Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

6日目:ビンテル・カーボベルデ NT804 プライア〜サル島 エコノミー

4日間のサンティアゴ島滞在も終わり、日本へ向けた帰路に着きます。まずは往路と同様にサル島を経由してラスパルマスまで。

プライアの空港でのビンテルのチェックインカウンターは1カ所のみ。小型機しか運航していないのでこれで十分なのでしょう。並んでいるのはやはりスペイン人ばかりで、往路と同じく現地人はほぼ皆無でした。

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チェックインを済ませたらさっさと制限エリアへ。なんと、国内線と国際線で共用です。国内線のボーディングパスを提示すると、出国審査を迂回して出発ゲートまで進めます。

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出発ゲート。ちょうど同じ時間帯でTACVのプロビデンス行きのフライトがあり、大半はそちらの乗客です。

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プロビデンス行きのB757カーボベルデの人口は約50万人ですが、それに加えて海外に移民したカーボベルデ系の人口が約100万人で、そのうち約50万人がアメリカ在住とのこと。アメリカの中でも最大のカーボベルデ系住民の居住地がプロビデンスとのことで、移民と本国とを繋ぐ大切なコネクションになっているようです。

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私が乗るのはこちら。行きと同じくATR72です。

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珍しい赤道ギニアの航空会社Ceibaが駐機していました。カーボベルデには就航していないはずなので、政府要人でも乗せてきたのでしょうか。

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当然のように歩いて搭乗。搭乗率は半分以下といったところ。この機材もスペインから持ってきたようで、安全のしおりもスペイン語と英語です。タイトルのみ日本語もありますが、惜しい!

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時間通り離陸。インフラ事情の悪いアフリカの島国でもしっかり定刻に運航できるのはさすがヨーロッパ系のエアライン。

途中、カーボベルデ諸島の他の島々も見えました。これはボアビスタ島。

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水平飛行は20分ほどですぐに下降を始め、あっという間にサル島上空。ヨーロッパ人に人気の避寒地なだけあり、ビーチ沿いに大きなプールを備えたリゾート施設が散見されます。

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到着。ここで初めてカーボベルデ塗装のビンテル機を発見しました。少しずつ自前の機材も増やしていくのでしょう。

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5日目:セラ・マラゲータトレッキング

もともと長く滞在する予定ではなかったサンティアゴ島。どうしても時間が余ってしまいます。前日の夜に何をすべきかとガイドブックを読んで情報収集していたところ、内陸部にあるセラ・マラゲータ国立公園でハイキングができるとの記述を発見。もともと山歩きは好きなので、これでこの日の予定も決まりました。

朝8時過ぎにホテルを出発し、ミニバンで国立公園入り口まで向かいます。今回のミニバンはすぐ出発はしたものの、プライアのメイン通りを行ったり来たりしながら満員になるまで乗客を探すスタイル。結局プライア市内を出たのは9時頃。途中アッソマーダの町でミニバンを乗り換え、10時半頃に入り口へ着きました。

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入り口から2分ほど車道を下ったところに事務所があり、そこで入場券を購入してパンフレットを受け取ります。入場料はメモをし忘れてしまいましたが、確か500CVE程度だったはず。それほど高くはありませんでした。ここもシダーデ・ヴェーリャと同様、事務所に寄らずにコースに入っても多分バレません。

入り口の地図でコースを確認。紫色→オレンジ色のコースを辿ってHortelãoの町まで下るルートを歩くことにしました。

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それぞれのコースの入り口にはコースの概要を記した標識があり、紫色のルートはEASTERN TRACKという名前で、標高差は100m程度とアップダウンのあまり無い平坦な道のりであることがわかります。

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最初のうちはコースも広め。これなら迷いようがありません。

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基本的には尾根伝いにコースが続いているので景色は最高。ミニバンで登ってきた道が見えます。

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途中、企業が社会貢献活動として植林をしているエリアがありました。カーボベルデで企業がこうしたCSR活動をしているのは驚きであり、社会がそれなりに発展している証拠です。

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しばらく歩くと、遠くにうっすらと雲の上から突き出たフォゴ島の火山が見えました。本当だったらあの頂上に登っていたはずです。

