水。噴水口は当然かなりの熱さなのですが、いい感じに冷めたあたりのところを探せば足湯も可能です。天候も崩れる気配がないので、GPSで歩いた距離と残りの距離を確認しながら、休憩をいつも以上に多く挟んでゆっくり進みます。

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11時半頃、峠に到達。ここから先はひたすら下って、正面奥に見える湖のすぐそばにあるアルフタヴァトン小屋を目指すことになります。その前にまずはこの景色のいい場所でランチ休憩。

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食事を終えたら下り始めます。途中、小川を渡るところがありますが、この程度の川であれば石伝いに渡ることが出来るので、濡れることなくクリア。

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振り向くと滝。絵になります。

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ここの下りはずっと眺めがよく、休憩ポイントがたくさんあるのでなかなか進みません。本日ゴールの湖と小屋が見えている安心感もあり、ピクニック気分です。

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ちなみに、湖の奥に見えるこの白い部分は雲ではなく氷河。まさにこの氷河が2010年に大噴火を起こして欧州中のフライト網を麻痺させたエイヤフィヤトラヨークトル(Eyjafjallajökull)です。

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ついに渡渉ポイントが現れます。ここではさすがに石伝いも出来ず、靴を脱いでサンダルに履き替えて渡ることに。雪解け水なので当然冷たいですが、翌日の川に比べれば幅も狭くかわいいものでした。

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坂を下りきると、あとは平坦な道のりが続きます。

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振り向くと、今下ってきた道。この急坂があるため、逆方向に歩くことはあまりオススメされていません。こうしてみると大したこともなさそうですが、実際には重い荷物を背負ってのこの登りはかなり堪えるはず。

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小川沿いに生える草は色がとても鮮やかでCGのよう。

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最終盤は車道と合流。 

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15時半、本日の目的地であるアルフタヴァトン小屋に到着。

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建物はいくつかありますが、今回アサインされた宿泊棟はこちら。

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2階の大部屋に通されました。一人マットレスひとつで、場所は早い者勝ちです。

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その他、数名用の小部屋もありました。グループで泊まるとこちらを使わせてもらえるのかもしれません。

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1階はキッチン&ダイニングスペース。昨日泊まったフラプティンヌスケル小屋に比べると随分整った設備。

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車でもアクセス可能な立地のおかげか、ゴミ箱まであります。小屋の外にはゴミ箱は設置されていなかったので、残念ながらテント宿泊者は使うことは出来ないようです。

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荷物を下ろした後は、周辺をぶらぶら。パトカーもオフロード仕様です。

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まだまだ外も明るいので脇にある丘を登ってみることに。

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15分ほどで簡単に登頂。

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アルフタヴァトン湖も一望出来ます。

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小屋に戻ったら2日ぶりのシャワー。500クローナで5分間使うことが出来ますが、一度使い始めたら、途中でお湯を止めてもカウントダウンを止めることは出来ないので要注意。シャワー設備はテント宿泊者も利用できるので、かなり混み合っており、利用するのに30分ほど並びました。

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ランドマンナロイガルからここまで、2日間で24km歩きました。ゴールのソルスモルクまで、残り30km。

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2日目:ロイガヴェーグル・トレイル トレッキング (1)

レイキャビクからロイガヴェーグル・トレイルのスタート地点であるランドマンナロイガルまでのバスは、Reykjavik Excursions社とTrex社の2社が運行しています。それぞれ、ロイガヴェーグルのゴール地点であるソルスモルクからレイキャビクに戻るルートも運行しており、トレッカー向けの往復チケットも販売しているので、あまり違いはありません。

私は、レイキャビクの宿からバス出発地点が近かったTrex社を選択。朝7:30発です。

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ランドマンナロイガルに近づくにつれ、雲行きが怪しくなってきました。

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途中に休憩を1回挟み、6時間かかって12:30頃にランドマンナロイガルに到着。

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ランドマンナロイガルには温泉の他、ここを起点に日帰りで歩けるトレッキングルートも多く整備されており、ここを目的地に来る観光客も多くいる様子でした。

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ロイガヴェーグルのルート全景。正直、イラストではよくわかりません。

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本日のルートの解説。距離の112kmというのは11.2kmの誤植。4日間の中で最も短いですが、標高差は+470mと最も登るので、そんなに楽なスタートではありません。平均コースタイムは4~5時間とのこと。

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持参したランチを済ませてから、13:00頃トレッキング開始。

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最初は溶岩台地の中の整備されたルート。この辺りは日帰りと思われる軽装の人たちもたくさん見かけます。

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正面に見える丘の頂上まで行くのが日帰りの場合の定番コースの様です。

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地中から湯気が湧き出ているのはさすが火山国のアイスランド

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日本の温泉街を思い出す硫黄臭。

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少し登って後ろを振り返ると、歩いてきた溶岩台地が広がります。500年以上前の噴火時の溶岩とのことです。

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山肌も不思議な色。アルゼンチンのプルママルカを思い出します。

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歩き始めて1時間で分岐点に到着。ロイガヴェーグル・トレイルを進む場合は左へ、日帰りで丘の山頂を目指す場合は右へ。

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せっかくなので私も丘の頂上まで登ってみることに。分岐点からは数分で頂上に着きます。曇っているのが残念ですがいい眺め。

