ガンビアからセネガルの首都ダカールまでは約300km。まずはガンビアの国土を横断して流れるガンビア川を船で渡り、その後は陸路でダカールまで向かうルートです。
アフリカでの移動をスムーズに済ませるには何よりもまず早朝の出発が肝心。まだ夜明け前の朝6時には宿を後にしました。
まずは乗り合いタクシーでバンジュルへ。50ダラシでフェリーターミナルまで連れて行ってくれると運転手が言うのでお願いしましたが、到着して50ダラシを渡すと、150ダラシ払えと言ってきます。またこれかと思いつつ、もちろん運転手の要求は無視して50ダラシだけ押し付けて車を降りました。いちいち相手にしていたらキリがありません。
ターミナルではチケットを購入したら、フェリーが到着するまで待合室で待機。
当然フェリーに時刻表などありません。運が悪いと2時間以上待たされることもあるようですが、この日は30分ほどで乗船できました。
甲板の大部分は自動車が占め、乗客はその隙間のどこかにスペースを探す必要があります。幸い、私は2階部分のベンチを確保。
朝7時頃、出港。
川のちょうど真ん中あたりで、反対方向にバンジュルへ向かうフェリーとすれ違いましたが、あちらの甲板には溢れんばかりの人。首都へ通勤する人々でしょうか。思わず、地中海を渡ってヨーロッパへ向かう難民船がフラッシュバックするような光景です。
乗船時間1時間で、対岸の町バッラに到着。
船を降りたら人混みについて進んでいけば、そのままガンビア川北岸の各地へ行く乗り合いバスの発着場に出ます。国境行きの車もフェリーから降りた乗客ですぐ満席になり、待ち時間ゼロで出発。
30分ほどでセネガルとの国境に到着しました。ここの国境はガンビア側とセネガル側の出入国管理が隣同士の建物で行われているため手続きは楽。ただ写真撮影には厳しく国旗を写す程度で限界です。
ここの国境では面白いものを見ました。一見普通の両替商なのですが、プロの手品師並みのテクニックでお札の数を抜いてきます。まず、こちらがダラシからCFAフランに両替したいと言って、持っているダラシの金額を伝えると、電卓で換算率を掛けてCFAフランでの金額を示してくれます。換算率自体はごく普通で、電卓にも特に仕掛けはありません。そして私の目の前で、CFAフランのお札を電卓で出した数字通りに数えた上で渡してくれるのですが、私の手元でもう一度数えるとお札が数枚少なくなっているのです。
目の前で数えたものをそのまま渡してくれている(ように見える)ので、それを信用してそのまま受け取ってしまうとまんまと騙されてしまうわけですが、何度見てもどのタイミングでお札を抜いているのかよくわかりませんでした。こんなくだらない詐欺をするよりも、よっぽどプロの手品師になった方がいいと思わせるほどの腕前で、逆に感心してしまいました。
感心はするものの、当然こんな詐欺師相手に両替をする気はありません。こういった場合、先にダラシを渡してしまっていると後から返してもらえない(もしくは少し札を抜いて返される)可能性があるので、アフリカでは両替後のお金を受け取るまでこちらのお金は渡さないのが鉄則です。
無事まともな両替商を見つけて両替を済ませ、セットプラスの発着場へ。国境からは約1.5kmあり、私はバイタクに乗りましたが、歩いても十分行ける距離です。
ここの発着場でも30分ほどの待ち時間で、9:30にはダカールに向けて出発。今回のアフリカ移動では長時間待つようなことは全くなく、運に恵まれていました。セットプラスの運賃は7,500フラン。
国境からダカールまで行くには、中部の主要都市カオラックを経由して行くルートと、より距離は短いですが橋の架かっていない川を渡っていくルートの2パターンがあります。どちらでも時間はほぼ変わらないらしいのですが、今回は後者でした。2時間ほど走って川岸に到着し、車ごと船に乗ります。
対岸は見えており、そんなに幅の広い川ではありません。
川を渡った先で小休憩が入りました。今回乗った車はこちら。2列目の座席を確保できましたが、3列目だと狭そうです。
道の反対側には、見かけは立派ですが全く使われている様子の無い港湾設備。現地住民はこれを見て何を思うのでしょうか。
国境から5時間半で、ダカールのターミナルに到着しました。その規模と近代的な作りは、さすが西アフリカ屈指の大都市というところで、ガンビアやギニアビサウのそれとは比較になりません。
ダカールで2泊したのは、アミティ地区にあるCasa Maraというゲストハウス。他の宿泊者と交流できる中庭があり、過ごしやすい宿です。
部屋も広さ十分。
西アフリカでは必需品の蚊帳もしっかり用意されており安心です。
朝6時にガンビアの宿を出発して、到着したのは午後4時。トータルで10時間の移動になりました。到着後は中庭でビールを飲みながらスタッフや他の宿泊者と話しつつ、ダカール滞在中の予定をプランニングして明日以降に備えます。