レイキャビクからロイガヴェーグル・トレイルのスタート地点であるランドマンナロイガルまでのバスは、Reykjavik Excursions社とTrex社の2社が運行しています。それぞれ、ロイガヴェーグルのゴール地点であるソルスモルクからレイキャビクに戻るルートも運行しており、トレッカー向けの往復チケットも販売しているので、あまり違いはありません。
私は、レイキャビクの宿からバス出発地点が近かったTrex社を選択。朝7:30発です。
ランドマンナロイガルに近づくにつれ、雲行きが怪しくなってきました。
途中に休憩を1回挟み、6時間かかって12:30頃にランドマンナロイガルに到着。
ランドマンナロイガルには温泉の他、ここを起点に日帰りで歩けるトレッキングルートも多く整備されており、ここを目的地に来る観光客も多くいる様子でした。
ロイガヴェーグルのルート全景。正直、イラストではよくわかりません。
本日のルートの解説。距離の112kmというのは11.2kmの誤植。4日間の中で最も短いですが、標高差は+470mと最も登るので、そんなに楽なスタートではありません。平均コースタイムは4~5時間とのこと。
持参したランチを済ませてから、13:00頃トレッキング開始。
最初は溶岩台地の中の整備されたルート。この辺りは日帰りと思われる軽装の人たちもたくさん見かけます。
正面に見える丘の頂上まで行くのが日帰りの場合の定番コースの様です。
地中から湯気が湧き出ているのはさすが火山国のアイスランド。
日本の温泉街を思い出す硫黄臭。
少し登って後ろを振り返ると、歩いてきた溶岩台地が広がります。500年以上前の噴火時の溶岩とのことです。
山肌も不思議な色。アルゼンチンのプルママルカを思い出します。
歩き始めて1時間で分岐点に到着。ロイガヴェーグル・トレイルを進む場合は左へ、日帰りで丘の山頂を目指す場合は右へ。
せっかくなので私も丘の頂上まで登ってみることに。分岐点からは数分で頂上に着きます。曇っているのが残念ですがいい眺め。
谷の反対側にも登山ルートがありました。別の日帰りルートでしょう。
ロイガヴェーグル・トレイルはこちらの方向に進んでいます。まずはあの尾根を越えていくようです。
本道に戻って先へ進みます。日帰り客がいなくなり、一気に静かになりました。
途中、雪が残る部分も所々出てきますが、しっかりと踏み固められており特に問題なし。
振り返ると今歩いてきたトレイル。
峠を越えるとその先は平坦な道が続いていました。先を歩いているトレッカーが豆粒のよう。日本のトレッキングでは味わえないスケールの景色です。
遠くを見ると雨模様。嫌な予感。
また湯気が。
まさに温泉が湧き出している所でした。温泉水は触れないほどの熱さで、生きている地球を感じます。
この後嫌な予感は的中して雨が降り出します。雨が降ると写真も撮れないので、ただ黙々と歩くしかありません。幸い、通り雨だったようで30分ほどで止みました。
ルートはひたすらアップ&ダウン。
少しずつ標高が上がり、いつの間にか周りは雪原になります。再び晴れ間が出てきましたが、照り返しが厳しくサングラスが役立ちました。
この辺りは尾根伝いや沢伝いの道ではなく、広い雪原の中をまっすぐ進んで行くだけなので、霧や雨で視界が遮られるとトレイルからロストする可能性もありそうな雰囲気。天気ばかりはどうにもならないので、念のためGPSは持って行った方がよさそうです。
峠を越えると、すぐ下に小屋が見えました。
17時過ぎに今夜宿泊の山小屋、フラプティンヌスケルに到着。途中眺望のいい場所でゆっくり休憩を取った時間を含めても、ランドマンナロイガルから4時間で歩いてきたことになります。
小屋の脇にも噴気孔。
小屋でチェックインをすると、寝床は2階の屋根裏部屋を指定されました。マットレスだけが並べて置いてあり、どこの場所にするかは早い者勝ちです。
1階にもベッドルームはありましたが、この日はツアーグループ向けになっていました。2段ベッドの下段は1つのマットレスを2人でシェアするらしいので、見知らぬ人とペアになってしまうとキツいかもしれません。
宿泊者向けの共用キッチン。調理器具や食器は備え付けが十分あり、小屋泊であればそういった類の荷物は不要です。
小屋の管理人の女性と少し話をしていたのですが、このトレイルを歩くのはヨーロッパからの旅行客がほとんどで、アジア人は珍しいとのこと。最近アイスランドでも中国人観光客は増えており、運転マナー等の問題で現地でも話題になることが多い一方、彼らはこういうトレッキングには全く来ないというようなことを言っていました。
確かに、アイスランドに限らず今までの海外トレッキングで、香港・台湾・シンガポール出身の人や中華系アメリカ人であれば見たことはある一方、中国本土出身の人を見たことはありません。ある程度の先進国でないとトレッキングはポピュラーにならないということでしょうか。
ツアーグループでキッチンが混雑する前に食事を済ませ、全く暗くならない中、早めに就寝です。