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1時間ほどで今日のコースの最高地点(標高約970m)につきました。なかなかの絶景。奥に見えるのはサンティアゴ島最高峰であるアントニア峰です。

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途中には休憩小屋のようなものも建っており、国立公園ということでそれなりに整備されています。

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ここではキャンプもできるようです。

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1時間半ほど歩いて12時頃、鉄塔に到着。ここで紫色のルートは終わりです。

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鉄塔からは反対側の海岸線が見渡せます。目指すゴールであるオルテランの町は、写真左側に見える、河川敷が少し広くなっている箇所の横にあります。

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鉄塔の横にあるのがオレンジ色コースの入り口。オルテランまで標高差にして700mほど下ります。ここから道が一気に細くなり難易度も上がるので、ここで引き返して紫色コースを戻るのもいいかもしれません。

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このコースの最初の部分は道があまりクリアに示されておらず、分岐がいくつかあって迷いやすいです。鉄塔から見えた地形をしっかりと頭に入れて、別の谷に下りていかないように注意しながら下る必要がありました。ポイントは、あまり巻きすぎずに直降する道を選ぶこと。

ちなみに、コースは藪の中のような場所を進んでいくので、ハーフパンツだと膝下に雑草がかなり当たります。幸いかぶれるようなことはありませんでしたが、気になる人はハーフパンツはやめた方がベターです。

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段々畑が見えてきたら人家に近づいてきた証拠。

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最初の人家を通り抜けると、道筋が見えるようになりました。ここまで来ればもう迷う心配はありません。

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途中で集落をいくつか通り抜けますが、人が誰も住んでいない打ち棄てられた集落もありました。まだ雑草に飲み込まれてはいないので最近放棄されたばかりなのでしょう。こうした集落を通り抜ける時は少し不気味な気分になります。

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人が住んでいる集落でも、たまに外国人観光客に対していい感情を持っていない人もいたりするので、写真は遠目にしか撮れませんでした。ここはもう国立公園外で、自分の私有地を言葉の通じない外国人がノコノコ歩いていたら良い気分はしないというのは理解できます。

ただそうした人でも、Feliz Ano Novo! (Happy New Year!)と言うととりあえずニコッと笑ってFeliz Ano Novoと言い返してくれます。ちょうど新年のタイミングだからこそ出来た小技です。

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下るに連れて道幅が広がっていきます。

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下り始めて1時間半、13時半頃にやっとオルテランの町が見えました。

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13時45分オルテランに到着。3時間ちょっとのトレッキングでした。

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ここで30分ほど待ち、やってきた車で近くの大きな町であるカリェータまで向かいます。こうした幹線を外れたルートはミニバンではなくトラックの荷台に乗るのが主流のようです。

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犬も乗っていました。乗客の飼い犬ではないようですが、誰も気にしていません。

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カリェータまで45分ほど。そこでミニバンに乗り換えて、17時頃にプライアへ帰着しました。

 

 

 

 

 

 

 

4日目:シダーデ・ヴェーリャ観光

元旦の朝、まずはホテルを移動します。

この日まではTACVに用意してもらったホテルに滞在していましたが、フライトに乗らないことを決めた以上、そこに滞在し続けることはできません。幸い、この日以降は当初のスケジュールでもプライアで宿泊することになっていたので、ホテルを事前に予約していました。

予約していたのは、旧市街を挟んで反対側にあるHotel Cesaria。元旦ということで人通りが少なくタクシーに乗るまでに少し時間がかかりましたが、なんとか見つけて10分ほどで到着。いつもと同じくTripadvisorの評判を見てここに決めたのですが、フランス出身の女主人Fatimaが感じの良い人で、わからないことは何でも聞けばすぐ教えてくれ、なかなか居心地のいいホテルです。

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まだ午前中だったせいもあり部屋の準備ができていないとのことだったので、とりあえず荷物だけ置かせてもらいました。Fatimaシダーデ・ヴェーリャへの行き方を教えてもらい、早速出発します。