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谷の反対側にも登山ルートがありました。別の日帰りルートでしょう。

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ロイガヴェーグル・トレイルはこちらの方向に進んでいます。まずはあの尾根を越えていくようです。

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本道に戻って先へ進みます。日帰り客がいなくなり、一気に静かになりました。

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途中、雪が残る部分も所々出てきますが、しっかりと踏み固められており特に問題なし。

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振り返ると今歩いてきたトレイル。

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峠を越えるとその先は平坦な道が続いていました。先を歩いているトレッカーが豆粒のよう。日本のトレッキングでは味わえないスケールの景色です。

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遠くを見ると雨模様。嫌な予感。

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また湯気が。

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まさに温泉が湧き出している所でした。温泉水は触れないほどの熱さで、生きている地球を感じます。

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この後嫌な予感は的中して雨が降り出します。雨が降ると写真も撮れないので、ただ黙々と歩くしかありません。幸い、通り雨だったようで30分ほどで止みました。

ルートはひたすらアップ&ダウン。

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少しずつ標高が上がり、いつの間にか周りは雪原になります。再び晴れ間が出てきましたが、照り返しが厳しくサングラスが役立ちました。

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この辺りは尾根伝いや沢伝いの道ではなく、広い雪原の中をまっすぐ進んで行くだけなので、霧や雨で視界が遮られるとトレイルからロストする可能性もありそうな雰囲気。天気ばかりはどうにもならないので、念のためGPSは持って行った方がよさそうです。

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峠を越えると、すぐ下に小屋が見えました。

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17時過ぎに今夜宿泊の山小屋、フラプティンヌスケルに到着。途中眺望のいい場所でゆっくり休憩を取った時間を含めても、ランドマンナロイガルから4時間で歩いてきたことになります。

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小屋の脇にも噴気孔。

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小屋でチェックインをすると、寝床は2階の屋根裏部屋を指定されました。マットレスだけが並べて置いてあり、どこの場所にするかは早い者勝ちです。

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1階にもベッドルームはありましたが、この日はツアーグループ向けになっていました。2段ベッドの下段は1つのマットレスを2人でシェアするらしいので、見知らぬ人とペアになってしまうとキツいかもしれません。

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宿泊者向けの共用キッチン。調理器具や食器は備え付けが十分あり、小屋泊であればそういった類の荷物は不要です。

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小屋の管理人の女性と少し話をしていたのですが、このトレイルを歩くのはヨーロッパからの旅行客がほとんどで、アジア人は珍しいとのこと。最近アイスランドでも中国人観光客は増えており、運転マナー等の問題で現地でも話題になることが多い一方、彼らはこういうトレッキングには全く来ないというようなことを言っていました。

確かに、アイスランドに限らず今までの海外トレッキングで、香港・台湾・シンガポール出身の人や中華系アメリカ人であれば見たことはある一方、中国本土出身の人を見たことはありません。ある程度の先進国でないとトレッキングはポピュラーにならないということでしょうか。

ツアーグループでキッチンが混雑する前に食事を済ませ、全く暗くならない中、早めに就寝です。

 

1日目:レイキャビク街歩き

今回レイキャビクで宿泊したのは、Treasure B&Bという小さなゲストハウス。中心部に位置しており、繁華街や観光案内所など、どこへ行くにも歩いていける便利なロケーションでした。

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1階部分は共用エリア。コーヒーやお茶は飲み放題です。

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部屋は半地下部分にあり、質素な造り。特に問題なく快適に過ごせましたが、これで1泊20,000円という価格設定にアイスランドの物価高を痛感します。

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宿にチェックインした時点で既に18時過ぎですが、レイキャビクの街を観光できるのは実質的にこの日のみ。幸い日没は心配する必要が無いので、さっそく町歩きへ繰り出します。

宿から歩いて数分でレイキャビク最大の繁華街、ロイガヴェーグル通りに到着。明らかに地元住民を凌駕する数の観光客で賑わっていました。

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そのまま進むと、特徴的な外観で有名なハットルグリムス教会。レイキャヴィクで最も高い建造物とのことです。

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教会なので入場は無料。

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後ろを振り向くと、立派なパイプオルガンです。

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塔の上に登るには900クローナレイキャビク全体を見渡せます。一国の首都としてはかなりこじんまりとした街です。

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南側を臨むとすぐ街のすぐ隣りには国内線用の空港があります。この後に乗る予定のグリーンランド行きのフライトは例外的にこの空港から出発なのですが、この近さであれば歩いて行けそうです。

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夕食は有名なホットドッグスタンド、Baejarins Beztu Pylsurで。

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2004年にビルクリントン元アメリカ大統領が訪れて一躍有名になり、今やガイドブックには必ず載っているホットドッグスタンドです。実際のところ、アイスランドはここに限らずホットドッグスタンドは街中に多くあり、どこも大した味の違いはないそうですが、せっかくなので。

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with everything?とだけ聞かれるので、特に嫌いなものが無ければyesと答えれば、ケチャップ、マスタード、マヨネーズ、フライドオニオン、生玉ねぎが入ったホットドッグが出てきます。1つ450クローナアイスランドでの外食としては最安レベル。

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外はまだ明るいですがもう夜9時過ぎ。翌日からのトレッキングに備え、宿に戻ってパッキングを済ませてから早めに就寝しました。