Out of Office 旅に出よう

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記

3日目:ダフラ〜ヌアディブ 陸路国境越え

翌朝、7時にドライバーがピックアップに来るとのことだったので律儀に5分前から宿の前で待っていたのですが、結局8時を過ぎても来ず。心配してくれた宿のスタッフが昨日ドライバーと話をした場所まで車で送ってくれると、そこで未だに他の乗客の荷造りをしていました。このルーズな感じで、早速アフリカの洗礼です。

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車はモーリタニアナンバー。ドライバーのモーリタニア人で、乗客は私に加えてモロッコ人が1人、モーリタニア人が3人の計5人。助手席に女性客が座り、2列目に私を含めて3人、残りの1人は3列目に荷物と一緒に座りました。

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ドライバーと合流後もなかなか準備が整わず、結局出発したのは8時半。まあ、予定時刻から1時間半の遅れであれば、アフリカ的には優秀な方かもしれません。

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当地の情勢を反映してか、道中は30分に1度程度の頻度で警察の検問があります。外国人だとパスポート提示を求められることも多いようなのですが、私以外が全員現地人のため警察もあまり気づかないのか、そのままスルー出来るケースがほとんどでした。

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ダフラの町から国境までは400km弱ありますが、検問がある以外は変わり映えしない景色が続きます。しっかり舗装されているので揺れも少ないのが救いです。

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11:30、出発から3時間ほど経ったところで、国境の80kmほど手前にあるBir Gandouzという町に到着。

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ここにあるホテルの前で1時間ほど休憩を挟みました。このホテル、驚いたことにFree Wi-Fiが設置されており誰でも自由に使えます。

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13:30、モロッコ側の国境着。乗客を下ろすとドライバーは車の出国手続きのためにどこかへ行ってしまいました。荷物と離れ離れで少し不安になりますが、とりあえず他の乗客にくっついて出国審査を済ませます。

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出国審査自体はすぐに終わりパスポートにスタンプも押してもらえたのですが、いつまで経っても車が戻ってきません。モロッコ人乗客に様子を見に行ってもらうと、どうやらランダムに選ばれる検査に当たってしまったよう。こうなるととにかく出口で待つしかありません。

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ここを通るどの乗用車も、そこまで積むかとこちらが驚くほどの荷物を積んでいます。これはランダム検査が必要なのも納得せざるをえません。

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結局1時間以上待ち、15:00過ぎに車は戻ってきました。荷物は特段荒らされていないようで一安心。

ここから先、モロッコ実効支配地域とモーリタニア領の間には5kmほどの距離があり、この区間は停戦合意の結果モロッコの主権が及ばない地域となっています。つまり、実質的な無政府状態。この区間で何か起こっても、どこの国の法律も適用されないというよく考えると不安なことこの上無いエリアですが、モーリタニアへ陸路で行くにはここを通り抜けるしかありません。

車に再乗車し、無政府エリアへと足を踏み入れます。地面にはゴミが散らかり、一気に無秩序感が増してアフリカっぽくなりました。

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ちなみに、反対側の車線にはモロッコへの入国を待つトラックの長蛇の列。さすが、サブサハラと欧州を繋ぐ大動脈なだけあります。これだけのトラックが止まっていても襲われたりすることも無いので、治安はとりあえず問題なさそうです。

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先へ進むと、半分ほど来たところで舗装道路は終わり、車は完全なダートロードへと入って行きました。

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地面に描かれているのはポリサリオ戦線の旗。この地域は一応形式上はポリサリオ戦線の領土となっていますが、彼らとしては西サハラ全土の領有を主張しているため、指導部としてもこの地域のみを積極的に管理していこうというインセンティブは持っていないようです。

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おかげで、道もろくに整備されずに道路脇には廃車・廃タイヤがいくつも転がるという不思議な風景が広がっていました。

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奥の方に止まっているまだ新しそうに見える車は、ドライバー曰くヨーロッパからの中古車だとのこと。どの国にも属していないこの地域で売買した方が税金もかからずに良い商売が出来るようです。なんとも不思議な光景。

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15分ほどで無政府地域を抜け、15:30にモーリタニア国境へ到着。モーリタニアとモロッコの間には1時間の時差があるので、モーリタニア時間では14:30ということになります。

私はここでアライバルビザを申請する必要があるのですが、実はビザオフィスには昼休みが設けられており、15時までは休憩タイム。先を急ぎたいドライバーからは、10ユーロ払えば休憩中でも手続きしてもらえるんだぞ、と賄賂を推奨するような発言も飛び出しましたが、軽くいなしてしっかり待ちました。

休憩タイムは15時過ぎにきちんと終わり、ビザ手続き開始。ありがたいことに、モロッコ人の先客が7~8名いたにも関わらず、なぜかビザスタッフは外国人の私を一番に手続きしてくれました。これは賄賂を要求されるケースかなとも思ったのですが、それも全く無く、規定通りの55ユーロを払って15分ほどで発給。なぜ順番抜かしができたのかはわかりませんが、結果オーライです。

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ビザ発給後は、再び別の小屋でパスポートチェック。モーリタニアでの出国までの旅程を細かく聞かれましたが、ここでも特に賄賂要求等は無く通過。そして、16時頃にやっと国境を後にすることが出来ました。

国境からヌアディブまでは30分ほど。途中、内陸部にある鉱山から海岸の港まで鉄鉱石を運搬する列車と並走しました。明日は中身が空っぽになて引き返すこの貨車に乗車して、内陸を目指すことになります。

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16:30、目的地であるモーリタニア第2の都市ヌアディブに到着。本当はうまくいけば14時頃には着くはずでしたが、出発の遅れ、国境での車検査の遅れなどでこの時間になってしまいました。

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乗客を順番に下ろしていき、最後に残ったのが私。ドライバーとは事前に指定のホテルまで連れて行くことを約束していたのですが、この期に及んでホテルまで連れて行ってほしければ追加で10ユーロ払えと言ってきました。地元客に怪しまれないようにするために私を最後まで残したのでしょう。

またこのパターンかと思いながら、払うとは決して言わずに適当にいなして、とりあえずホテルまでは連れて行かせ、着いたら追加は払わずにそのままお別れです。ギャアギャア喚いていましたが、払う義理は無いと大声で一喝したら、ブツブツ言いながらも引き下がりました。

最初の遅刻といい、国境での賄賂推奨といい、残念ながらはずれドライバーだったようです。もはや名前も覚えていませんが、この顔には要注意。

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