シダーデ・ヴェーリャ大航海時代ポルトガルからブラジルやインド洋方面へ向かう際の中継地点として栄えた港町で、カーボベルデ唯一の世界遺産に登録されているところです。プライアからは約15km離れており、この国の主要な公共交通手段であるミニバスに乗って向かいました。

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このミニバス、"aluguer"というのが正式名称なのですが、現地人はみんなヤッスィーと呼んでいます。ほとんどのaluguerがトヨタハイエース(Hi-Ace)を使用しており、ポルトガル語ではHを発音しないため、このような呼称になったようです。

特に時刻表はなく、席が埋まったら出発するアフリカではおなじみの方式。元旦なので利用する人が少なく、出発まで少し時間がかかりました。アフリカとはいえ大陸諸国と違い横1列には3人までしか乗せないので快適です。

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アフリカの中ではトップクラスの経済発展度なだけあり、道はずっと舗装されています。

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30分ほどでシダーデ・ヴェーリャに到着。昔は栄えたこの町も今は人口1,000人ほどの小さな田舎町です。広場で降ろしてもらいました。

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丘の上にある要塞が有名とのことなので、歩いて登ってみます。

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メインの通りを外れると完全に裏道の風情。標識が無いので少し心配になり、地元の人に確認しながら上へ。

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町を外れると標識がありました。この方向で問題なかったようです。

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正面入り口到着。チケット売り場はこの裏側の少し下がったわかりづらいところにあります。要塞の入り口には誰もいないので、チケットを買わずに入っても多分バレません。そういう人が多いのか、Please buy your ticketという立て看板も。

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チケット売り場では、この要塞の歴史や修繕の様子を収めた10分程度のビデオが観られます。

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世界遺産登録の証明書?もありました。

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正直にチケットを買って要塞内へ。中はシンプルな造りで大した見所はなく、これで世界遺産かと思ってしまうレベルのものです。要塞そのものよりも、大航海時代の航路の中継地点という歴史的な重要性の大きさで世界遺産に登録されたのでしょう。

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裏には特徴的な谷と台地が広がります。この要塞は、海上からの攻撃ではなく、他の場所に上陸した海賊が陸上から攻撃してくるのを防御するために建てられたそうです。

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反対側はシダーデ・ヴェーリャの町並み。眺望は最高です。

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要塞だけでなく、町中にもいくつか世界遺産になっている建造物があります。これはカテドラルの跡。

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このバナナ通りは、サハラ以南のアフリカで最も古い通り(street)とのこと。今でも沿道の家には地元の方々が住んでいます。

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世界遺産なだけあってカーボベルデ国内では有数の観光地なのですが、もともと歴史的な建築物にそこまで惹かれない私は、何となく消化不良で終わってしまいました。

プライアに戻り旧市街を少しぶらぶらしましたが、前日とは打って変わって町中には誰もいません。いつでも働いているイメージの中国人の商店ですら閉まっています。さながらゴーストタウンのようでした。

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当然スーパーもレストランも閉まっているので、夕食はホテルのレストランで済ませます。今日はキッチンのスタッフも休みだとのことで、Fatimaが自らカーボベルデ国民食であるカシューパを作ってくれました。豆やトウモロコシを煮込んで作った料理だそうで、悪くないのですが少し飽きやすい味です。

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3日目:プライア街歩き・年越しイベント

フォゴ島には行けなくなったものの、気を取り直して今日はプライア市内を散策することにします。

ホテルに戻って再チェックインを済ませるともう13時過ぎだったので、まずはランチ。近くにピザ屋が見えたので、そこに決定。

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ピザ屋から道を挟んだ向かいにあったのは、カーボベルデ証券取引所。やはりこの界隈はオフィス街のようです。

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食後は旧市街に向かいました。旧市街の広場までタクシーに乗って7~8分で200 CVE (約200円)。この国の通貨(CVE:カーボベルデエスクード)は日本円とほぼ等価なので計算が楽で助かります。

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広場の脇では結婚式。ポルトガルの影響で国民の大半がカトリックのため、結婚式も教会で行われるのが普通のようです。

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広場から伸びる一本道は歩行者専用道路。お土産屋はこの道沿いに見つかります。

