Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

9日目:ヤムスクロ観光 (1) アビジャンからの移動、Hotel President

アビジャンは人口400万人以上を擁するコートジボワール最大の都市ですが、実は首都ではありません。実際の首都があるのは、同国中部にあるヤムスクロという人口35万人の地方都市なのです。今回は、アビジャンからバスに乗ってそのヤムスクロへ行ってきました。

まずは朝のバスターミナルへ。コートジボワールにおける都市間移動は大型バスが主流で、UTB社という国内最大規模のバス会社がアビジャン〜ヤムクスロ間を1時間に1本程度の頻度で運行しています。

UTB社はアビジャン中心部のアジャメ地区にメインのターミナルを持っているのですが、今回宿泊していたホテルのあるヨプゴン地区にもターミナルを設けています。わざわざ中心部に出るのも面倒だったので、まずはヨプゴンのバスターミナルへ向かいました。

朝のバスターミナルはなかなかの混乱ぶり。チケットを求める人とバスを待つ人で溢れかえっています。

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なんとか行列に並んでヤムスクロ行きのチケットを入手。その後はバスを待つわけですが、モニター等は全く無くフランス語のアナウンスのみのため、いつどこ行きのバスが来るのだかよくわかりません。

結局、近くにいた親切な地元の人が私のチケットを見て、ヤムスクロ行きのバスのアナウンスがあった時に、あのバスだと教えてくれてなんとか無事乗車出来ました。満席だったのでアナウンスに気づくのが遅れていたら乗れなかったかもしれません。

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バスは発展途上国にありがちな2列-3列の座席。満席だったのでぎゅうぎゅう詰めです。

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アビジャンから3時間かけてヤムスクロに到着。

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ヤムスクロの風景。広いメインストリートが通っているものの、道路脇には高い建物もなく、アビジャンと比べると随分とゆったりとした空気が流れており、とても首都とは思えないような雰囲気です。

それもそのはず、ここは元々は一小村に過ぎなかった場所なのですが、コートジボワールの初代大統領ウフェ=ボワニの出身地。彼が大統領だった1983年にアビジャンから遷都されたのでした。日本やその他先進国だと考えられないほどの政治の私物化ですが、アフリカではそれが罷り通ってしまいます。

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ただし、中央官庁等の政府系施設や各国の大使館は全てアビジャンに残ったまま。さすがに経済の中心であり巨大な商業港も持つアビジャンを捨てて首都機能を移すのは現実的ではなかったのでしょう。そのため、この国は憲法上の首都(ヤムスクロ)と実務上の首都(アビジャン)が異なるという不思議な状態になっています。

それでも、ウフェ=ボワニが威信をかけて建設して現在の観光名所となっているのがノートルダムドラペ大聖堂。自らの威信を際立たせるためか桁違いの大きさで建設され、バチカンのサンピエトロ大聖堂よりも大きく、世界最大の教会としてギネスブックにも載っているそうです。アフリカらしい国家元首による無駄遣いの極みとしか思えません。

その大聖堂もしっかりと見えました。離れていてもこの大きさですから、多分ヤムスクロの町のどこからでも見えるのでしょう。

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大聖堂はこの後に訪れますが、その前にまずはバスターミナルから10分ほど歩いて今日の宿泊先であるホテルプレジデントへ。頑張ればアビジャンから日帰りも可能なのですが、このホテル自体が見所の一つだと言われていることもあり、興味本位で泊まることにしたのです。

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外観はこんな感じ。遷都に伴って外国の要人を泊めるために建てられたもので、当時は豪華絢爛な最高級ホテルだったようですが、既に建設から30年以上が経ち老朽化が進んでいます。

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最上階は展望レストランになっているのですが、よく見ると穴が空いているほど。

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それでも、ロビーの内部は最近改装されたらしく、開業当時を思わせる雰囲気を残しています。

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このホテルはBooking.comやExpediaといったオンラインの予約サイトには登録されておらず、予約するのに苦労しました。ホテル独自のウェブサイトはあるのですが、そこから予約を入れようとしてもなしのつぶて。結局、ホテルのFacebookページからメッセージ機能でなんとか予約を入れることができました。

レセプションの後ろにある世界時計はヤムスクロ、パリ、ニューヨークと並んで東京が。ここがアフリカであるにも関わらず北京でなく東京が選ばれているあたりにも、時代を感じます。

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レセプションの下は映画館。看板からして、これも相当年季が入っていることは間違いなさそうです。

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ここのホテルはレセプションのあるTour(Tower)棟と、その隣にあるBâtiment(Building)棟に分かれています。こちらがBâtiment棟。

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Tour棟はロビーしか改装されていない一方で、Bâtiment棟は客室まで改装されているとのことで、こちらを選びました。確かに綺麗な造りになっています。

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客室も問題無し。TripAdvisorのレビューでは部屋に染み付く臭いがひどいとかゴキブリが出るとかありましたが、きっとTour棟の話なのでしょう。

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水周りの改装済み。これで1泊58,000フラン(=約12,000円)は、まあ妥当といったところです。

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到着後、昼食がてらTour最上階のレストランへ。昼時にも関わらず、驚いたことに他の客は誰もいません。ただ、よく考えればこのレストランに限らずこのホテル内では目に入るのはスタッフばかりで、ほとんど宿泊客の気配がしないのでした。

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ヤムスクロで大聖堂の次に高い建物の最上階ということもあり、眺めは最高。町全体が見渡せます。

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一際目立つのはやはり大聖堂。町外れにあるため中心部からは離れているはずなのですが、距離感がうまく掴めない程の異様な大きさ。何か錯覚を見ているかのようです。

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ランチは一番安かったパスタを注文。それでも8,000フラン(=約1,600円)となかなか強気な値段設定です。

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外に大した食事処も無いので、夕食もここで済ませました。唯一メニューにあった現地料理のケジェヌー(Kedjenou)、12,000フラン。価格は高いですが出来はしっかりしているのが救い。

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ちなみに、翌日の朝食はビュッフェ形式でした。

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これだけいろいろな種類が並んでいながら、食事をしている客が他に1組しかいないという異様な雰囲気。どうやって採算を取っているのか、謎が深いホテルです。

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