朝起きると、残念ながらこの日も曇り。登る予定だったUkkusissatの山頂は分厚い雲の中です。
半日あれば登れる程度の簡単な山らしいので、午後から晴れてくることを期待して、まずは町歩きへ出かけることに。
ヌーク港の全景。ヌークは空港が小さく大型輸送機の離発着が出来ないため、コンテナ船も接岸可能なこの港が町の生命線です。
港の奥を見ると雲はますます分厚くなり、マンションまで靄に包まれている様子。これは今日も登山は厳しいかもしれません。
気を取り直してまた中心部へ。このカテドラルは数少ないヌークの観光名所の一つのはずですが、残念ながら鍵がかかっていて入れず。
カテドラルの脇の丘に建っているのはハンス・エゲデの像。18世紀にグリーンランドでキリスト教を布教したノルウェー系デンマーク人の宣教師です。言ってみれば、彼の到来がデンマークによるグリーンランドの植民地化の始まりなわけですが、その人物の彫像がこうして残っているのは皮肉なものです。
海沿いを歩いていると、何か不思議なものを見つけました。
人魚姫の像でしょうか。デンマークの首都コペンハーゲンにあるものと比べるとずいぶんワイルドな雰囲気です。後で通りがかりの現地人に聞いてみたところ、先住民が信仰している海の女神とのことでした。
続いてグリーンランドのナショナルミュージアムへ。
案内図を見るとわかる通り、複数の建物が敷地内に点在しています。
イヌイットの伝統的な正装。色使いが鮮やかです。
こちらは普段着。イメージですが、日本の戦時中の服のような?
100年ちょっと前までこうした生活をしていたと思うと、時の流れは早いものです。
グリーンランドでは農耕を発展させるのは難しく、もっぱら狩猟によって生計を立てていた先住民。肉だけでなく、牙や骨も加工して活用していたようです。
もちろん毛皮も。イラストがあるおかげでわかりやすい展示です。
他にもグリーンランドの歴史が先住民時代からデンマーク人到来後まで細かく展示されており、なかなか興味深い博物館でした。展示内容も多く、結局3時間ほど滞在。
博物館を出るともう正午を回っていたので、ランチを済ませたら、天気は回復していませんが路線バスに乗って山の麓へ。ヌークは路線バス網がしっかり整備されており、足のない旅行者にとっては助かります。運賃はどこまで乗っても1回15クローネ。
町の中心部からは1番のバスで15分ほど。
ヌークの地図でいうところの、右下の緑色の部分にやってきました。
この辺りは、ヌークの人口が増えすぎたために新たに開発された新興住宅地という様相。
岩肌にまだ新しそうな住宅が立ち並びます。
学校もおしゃれな建築。
しかし、目指す山はまだ雲の中でした。
残念ですが山頂に登るのは諦め、コース途中にあるというQallussuaqという湖まで歩いてみることにします。ここでもmaps.meが大活躍。
意外と近く、麓の町から15分ほどで到着しました。風もないので音が全くなく、静寂に支配された不思議な空間。
本来登る予定だった山はこっち。
少し青空は見えてきてはいるのですが。。。
雲が不思議な形になりました。どうしても山側からは退いてくれなさそうです。
もはやここまで。下山します。
最後の最後で少し残念でしたが、これでアイスランド・グリーンランド旅行も終わり。明日から2日間・6フライトを乗り継いで東京まで帰国の途につきます。