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旧市街には中国人経営の日用品店も多数あります。こんなにアフリカ感を前面に押し出した店舗でも中国人経営。カメラを向けるとポーズをとってくれました。

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市場の活気はそれなり。午前中に来ていれば更に賑やかだったのかもしれません。

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旧市街の端、最も眺めのいい場所に建っているのはポルトガル植民地時代に旧提督の住居として使われていたPalácio Presidencial。中に入ることはできませんでした。

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すぐ横には、カーボベルデ諸島を"発見"したポルトガルディオゴ・ゴメスの銅像が建っています。町を見下ろす一等地に旧宗主国の人物の像が建っているというのは不思議な感じもしますが、どういう気分なのでしょう。

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ここからは周囲に広がる新市街が見渡せます。手前が国立競技場で、その奥にあるピンク色の建物は政府宮殿。

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海岸沿いにはビーチが広がっており、奥には灯台も見えます。

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せっかくなので、タクシーを拾って灯台まで行ってみることにしました。

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中には灯台守の人が一人で暮らしており、250 CVEを払えば上まで登らせてもらえます。あまりオフィシャルな感じではなかったので、灯台守の小遣い稼ぎのようなものなのでしょう。

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灯台の上から見たプライア市街の遠景。空は幾分クリアになってきた気がします。

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海岸沿いを歩いてホテルの方へ戻ります。ビーチも一応ありますが、そんなに綺麗には見えません。

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どうやら、マラソン大会をやっていたようです。私が会場の前を通った時には既に終わっていましたが、夕方の国営放送のニュースでかなり時間をかけて取り扱われていたので、カーボベルデでは大晦日の一大イベントだったのかもしれません。

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海岸沿いにある、カーボベルデ唯一のショッピングモール。中国資本で建設されたとのことです。

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左の2つの広告は明らかに中国関連。アフリカ地域での中国の勢いを感じます。

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ショッピングモールとはいえ、国際的なブランドは何も入っていません。旅行者にとっては、地下にあるスーパーが食料品の調達に役立つくらいでしょう。

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市街地をぶらぶらしたあとは一度ホテルに戻り、夜10時過ぎ頃になってから、フライト欠航で仲良くなった他の旅行者と連れ立って地元の年越しイベントへ向かいました。

イベント会場へ向かう途中、年越しのミサを行っている教会を見つけたので、後ろからこっそり覗きます。地元住民の信仰心が垣間見えました。

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イベント会場は浜辺。行くのが少し早過ぎたのか、人の集まりはまだこれからといったところ。

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まずはテーブルを確保して、ビール片手にお互いの旅行の話をしつつ年越しイベントを待ちます。彼らはみんな3週間〜1ヶ月程度の休暇を取ってカーボベルデの各島を周っているヨーロッパ人ばかりで、遥か遠くの日本から1週間の予定で来た私とは大違い。残念ながら、労働環境に関しては日本はまだまだ後進国ということでしょう。

11時半を過ぎて、会場も賑やかになってきました。

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そして年越し。カウントダウンは特に無く、日付が変わった瞬間に花火があがりました。

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花火を見届けてからホテルへ戻ります。昼間以上に人通りが多く、この日ばかりは深夜に外を歩いても全く問題ありませんでした。

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3日目:フライト欠航の結末

翌日、欠航仲間たちと8時半にホテルロビーで集合。念のためフロントスタッフにTACVから今日のフライトに関する連絡は来ていないかと確認したのですが、何も無いとのことだったので、全員で連れ立ってプライアの港へ向かいます。

タクシーに乗って10分ほどで港へは着きましたが、路上の即席魚市場等は目につくものの、フェリー乗り場がどこかわかりません。人に聞きながらしばらく奥へ歩いて行くと、"Gare Marítima"と看板が出ている建物が見つかりました。Gareはフランス語圏を旅しているとよく目にする単語ですが、ポルトガル語でも同じなのでしょうか。とにかくフェリー乗り場はここのようです。

