2日目は1日かけて韓国最高峰である漢拏山登山へ。
漢拏山は標高が1,950mあるのですが、残念ながら安全上の理由で山頂付近は立ち入り禁止。1,920m地点の東稜頂上までしか行けません。さらにややこしいのが、登山ルートは5つあるのですが、そのうち東稜頂上までたどり着けるのは城板岳ルート（下図で青色）と観音寺ルート（下図で赤色）の2つのみで、残りの山頂近くを通らない3ルートとはお互いに接続していないのです。
今回は、登山客が比較的少ないという観音寺ルートから登り、人気のある城板岳ルートから下山することにしました。
朝7時前にホテルを出発。登山口まではバスに乗って向かいます。韓国ではGoogle Mapは精度がイマイチですが、韓国独自のNAVER mapというアプリ（英語・日本語有り）がGoogle Mapとほぼ同等の機能を持っており、これで調べればバスの時間もしっかりわかるので便利です。
城板岳ルートの登山口へはバスが頻発している一方、観音寺ルートの方は1時間に1本しか運行していないので、事前のスケジュールチェックが肝心。
途中1度バスの乗り換えを挟み、7:30過ぎに到着。本来ならここから漢拏山が正面に見えてもおかしくないのですが、6月は日本と同じく梅雨のため、残念ながら曇天です。
ちなみに、同じバスからこの登山口で降りたのは、私以外には欧米人の登山客1組のみ。週末だったにも関わらず静かな環境で登れそうなのはラッキー。
バス停を降りると登山口とは道を挟んで反対側にあるドライブインで、頂上で食べるランチ用のキンパ（韓国風海苔巻き）を購入。水やスナック菓子等もここで調達可能です。
登山口の看板によると、観音寺ルートは頂上まで8.9km。所要時間は往復で8~9時間なので、登りのみだと5時間くらいでしょうか。
7:50、トイレを済ませて登山開始。
漢拏山一帯は夜間滞在は許可されておらず、日帰り登山のみ可能。そのため、登山口とルート途中の小屋にそれぞれカットオフタイムが設定されており、この時刻を過ぎるとそれ以上先に進めなくなります。観音寺ルートの場合は、三角峰避難所を13:00までに通過しないといけません。
ルートのところどころにこのような標識があるので、どれくらい進んだか把握しやすいのは便利。区間ごとにの難易度によって色分けされており、緑→黄→赤の順に難度が上がります。最初の2.3kmは緑色なので簡単。
こんな感じの緩い勾配の登りが続きます。
この辺りは一般の観光客も気軽に散策することを想定しており、付近の植生を説明する看板もたくさんありました。日本語表記もあるので立ち読みしながらゆっくり進みます。
最初の2.3kmは1時間弱で通過。赤色で示された区間に入ると、途端に急登が始まります。
8:50〜9:00、タンナ渓谷避難所に着いたところで10分ほど休憩。ここまではちょうどコースタイム通りの1時間でたどり着きました。この小屋は閉まっており、中に入ることは出来ません。
赤色区間も最初の階段は急登でしたが、それ以外はずっと登りが続くというわけでも無く、緩やかな傾斜の区間も多くあります。
9:23、1982年に発生した飛行機墜落事故の現場に到着。登山ルートから150mほど逸れたところに犠牲者の慰霊碑が置いてあるとのことなので、立ち寄ることにしました。
登山ルートからは数分で到着しました。墜落したのは当時の全斗煥大統領が済州島を訪問した際に同行した大統領警護隊を乗せた輸送機で、53名が全員死亡したとのこと。慰霊碑は花も手向けられた綺麗な状態で、定期的に整備している人がいるようです。
10:15〜10:35、三角峰避難小屋に到着し、20分の休憩。タンナ渓谷避難小屋からここまではコースタイム2時間40分のところ、実際にかかったのは慰霊碑への立ち寄りを含めても1時間15分でした。赤色区間ということでコースタイムはかなり多めに設定されていたようですが、そこまでキツい登りでは無かったという印象です。
名前の通り、真後ろに聳えるのは三角峰。天気は相変わらずパッとせず、到着時はくっきり見えていた三角峰も、10分ほどであっという間に雲に覆われていってしまいました。
ここの小屋は扉が開いており、中で休憩することも可能。ただし常駐しているスタッフはおらず、売店等もありません。あるのはトイレのみ。
ここより先へ進む場合のカットオフタイムが13:00。朝早く出た甲斐あり、余裕でクリアでした。
三角峰避難小屋から先はしばらく平坦。崖沿いを進みますが、きっちりとルートは整備されており楽々歩けます。
10:45、このルート唯一の水場。反対側の城板岳ルートには水場が無かったので、持参した水量に余裕が無い場合はここで汲んでおいた方がベター。
水場のすぐ先には吊り橋。
下の川はほとんど涸れていました。ここも晴れていれば景色が奥まで広がっていそうなのに、天気が残念です。
橋を渡った先に唐突に現れる壺を背負った女性の石像。この像、済州島の至る所で見かけたので、何か特別な意味があるのかもしれません。ここまで持ってくるのはさぞ重かったことでしょう。
橋を渡って10分ほど登った先にある踊り場。ここにはかつて小屋があったそうなのですが、2007年の台風で跡形も無く破壊されてしまったとのこと。
写真を見る限りはかなり堅固そうな小屋です。これが崩壊してしまう程の嵐とは、山の天候の厳しさを端的に表していると言えます。
ここから先も再び赤色区間。距離は短いですが、こちらの方が最初の赤色区間よりも急登が多かったです。
山頂が近づくと森林限界を超えた様子で周りの植生がガラッと変わります。ここも本当は景色が良いはずなのですが・・・
11:40、雲に囲まれた東稜頂上着。コースタイムよりは幾分早く、4時間弱で登頂しました。
続きは次の投稿へ。
