アルマトイ滞在2日目にして最終日の今日は、市内を離れて郊外にあるチャリンキャニオン国立公園というところへ向かいます。
公共交通機関はあまり便利なものが無いので、Outfitter KZという現地旅行会社を通じて専用車をチャーター。プライベートツアーで190ドルと良いお値段です。
朝7時ホテル前でドライバー兼ガイドのと合流し、すぐに出発。
出発して2時間ほどで、チャリンキャニオンの手前にあるバイセイト(Байсеит)という町に到着。ここでランチを調達します。
メイン通りの左右に並ぶ商店から適当に調達。果物類は種類が豊富で困りません。
パン屋もあるので、ここで鶏肉やツナが詰まったサモサをいくつか購入。他にもハムやチーズ、トマトなどを買ってサンドイッチを作るのもありかもしれません。
バイセイトまでは中国国境へと繋がる幹線道路だったのですが、ここから先は脇道へ。何も無い平原地帯にひたすら真っ直ぐ伸びる道路で、運転好きな人には楽しいルートかもしれません。
バイセイトから1時間でチャリンキャニオンに到着。
駐車場に車を停めて外に出ると、広がるのはこの絶景でした。
チャリンキャニオンは名前の通り渓谷が連なるエリアで、カザフスタンのグランドキャニオンと呼ばれることもあるそう。本家に比べると落差は小さいですが、それでも圧巻の風景です。
ここからはトレッキングルートに沿って渓谷の下へ。下りる道は意外と急で転んでいる人も何人か見かけました。
ここは午前中に来るのが正解。もう10月ですが直射日光を遮るものが無く、10時頃でもすでに汗ばむほどでした。
アルマトイを朝早くに出発したせいかまだ観光客も少なく、とても静かな環境です。風の音しか聞こえない静寂に包まれながら歩くのは清々しい気分。
2.5kmほど歩くと、エコパークなるキャンプ施設に到着。ここでは自前のテントを張ることもできますし、遊牧民の使う移動式テントであるユルトに泊まることも可能なようです。
エコパークの脇には川も流れ、釣りをしている家族連れも。
ふとこの川はどこに流れ着くのか気になって調べてみると、なんとアルマトイ北部にあるバルハシ湖までしか行かず、その先はどこの海にも繋がっていないのでした。日本人の感覚的には川は下流に辿れば必ず海に出るものですが、海が遥か遠くのカザフスタンではそんな常識も通じません。
ユルトの中を見学。観光客用らしくきちんとデコレーションされており快適そうです。
エコパークから駐車場まで同じ道を引き返す途中、こんな車にすれ違いました。歩くのが面倒な人は送迎もしてもらえるようです。
駐車場に戻ってくる頃には、アルマトイから来たと思われる大型バスが何台も。早朝に出発して正解でした。
通常のアルマトイ発のグループツアーだとここまでですが、今回はプライベートツアーなのでまだまだ奥の方も車で周ってもらいます。続いてやって来たのが、"月の谷"と呼ばれるエリア。
月の谷というとチリ、ボリビア、ヨルダンなど世界各地に同じ名前の景勝地はありますが、ここもそれらと同じく、緑の無い荒涼とした風景が月を思い起こさせるという理由で名付けられています。ここは下まで降りるとかなり深いため、上から眺めるだけで終了。
この辺りまで来ると完全にオフロード。ドライバー兼ガイドのグリゴリーは元ソ連の軍人のため、運転スキルは折紙付です。
ちなみに、グリゴリーはウクライナ生まれなのですが、ソ連軍兵士としてアルマトイ駐留時にソ連崩壊を迎えたため、そのままカザフスタンに残ったという激動の人生を歩んだそう。こういう話を聞くと、平和な日本に暮らせることに感謝。
遠くに走っているのは馬の群れ。まさに遊牧民の世界です。
丘の上に馬のシルエットが見えます。馬に高い所に登る習性などあったのでしょうか。
3ヶ所目にやって来たのは石の棚(stone shelf)と呼ばれる場所。切り立った崖の上にある場所で、遥か下には先ほどキャンプ施設の脇に流れていたものと同じ川が見えます。ここでランチ休憩。
標高差は250mとのこと。切り立っていますが当然柵などはありません。落ちたら助かる見込みは無いでしょう。
最後の4ヶ所目はチャリンキャニオンが一望出来る場所。午前中にトレッキングをしたのはちょうど川の反対側でここから見えるあたりです。
ゴツゴツした不思議な景観がたくさん。ここからアルマトイに戻ると既に18時過ぎで1日がかりのツアーでしたが、自然好きにはかなり楽しめる大満足の内容でした。
いつも通りの弾丸ツアーなので、この日の深夜便で帰国の途につきます。ホテルに戻ったら荷物をまとめ、空港に行く前に最後の夕食のため、ロンプラオススメのロシア料理店"ゴスチ"に立ち寄りました。
店内は帝政ロシア時代の邸宅風ですが、日曜の夜だからかほとんど客がおらず。
ロシア料理の定番をいくつかオーダー。まずはビーフストロガノフ。日本だとデミグラスソースを使うので赤いですが、本場は白です。
当然ボルシチも。
それからロシア料理では個人的に欠かせないペリメニ。
食後はレストランからUberを呼んで、そのまま空港へ直行しました。