郷土博物館を後にしてやって来たのは、ガガーリン公園。ユジノサハリンスク最大の公園で、この日は週末だったこともあり、地元住民で大賑わいでした。入り口で出迎えてくれるのは、公園の名の由来であるソ連の宇宙飛行士ガガーリンの像です。
入り口近くには一部日本語の看板もありましたが、詳細は不明。
園内を進んで行くとイベント会場が。
世界中で大人気のミニオンはサハリンにも到達済み。
どうやら、子供達の武道の披露会のようでした。空手と似ている気もしますが、ロシアの武道でしょうか。
最後にこうやってロシア国旗を高々と掲げるあたりには日本人との感覚の違いを感じます。日本ではまずありえない光景でしょう。
公園内には怪しい自動販売機を発見。機材自体は日本の中古品なのでしょうが、商品のラインナップまで日本語で書かれたものばかりなのはどういうことなのでしょう。
そして、ガガーリン公園の目玉といえばこの子供鉄道。ロシア国鉄の完全バックアップのもと、池の周りを一周する線路を子供達が列車で運転できるというアトラクションです。子供騙しではなく本格的な車体で、かなり力が入っています。
遊園地コーナーもあります。かなり年季の入った遊具ばかりですが、ユジノサハリンスク唯一の遊園地ということでここも賑わっていました。
ちょっと怖い気もしますが、地元の若者は気にせず大はしゃぎ。
ガガーリン公園を南側のゲートから後にすると、北海道センターなる建物がありました。
入居テナントをみると、日本領事館、三井物産、北海道庁事務所等が入っており、日本村を形成しているかのよう。地理的・歴史的な背景から、サハリンは今までに訪れたロシアの他地域に比べて日本の存在感が格段に大きい土地です。
北海道センターの向かいにあったレストランで昼食。立地的に外国人客もよく来るのか、若いスタッフが英語が話せたので注文も簡単で助かりました。
続いて立ち寄ったのは栄光広場。
ロシアの地方都市なら必ず1つある、第二次世界大戦の戦没者慰霊碑です。デザインも他都市とほとんど同じ。
ただし、建てられた銅像は独特。突撃する兵士と撃たれている兵士は、戦闘の激しさを表現したかったのでしょうか。
栄光広場から更に南へ10分ほど歩くと、ロープウェイ乗り場に到着。このロープウェイに乗ると、市街地東側の丘の上に位置する、その名も「山の空気」展望台に向かうことができます。
まずはチケット売り場で乗車券を購入。途中に乗り継ぎ箇所があり2区間に分かれているので、頂上まで行きたい場合はそのように伝える必要があります。
冬はスキー場になるようです。というよりも、展望台よりもスキー場の方が本業なのでしょう。
8人乗りのゴンドラ。週末だったにも関わらずガラガラですぐに乗車できました。
そこまで傾斜はきつくなく、緩やかに斜面に沿って上昇。
5分ちょっとの乗車時間で乗り継ぎ時点に到着。
2区間目は少し傾斜も上がります。
更に5分ほどの乗車で頂上に到着。頂上にはカフェテリアや子供向けの遊具設備などがあり、ちょっとした公園のようになっています。
各地までの方角と距離を表した標識があったのですが、日本で唯一表示されていたのは北海道のルスツリゾートでした。スキー場繋がりでしょうか。
展望台という名に相応しく、ユジノサハリンスクの街が一望できます。分厚い雲に覆われて青空が見えないことだけが残念。
市街地の建物でも特に目立つのは、サッカースタジアムと大聖堂。どちらもロープウェイ乗り場から近そうなので、降りたら立ち寄ってみることにします。
街の端には空港と滑走路も確認できました。
頂上はそこまで広いわけでもなく、特段散策が出来そうなコースも無かったので、20分ほどの滞在で早々に下山。早速頂上から見えたスタジアムへ行ってみました。
残念ながら敷地内へは入れませんでしたが、外からでも中の様子は丸見え。現在オフシーズンなのか、芝生の張り替え中のようでした。
そして大聖堂。まだ建設されてそこまで年月も経っていないような、新しそうな建物です。
正面に描かれるのは特大サイズのキリスト像。内部は写真撮影禁止だったのですが、お祈りをしている現地住民の方も多く、荘厳な雰囲気で思わず背筋がピンと伸びるような場所でした。内装も煌びやかで一見の価値ありです。
最後は大聖堂の隣りの勝利広場。ここでも戦車が中央に鎮座しているなど、日本の街並みに比べて"戦争"を意識させるモニュメントの数が格段に多いのはロシアの街の特徴でしょう。
これでこの日の散策は終了。ここまで歩いて来ると市内中心部まで少し遠いので、帰りはバスで帰ります。バス停には、ここに停車する路線番号と各路線の時間帯別の運行間隔が記載されているので参考になりました。
それに加えて、スマートフォンがあれば市バスのウェブサイトから、各路線で今バスの車両がどの辺りを走行しているのかリアルタイムで確認することも出来、非常に便利。こんなロシアの片田舎の街で先進国顔負けのサービスが提供されていることには驚きです。
この日の夕食は、極東とはいえせっかくロシアまで来たので、ロシア料理店に行ってみました。まずはボルシチ。サワークリームも欠かせません。
そしてペリメニ。ロシア風水餃子のようなものです。
翌日は郊外の街へ足を伸ばします。