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しかし、中に入ろうとすると入り口にいた警備員に止められています。曰く、チケット保持者しか入れないとのこと。事情を話しても、ここにチケット売り場は無いからフェリー会社のスタッフが来るまで待てと言われ、入り口で立ったまま待つことに。

そのまま9時半を過ぎ、乗船も始まってしまいます。フェリーの中にフェリー会社のスタッフがいるのは確実なので、全員で警備員に頼み込んで空席があれば乗せてほしいと伝えに言ってもらったりしましたが、定刻の10時になると、私達の目の前でフェリーは出航してしまいました。結論としては、ここのフェリーは港でのチケット当日販売は行っておらず、市街地にあるフェリー会社オフィスもしくは代理店での事前購入が必須なようです。アフリカらしからぬ、きっちりとした運用です。

ちなみにこの日は大晦日。警備員に話を聞くと、明日は元旦でフェリーも運航無しとのこと。そうなると、あとはもう今日のフライトに賭けるしかありません。今日のフェリーに乗れない時点で諦める人もいましたが、私も含め何人かは空港へ行ってみることに。

空港に着いたのは11時頃。再びTACVのオフィスで話を聞くと、今日の朝便は奇跡的に飛んだものの私達までは席が回らなかったこと、その後視界が悪くなったため午後便は欠航の予定であることを告げられました。正直フライトが飛ぶことはそんなに期待していなかったため、予想通りの結果です。

私もこの時点で残念ながらフォゴ島行きは諦めて、プライアのあるサンティアゴ島のみで過ごすことに決めました。そもそもフォゴ島の火山とその周辺の不思議な風景の写真を見て今回の旅の行き先はカーボベルデに決めただけに残念ですが、そこまでたどり着けないのであればどうしようもありません。

ちなみに、フォゴ島の火山はこんな感じです。(写真2枚はWikiから借用。)

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何回もの噴火を経て、溶岩や火山灰の影響で月面のようになった地形が特徴的です。火山は山頂まで登れるらしいので、登山にもトライする予定でした。

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アフリカはまだまだ未訪問国が多く今後も来ることになるはず。いつか必ず戻ってきたい場所になりました。

 

2日目:フォゴ島行きフライト欠航

プライアに到着後、予定ではその日のうちにTACVカーボベルデ航空に乗り継いで、今回の旅行の主目的地であるフォゴ島に行くはずでした。

しかし、出発ロビーに行って出発フライト一覧をいくら探してもフォゴ島行きの表示がありません。そこで近くにいたスタッフに聞くと、欠航とのこと。チェックインカウンターの裏にあるTACVのオフィスに行くように案内され、行ってみると既に数人が並んでいました。

並んでいる間に他のスタッフから話を聞くと、ここ数日ずっとBruma Seca(日本語に直訳すると「乾いた霧」)という季節風サハラ砂漠から大量の砂を巻き上げながら海を渡って吹き続けており、悪天候でも離着陸が可能なレーダー設備を整えているプライアとサル島以外の空港はクローズ状態とのこと。先ほどのフライトで気になっていた靄はどうやらこの砂のせいだったようです。

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そのまま15分ほど並んで私の番が回って来ました。責任者らしい男性スタッフとの会話でわかったのは以下の通り。

・今日のフォゴ島行きのフライトは欠航が確定済み。

・明日のフライトは天気次第なので現時点では何とも言えない。ただ、数日間ずっとキャンセルが続いておりフライトの再開を待っている乗客も多く、飛んだとしても全員を乗せきれるかは不確実。

・フライトに乗れるまでのホテルはTACVが用意する。

・もし早くフォゴ島に明日行きたいならフェリーも検討してみてはどうか。プライアの港から毎日1便(朝10時発)出ている。フェリーに乗るのであれば、後日連絡してくれればフライト代は全額返金する。

当初の予定では今日中にフォゴ島に着き、翌日はフォゴ島で火山トレッキング、翌々日はフォゴ島内を一日ぶらぶらした後で夕方の便でプライアに戻り、3日後はプライア町歩きと過ごし、4日後の午後便で帰路につくスケジュールでした。4日後のフライトはずらせないので、フォゴ島に行くとすれば明日中には何とか到着したいところ。

