翌朝、目が覚めたらもう国境の村のサンタロサに到着かと思いきや、起こされたのはまだ暗い深夜でした。時計を見るとちょうど日付が変わった辺りです。
周囲がガヤガヤ騒がしいと思っていたら、警察が乗り込んできて一人一人に身分証の提示を求めて身元確認をし始めました。
村の建物を壁をみると、どうやらチンボテという村にいるよう。
周囲の乗客に聞いてみると、この村ではいつも警察による身分証チェックがあるとのこと。地図を見ると、この村の少し先からはアマゾン川の北岸がコロンビア領・南岸がペルー領と川を隔てて2つの国が向かい合う形になります。どうやら国境管理の一環のようです。
チンボテを出航したら再び眠りにつき、次に目が覚めると乗船してから2度目の日の出でした。
6時過ぎにはレティシアの町が目視出来るところまでやって来ました。
そして6時半、レティシアの対岸にあるペルー側の村・サンタロサに到着。イキトスを出航してから35時間の船旅でした。
到着後、まずは出入国管理局に出向いてペルーの出国手続きをしなければなりません。オフィスは川沿いではなく町の中にあるので、モトタクシーで連れて行ってもらいます。
サンタロサの町は対岸のレティシアと比べるとかなり小規模。レティシアの人口40,000人に対し、こちらは2,000人の小さな片田舎の村といった風情です。
モトタクシーは5分ほどの乗車で出入国管理局に到着。代金は5ソル(=約150円)でした。雨季であれば川幅が広がるので、河岸から歩いていける程度の距離になるそうです。
まだ朝7時前ということもあり、オフィスは閉まっていました。
入り口の張り紙を見ると、オープンしているのは8時から18時。周囲に休めるようなレストランやカフェも無いので、入り口前の階段で座って待つしかありません。
オフィスは8時になると無事オープンし、あっという間にスタンプを押してもらうことが出来ました。
その後は再びモトタクシーで河岸に戻ります。河岸からはコロンビア領のレティシアとブラジル領のタバティンガに向けた小型ボートが頻発しており、それぞれ5ソル、5レアル or 5,000ペソ(=どれも約100円)で移動可能。
なぜここからコロンビア、ブラジルのどちらにもアクセスが可能なのかというと、以下の地図の通り、この地点はちょうど3国間の国境線が交差しており、対岸側はサンタロサから見て左右でコロンビアとブラジルに分かれているのでした。
レティシアとタバティンガはそれぞれ空港を持つほどの大都市。ただしタバティンガには見所はほとんど無く、観光客はほとんどレティシアに滞在します。もちろん私もレティシアに向かいました。
レティシア側の船着場からコロンビアのイミグレーションまでは歩いて数分。数年前まではコロンビア側のイミグレーションは空港にしか無く、わざわざ入国スタンプをもらうために空港まで行く必要があったようですが、現在では便利になりました。
そして驚いたことに、この浮水式イミグレーションの建物内にはコロンビアだけでなくペルーのイミグレも間借りしており、実はここ1ヶ所でペルーとコロンビアの出入国手続きを一気に終えられるのでした。
サンタロサのオフィス前で1時間以上オープンを待っていたのが、実は無駄だったということです。それならサンタロサのオフィスの張り紙にそう書いておいて欲しかったところですが、まあ過ぎたことを気にしても仕方ありません。
こちらのイミグレのオープン時間は以下の通り。途中2時間もの昼休みがあり、ペルー側よりも営業時間は短いようです。(ペルーとコロンビアには1時間の時差があり、ペルーの8時はコロンビアの7時です。)
川沿いにはハゲタカのような鳥が集団で陣取っており、少し不気味。近くを通るのは少し不安でしたが、幸い攻撃してくるようなことはありませんでした。
コロンビア側も雨季の増水に備えて、川沿いの建物は全て高床式。
イミグレーションから10分ほど歩いて、ようやくレティシアの町に到着しました。
そのままこの日の宿であるWaira Suitesにチェックイン。まだ朝9時前にも関わらず、急いで部屋の準備をしてくれ15分ほどの待ち時間で部屋に入ることが出来ました。
この日は長い船旅からの体力回復に努め、そのほかは周辺を散歩したり、翌日からの先住民族の村での滞在に備えて必要なものを揃えたりして過ごしました。