ホテルから空港まではタクシーで移動。今回搭乗するのは国内線なので、市街地から近いところにあるメフラバード空港へと向かいます。
テヘランのタクシー利用はsnappというアプリが便利。UberやGrabと同じような使い方が出来、英語が必ずしも通じないこの国において、料金交渉の手間が省けるこのアプリにはかなりお世話になりました。
朝は交通渋滞が酷い時間帯ですが、中心部とは反対へ向かうルートのためあまり影響は受けず、20分ほどで空港に到着。メフラバード空港はターミナルが1から6まであり、イラン航空の出発はターミナル2です。
ターミナル2の出発便一覧。メフラバード空港は国内線専用空港なので、イラン各地の都市名が行き先に並びます。マシュハド行きも頻発しており、今回搭乗するのは10:40発の268便。9:00頃に空港に着きましたが、まだチェックインは始まっていないようでした。
1時間半前の9:10にチェックイン開始。日本を始めとする大多数の国のスタンダードと違い、航空会社別ではなく便別にチェックインカウンターが異なるので、注意が必要です。優先カウンターもありませんでした。
チェックイン後は保安検査を越えて出発フロアへ。国内線ではラウンジは無いとのことなので、共用フロアで待つことになります。
国内線なので免税では無いと思いますが、売店はそれなりに充実していました。
レストランもありますが、なぜかメニューの表記はハングル。まさか韓国資本ではあるまいし、インターネット上の画像を拾ってきただけなのかもしれません。
イラン政府のプロパガンダを思わせる風刺画のコーナーも。ペルシャ語しか記載が無かったので詳細はわかりませんが。
トランプ大統領の写真もありました。一緒に写っているのはサウジアラビアでしょうか、イスラエルと並ぶイランの大敵コンビです。
駐機場から見えたのはマーハーン航空のB747。近年拡大を続けている航空会社で、現在ではイラン航空を抜いてイラン最大の規模を誇ります。
その奥にも、航空会社まではわかりませんがB747が何機も。
このターミナルからの搭乗はバスゲートのみ。一見ボーディングブリッジのように見えましたが、バス乗り場へと続いている通路でした。
搭乗開始時刻は予定の10:10より少し遅れ、出発予定時刻の10:40頃。優先搭乗もありませんでした。
優先チェックイン無し、ラウンジ無し、優先搭乗無しなので、イラン航空の国内線に乗る時は機内サービス以外はビジネスとエコノミーの差は無いと考えて良いでしょう。まあ、それでも余りあるほどの格安運賃なので文句は言えません。
バスはドイツ製の近代的なものでした。
この日の機材はA320。1992年引渡という機齢27年のベテラン機材で、2007年まで15年イベリア航空で活躍した後にイラン航空に中古で売却された機体です。
ビジネスクラスのシートは昔ながらのスタイル。2-2が3列で12席という配列でしたが、乗客は3名のみでした。そのほかに武官と思われる人が最前列に1名。
ベルトのバックル部分はあまり見ない不思議な形。
座席には灰皿の跡が残っているほどの年季物です。もちろんイランでも今は航空機内は禁煙なので安心。
座席操作2つのボタンで。
隣に駐機していたのはカスピアン航空。あちらは国内線を主体としている会社ですが、エコノミークラスの設定しか無いので今回は選びませんでした。
ウェルカムドリンクはまさかのパックジュース。ギャズと呼ばれるイランのお菓子(ヌガーのようなもの)と一緒に配られました。
離陸。駐機場の端では様々なサイズの機材が並んでいるのが見えましたが、随分と無秩序です。右上の方では接触しているのではないかと思えるほど接近している機材もあります。
西向きに離陸しましたが、そのままぐるっと旋回して、テヘラン市街地を真下に眺めながら上昇していきます。人口1,000万人を超える、中東最大のメガシティです。
テヘラン市街地を過ぎると、ダマヴァンド山が雲の上に姿を現しました。標高5,610mでイラン最高峰です。
拡大するとこのように見えます。11月にもなると頂上付近はすっかり雪に覆われていますが、夏であればこの標高の山としては比較的簡単に登頂できるようなので、いつかは挑戦してみたいところです。
機内食は選択の余地無くこの一択のみ。イラン料理の定番中の定番とも言えるチェロウキャバーブ(チェロウ=米、キャバーブ=ケバブです)がメインでした。これなら間違いありません。
ドリンクは搭乗時の紙パックに続き、今度はペットボトル。どうやらそもそもグラスの用意が無いようです。
ちなみに、このファンタはMade in Iran。パッケージにも"ORIGINAL"と記載されており、紛い物ではありません。ファンタに限らずコカコーラやスプライトなどもイランでは普通に流通しているのですが、これと米国制裁との関連については謎。イラン人も特段気にしていないようです。
トイレ内部の、"ゴミを流すな"という表示はスペイン語のまま。イベリア航空時代の名残を感じます。
座席ポケットには機内誌が入っています。既に11月になっていますが、まだ9・10月号のままなのはご愛嬌。
イラン航空の国際線路線図。東アジア路線はマーハーン航空に押されて完全撤退してしまい、マーハーン航空が制裁で乗り入れ出来ない欧州路線に注力しています。11年前にイランを訪れた時は成田発のイラン航空で往復したのですが、それも今は昔の話となってしまいました。
巡礼者向けの路線。断交状態のイランとサウジアラビアですが、やはりムスリムである以上メディナへの路線は運航できているようです。
国内線はテヘラン発着主体というわけではなく、全土に網の目のように張り巡らされています。イラン航空のスローガンである"The" Airline of the Islamic Republic of Iranの誇りは、辛うじて保たれていると言えるでしょう。
1時間半でマシュハドに到着。イラク航空の隣に駐機しました。
ここでもボーディングブリッジではなくタラップを使った降機となりました。
そしてバスで移動。ビジネスクラス乗客向けのバスがあるわけもなく、すぐにこのバスも満員になりました。
マシュハド空港のターミナルは天井も高く、メフラバード空港に比べても開放的な雰囲気でした。