今回の宿泊先はマンハッタンにあるインターコンチネンタル・バークレー。正午頃に到着するとまだ部屋の準備が出来ていないとのことだったので、荷物だけ預けて早速散策へ。
この日はまずアストリアにやって来ました。クイーンズの中で最もマンハッタン寄りのエリアです。このメトロの高架線がいかにもニューヨークという風景。
まずは、ボスニア・ヘルツェゴビナの郷土料理を出す食堂のCevabdzinica Sarajevoにてランチ。事前にYelpで目星をつけていました。
ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れたのは既に10年前なのであまり食事の記憶がありませんが、ラインナップを見てみると昨年訪れた隣国セルビアの料理に似ています。
2品注文しました。まずはバルカン風ミートパイのブレク(Burek)、6ドル。少し脂っこかったですが、空腹だったのであっという間に平らげます。
続いてチェバピ(Cevapi)。これはセルビアの空港ラウンジにもあった、あの地域の定番料理です。肉にしっかり味が付いており、パプリカのソースと刻んだ玉ねぎと一緒にピタパンに挟んで食べる方式。これも6ドル。
店内には日本語の紹介記事も貼ってありました。そこそこ有名なようです。
腹を満たしたらアストリアの散策を開始。南部は様々な民族が入り乱れて暮らしているようで、ニューヨークならではの風景が広がっていました。ここでは中華系・南アジア系・コロンビア系の店が3件並んでいます。
メトロ沿いに北上。ブロードウェイ駅のさらに先、31st Ave.あたりからギリシャ系のプレゼンスが高くなってきます。ギリシャ料理のキッチンカーは人気なようで列が出来ていました。
売っているのはスブラキというギリシャの定番ファストフード。ここも試してみたかったところですが、まだ満腹なので残念ながらパス。
ギリシャ正教会もあります。アストリアのギリシャ人コミュニティは縮小傾向だと聞きますが、まだまだ存在感は十分。
扉が開いていたので中に入ってみました。誰もおらずひっそりとした空間ですが、イコンが並ぶ様はまさにギリシャ正教。
窓には綺麗なステンドグラス。旅先でもそこまで教会に拘りがあるわけでrはないのですが、ステンドグラスはどこも立派なものが多く目を奪われます。
EUROMARKETなるスーパーが雰囲気満点だったので中へ。
店内は期待を裏切らず、バルカン諸国系の品揃えが豊富。先ほどランチに食べたチェバピが冷凍食品で置いてあります。ボスニア系はムスリムなのでハラールマークもあり。
チェバピに添えられていたパプリカソースだけでもこれだけの種類。瓶によってブルガリア産、マケドニア産、クロアチア産などバルカン各地のものが勢ぞろいです。
ブルガリアヨーグルトならぬ、ブルガリアチーズ。この辺りはあまり詳しくないので、見た目はほとんどギリシャのフェタチーズと一緒に見えますが、きっと現地人の間では違いがあるのでしょう。
バクラヴァはトルコからバルカン半島にかけての地域でメジャーなお菓子。中東の文化的な影響を感じさせる、激甘スイーツです。
レジの前には国旗の取り扱いもありました。ギリシャ、クロアチア、モンテネグロ、セルビアなどバルカン諸国が勢揃い。
続いて現れたのは、その名もアテネ広場。
ギリシャ神話の女神アテナのほか、アリストテレスなどギリシャの偉人の銅像が並びます。像の寄贈年は2008年とのことで、まだそんなに期間が経っていません。今でもギリシャ系コミュニティの活動がアクティブなことが想像されます。
30th Ave.との交差点あたりでは局地的にバングラ系のコミュニティが現れます。これはMasjidと書いてあるのでモスクでしょう。(Masjidはアラビア語でモスクを意味します。)
モスク内ではコーランを学ぶための教室も開かれているようです。やはり移住しても宗教は切り離せません。
近くにある旅行会社の主な取り扱いエアラインはエミレーツ、クウェート、カタール、サウディア、ターキッシュとあからさま。バングラデシュへの帰省用か、はたまたメッカ巡礼用か。
この辺りのスーパーの求人広告。"Must speak English"と書いてあるあたり、バングラ系移民は英語が流暢でない人が多いのかもしれません。それは即ち現在でも新規移民の流入が続いているということでしょう。既に成熟しているギリシャ系コミュニティとは対照的。
北上を続けると再びギリシャ系のプレゼンスが高まり、Titanというスーパーを見つけました。名前からしていかにもギリシャ系スーパーです。
先ほどのEUROMARKETはバルカン諸国全般でしたが、こちらは完全にギリシャのみ。こんなワッペン、ギリシャ系住民がわざわざ買うでしょうか。
オリーブは種類がたくさん。さすが地中海国家です。
オリーブオイルもこれだけの種類があります。多分全てギリシャ製。
イコンの販売も。ここまで完璧にギリシャ風の品揃えですが、品出しやレジ担当の店員が話しているのは全員スペイン語。移民同士でもやはり賃金水準等による棲みわけがしっかり出来ているようでした。ギリシャ系は既にアメリカで地盤を築いている人が多いため、移民流入初期のような単純労働をするフェーズは過ぎたということでしょう。
Ditmars Blvd駅まで歩いてアストリア散策は終了。ここからメトロに乗り、次はジャクソンハイツへ向かいます。