Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

3~4日目:イキトス〜レティシア アマゾン川下り(1)

イキトス滞在を終え、スローボートでレティシアへと移動します。前日に移動方法について下調べをした際の話はこちら。

当日は19時半出発ですが、早めに17時前にはランサ港へ到着。いくつもの船が停泊していますが、今回乗る国境のサンタロサ行きは右から2番目の船です。貨物を次々と船に運んでいる最中でした。

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まずは港の商店でハンモックを購入。船上で柱に括り付ける紐と合わせて26ソル(=約800円)でした。また、熱帯地域ですが夜の船上は意外と冷えるとのことなので、毛布も18ソル(=約550円)で購入。

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船の内部は3階建て。一番下が貨物置き場で、その上の2フロアがどちらも乗客用です。ネットの評判では上階の方が風が通るので昼間は涼しいという話だったので、上の方にハンモックを張りました。

17時の時点ではまだ乗客の集まりもこの程度で、場所は選び放題。

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その後も続々と貨物が積み込まれていきます。デッキ部分にはモーターボートや家電など大きな荷物が無秩序に続々と。

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1階部分には食料品が詰め込まれていました。これから立ち寄る川沿いの集落はこの船便が生命線ですから、必要なものは全て揃っています。

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向かいに停泊しているのは観光客向けと思われるクルーズ船。現地人向けのこちらの船との格差に資本主義社会の現実を見せつけられているかのようで、思わずため息が出ます。

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既に真っ暗になった7時半過ぎ、驚いたことにほぼ定刻で出航しました。イキトスの街明かりがあっという間に離れていきます。

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 出航するとすぐにスタッフが周って来て、運賃の回収にやって来ます。観光案内所で聞いた通りの70ソル(=約2,100円)でした。

ちなみに、結局3階部分の乗客はこの程度。もっと混雑を想定していたのですが、思った以上にガラガラです。

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2階部分はそれなりに混んでいました。どうやら、夜の間は3階は寒いので現地人の間では2階の方が人気の様子。彼らの大半は翌朝に到着する村で降りるので、昼間の暑さは気にする必要がないようです。

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2階部分には小さなショップもあります。水やスナックはここで買うことも可能。

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食事付きの便ですが、初日の夕食は無し。そのためサッサと自分のハンモックに戻ります。3階部分も風が通り抜けて少し寒かったですが、やがてスタッフがやって来てカバーを下ろしてくれたので、凍えることなく眠ることが出来ました。

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翌朝、日の出とともに起床。川の上は、アマゾンにいるとは思えないほどの涼しさです。

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屋上部分にある操舵室に上がってみると、想像以上にシンプルな作りでした。大した電子機器は無く、ほとんど船長の勘が頼りのようなものです。

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日の出からすぐ、まだ6時ですが朝食が配られました。ハムサンドイッチとオートミール粥という簡素なもので、少し物足りません。

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食事をしながら外を見ていると、岸沿いに手漕ぎのカヌーで進んでいる現地人を見つけました。村が近いようです。

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予想は当たり、朝6時半にペバスの村に到着しました。

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船着場に着くと、下船する乗客の流れに逆らうように、売り子の女性たちが乗り込んできます。

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売っているのは様々。船の朝食が物足りないことを見越してか、がっつりした魚料理もあります。付け合わせはこの辺りの主食であるキャッサバです。

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これはチュロス。スペインで売られているものと形状は随分違いますが素材は一緒。砂糖もきちんと振りかけてくれます。

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それからエンパナーダ。1個1ソル(=約30円)だったので、2個ほど買って腹の足しにします。

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中身は卵とジャガイモ。程よい塩気でちょうど良い腹の足しになりました。

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その後はひたすら川下り。ハンモックに寝転がりながら、読書をしてゆっくり過ごしました。

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途中、30分から1時間間隔で小さな村々に立ち寄り、荷下ろしと乗客の乗り降りが行われます。

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今は乾季なのでアマゾン川の水位もかなり下がっており、集落との間が大きな平地で隔てられているところも。雨季には川幅が広がり景色は全く変わってしまうのでしょう。

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荷物を下ろす必要が無い村から乗船する乗客は、小型ボートで船に横付けし直接水上で乗船する方式。船の運転手がまだ小学生と思しき子供だったのには驚きました。こうした村では船の運転は子供でも必須スキルです。

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昼前、快速で飛ばすスピードボートにあっさりと追い抜かれました。快適かつ短時間で移動したいなら、あちら一択でしょう。

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各村で荷下ろしが行われるにも関わらず、ゴミ回収は全くありません。アルミ缶やプラスチックが自然に還るはずもなく、どうしているのか冷静に考えると恐ろしくなります。

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正午が近づき昼飯時が近くなったので、1階にあるキッチンを偵察。2人のスタッフが調理に勤しんでいました。残念ながら衛生概念は皆無なようです。

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キッチンの横にはランチ用の鶏肉と、多分ディナー用であろう鶏。シュールな絵ですが、新鮮な鶏肉が提供されていることは確認出来ました。

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程なくしてランチが配られます。白米と鶏肉にポテト、マメ、プランテーン。典型的な南米の食事内容でした。

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午後も引き続き各村に停泊。

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どこの村でも目につくのは子供の多さ。出生率の高さに加え、大人がイキトスやリマなどの大都市に出稼ぎに出かけているという経済的な理由もあると推測します。

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反対方向のイキトスへと向かうフェリーともすれ違いました。2017年導入の新型船だけあって、こちらとは比べ物になりません。

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屋上の鉄板は日光に照らされたかなりの熱さ。目玉焼きが焼けそうです。

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13時半ごろに停泊した村では、何やらお祭りのようなイベントが行われている真っ最中でした。まさに村人総出です。

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これを見るとどうやらクジが行われている模様。ただし商品はずいぶん個性的で、1等がモトタクシー、2等が馬(チョコレート色)、3等が液晶テレビでした。何がこの村で重宝されるのかわかります。

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この村では、レティシアで売りに出されるのであろうブタも乗り込んできました。

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ブタも自らの行き先をわかっているのか、大きな鳴き声をあげて必死に抵抗しています。

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最終的には腹ばいになったまま引っ張られて船内へと運ばれていきました。

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次の村では牛も乗り込んできます。イキトスで積んだ荷物の大半を下ろし終えて軽くなった船ですが、再びレティシアに向けて積荷で賑わってきました。

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 夕食は意外と早く、17時半頃。内容は昼とほとんど同じです。午前中は生きていたあの鶏も美味しく調理されてしまいました。

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18時前に日の入り。

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18時半頃、サンパブロに到着。チェゲバラが南米旅行中に滞在したハンセン病療養所があった村として有名なところです。映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」にも登場するので、覚えている方も多いことと思います。出来れば数泊滞在したかったのですが、時間的制約から断念。

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この村はイキトス〜レティシア間では朝に停泊したペバスと並んで大きな村。ここでも女性たちが乗り込んできて焼き魚やエンパナーダを買うことが出来ました。

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サンパブロ出航後は就寝。明日朝目が覚めればもうレティシアはすぐ近くのはずです。