空港にはWiFiもなく情報収集のしようもないので、とりあえず今日はTACVの用意するホテルへ向かい、インターネット環境があるところで今後の方策を考えることにしました。

TACVに用意してもらったのはHotel Vista。プライアは中心部の丘になった部分に旧市街があり、その周辺に新市街が広がっているのですが、このホテルが位置するのは新市街。オフィスビルが多くあるエリアでした。(写真は翌朝撮影。)

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最初に通された部屋はベッドルーム+バスルームの普通のシティホテルのような設備でしたが、エアコンが効かずフロントで部屋交換をお願いしたところ、かなり広い部屋にアップグレードされました。広めのリビングルームが付いています。

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キッチンもあります。当然これとは別にベッドルーム、バスルームもあり、代金は航空会社持ちということを考えると十分満足できるレベルです。

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プライアに着陸したのは3時過ぎでしたが、ホテルに着いたのはもう夜7時頃。ホテルのレストランで夕食をとりながら、フォゴ島行きのフライトに乗れず同じホテルに送られた他のヨーロッパ人観光客たちと明日の作戦に付いて話し合います。

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カーボベルデの国産ビールを飲みながら。

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結局、明日もフライトは不確実ですがフェリーは確実に動いているので、とりあえずフェリーを試してみることにしました。ホテルのスタッフに聞いたところ、フェリーは旅行代理店を通してチケットを事前予約するのが普通らしいのですが、この時間は代理店も閉まっています。仕方なく明日朝10時の出発に合わせ、全員でタクシーに分乗して早めに港に行ってみることに決まりました。

 

 

 

 

 

2日目:ビンテル・カーボベルデ NT805 サル島〜プライア エコノミー

到着ロビーから、そのまま空港内を歩いて出発ロビーへ。一応カーボベルデ国内では最大の空港とはいえ小規模な造りで、迷うことはありません。

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チェックインカウンターは国際線も国内線も共用です。ちょうどルクセンブルク行きの便がチェックイン中で、並んでいるのは明らかに休暇帰りと思われる旅行客ばかりでした。ビンテル・カーボベルデのカウンターは左端ですが、私はラスパルマスでボーディングパスは受け取り済みで預け荷物もないので、ここはパス。

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その後、"Saídas/Departures"の表示に進んで保安検査を受けると、出国審査場に出てしまいました。国内線のはずなのになぜ?と思って係員に聞くと、ここは国際線の出発ゲートだとのことで、どうやら私が間違えてしまったよう。そういえばボーディングパスのチェックは一度もありませんでした。なかなか緩い空港です。

国内線の出発ゲートはチェックインカウンターに隣接していたのですが、地味すぎて全く気付きませんでした。そもそも、出発の30分前にならないと入れません。

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時間になり搭乗。今回搭乗したビンテル・カーボベルデは、ラスパルマスから乗ってきたビンテル・カナリアスがカーボベルデの国内線を運航するために11月に設立したばかりの子会社です。機体のペイントを見る限り、機材もとりあえずはビンテル・カナリアスからの借り物を使っているようでした。

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機材はATR72。まだ就航したばかりで現地での知名度は低いのか搭乗率は低めで、乗客もほとんどが私と同じラスパルマスからの乗り継ぎ客でした。

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パイロット2人はどちらもスペイン人、クルーもスペイン人2人+カーボベルデ人1人でした。機材、スタッフ共にまずは本拠地から送り込んで運航を始め、少しずつ土着化していくスタイルなのでしょう。いつまでもスペイン人を派遣していては人件費がかかって仕方がないはずです。

座席の注意書きもスペイン語と英語。

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先ほどチェックインカウンターで見かけた観光客はこれに乗って帰るのでしょう。日本では見かけることのないLuxairです。

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離陸。座席はちょうどプロペラの隣でした。

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少し高度が上がるとかなりの靄。これがプライア到着後の災難の元凶となります。

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フライト時間は45分なので機内サービスは水のみ。それでもヨーロッパ文化圏らしく、炭酸の有無は選べます。

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カーボベルデの首都プライアに到着。なぜか国際線用の到着ゲートからターミナルに入りました。

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