ヌアクショットには2泊滞在。事前に予約していたのは、Hotel Wissalです。中心部より少し北側に位置しますが、十分歩ける距離で立地は問題ありません。更に空港送迎が無料なのも良い点。空港が中心部から30km以上離れており、最終日は朝のフライトなのでタクシーを手配するのも不安だったこともあり、これは助かりました。
部屋は204号室。1泊51ユーロで最安の部屋を予約していたのですが、予約した部屋がまだ空いていないという理由で、追加料金無しでスイートルームにアップグレードしてくれました。
ベッドルーム。薄っぺらですがスリッパ付き。
こちらがリビング。照明が少なく少々暗いですが、1人では余りあるほどの広さ。
バスルームも清潔。バスタブとの仕切りにカーテンが無いことは残念ですが、それ以外は値段と立地を考慮すればかなりお得感のあるホテルです。
早速町歩きへ。首都ですが、ヤギが町をウロウロしているのはここも一緒。他のアフリカの国でも、首都において人間以外の動物がここまで悠々と道路を闊歩しているのはなかなか見かけません。
中心部をぶらぶら歩きます。建設中のビルもあったりと、牧歌的な雰囲気が残る地方都市とは対照的に、首都は少しずつ発展を続けている模様。
首都最大のモスクは、その名もサウジモスク(Mosqué Saudique)。サウジアラビアからの支援金で建設されたとのことですが、それにしても何のひねりも無い名前です。異教徒は内部に入ることは出来ないので、外から眺めるのみ。
ぱっと見は現代的で立派な造りですが、よく見るとかなり老朽化が進んでいるよう。ミナレットのテラスは既に崩れ落ちています。完成してからそんなに年月が経っているようには見えないので、メンテナンス状況がよほど悪いということのようです。
町中には、メッカ巡礼を宣伝する広告も目立ちます。こちらはターキッシュエアラインズ。
これはクレジットカードのキャンペーンでしょうか。カード普及率が恐ろしく低いこの国で、カードを所有できるだけの層がどれだけいるのか不明ですが。
旅行会社もメッカ巡礼を意味するハッジ&ウムラ推し。裏を返せば、それ以外の用事で飛行機に乗って海外に出る人がほとんどいないということでしょう。
唯一観光客向けの見所と言えるのが、国立博物館。
実はこの日は休館日だったようで、中では正装をした中高生くらいの少年たちが集まって学校の発表会のようなイベントをやっているところでした。身なりもよく片言の英語も解し、アジア人を差別するような発言も全く無かったので、上流階級の家の子供たちだったようです。
私が少年たちに博物館は閉館なのか?と尋ねると「そうなんだけど、ちょっと待っててよ」と言うので何かと思っていると、なんとこの博物館の管理人をどこからか連れてきてくれました。少年たちがわざわざ日本から見学者が来たということを話してくれたらしく、管理人が鍵を開けてくれて、閉館日にも関わらず特別に中を見せてもらえることに。
展示品が収納されているケースは全て日本からの支援品でした。少年達はこれを私に見せたかったようです。
展示はモーリタニアの歴史、自然に関するもので20~30分あれば十分見て回れる程度のこじんまりとした規模です。ただ、解説がアラビア語とフランス語しかないので、展示物を見て想像するしかありません。それでも、このシンゲッティの金曜モスクはさすがに分かりました。
入り口に掲げられているのも金曜モスクの絵。やはりモーリタニアを象徴する建物というのは間違いなさそうです。
中心部にて、偶然モーリタニア航空のオフィスを発見。明日のフライトを予約してあるのですが、アフリカの弱小エアラインは基本的に信用ならないので、念のためリコンファームをしておきます。
フラッグキャリアとはいえ、オフィス内はスタッフが3人いるだけの小さな規模です。驚いたことに3人とも英語が全く通じず、かなり怪しい感じ。それでもGoogle Translateを駆使して何とかコミュニケーションを取り、リコンファーム成功。
e-ticketの控えも印刷してもらえました。封筒に1st BOEING 737 MAX in Africaと書かれている通り、実はエチオピア航空よりも前の2017年12月にボーイングの最新鋭機を1機だけ導入しています。それも、一連の737MAXの事故が起こった今では虚しく響きますが。
町の北西にあるのは、この国には似つかわしく無い規模のスタジアム。
想像通り、中国の支援によるものでした。良いか悪いかは別にしても、JICAのODAと比べても資金力の差は歴然です。
2018年12月に、6億5,000万ウギア(=約20億円)かけて改修されたとのこと。中国のアフリカ進出の勢いは凄まじいものがあります。
スタジアムの隣りでは、モーリタニア初の国際ブランドホテルとしてシェラトンが建設中。
この建設に携わっているのも中国企業。現地の企業に任せるには不安過ぎますし、かといって日韓やヨーロッパの企業に発注するとコストがかかりすぎるので、シェラトンとしても中国企業の存在は重宝しているはずです。
中国のほかにこの町でプレゼンスが大きいのはトルコ。特に衣料品店はほとんどトルコ系です。同じイスラム教徒の国として、モーリタニアでも馴染みやすいのでしょう。
食事に関しては、今までに比べると首都らしく随分と小綺麗になりました。ただ、値段も上がり、このシャワルマで100ウギア(=約300円)。
ちかくのカフェで取った朝食は完全にフランス風。旧フランス植民地らしく、フランスパンはなかなかのクオリティです。これも100ウギア。
あまり見所の無いヌアクショット、今回1日半も滞在しましたが、正直半日あれば十分という印象でした。翌日は例の怪しいエアライン、モーリタニア航空に乗ってこの国ともお別れです。