到着の翌日、朝から早速町歩きに出かけます。散歩日和の良い天気。
とはいえ、この日は日曜日。トンガは世界でも珍しく、国の法律でホテルを除くほぼ全ての商店の日曜日の営業を禁じており、そのおかげでメインストリートでもこの静けさです。
そんな日曜にトンガの人々がどこにいるかと言うと、教会でした。国民の大半がキリスト教徒で、日曜日の商店の営業が禁じられているのも、キリスト教の安息日の考え方に基づいているようです。ヌクアロファ市内にも複数の教会があり、このように特徴的な外見をしたものも。
ショッピングモールかと思いきや、"MINISTRY OF FINANCE AND NATIONAL PLANNING"の文字。中央省庁とホテルと商店が1つのビルに入っているなんて、さすが南の島の小国というところ。
このビルの壁に掲示されているのはラグビーのナショナルチーム。フィジーやサモアと同様、この国でも一番ポピュラーなスポーツといえばラグビーです。
到着時に空港にATMが無かったので、どうやって現地通貨のパアンガを入手したものかと思っていましたが、市内にはANZのATMがいくつもあり杞憂に終わりました。国際キャッシュカードも問題なく利用可能。
フィジーエアウェイズのオフィスには、日本就航の案内が。どうやら7月から週3便で就航するようです。南太平洋諸国への旅行がかなり便利になりそう。
市の中心部を海岸に向かって歩くと見えてくるのは王宮。そう、トンガは王国なのです。
一国の王宮としてはかなり小さい建物ですが、品がある造りです。王宮に旗が上がっているのは国王が在宅中ということを意味しており、旧宗主国であるイギリスと同じような仕組みになっています。
王宮の向かいに建つのは、議会などが入居した政府の合同庁舎。
2017年9月1日に完成したばかりの新しい建物ですが、建設資金は中国政府の融資によるもの。道理でこのような小国には似つかわしくない仰々しい規模になっているわけです。
海岸沿いにあるのは、Vuna Wharfという名前の埠頭。
敷地内に人の気配も船の気配も全くありませんでしたが、この掲示の通りで残念ながら中には入れず。
この埠頭も中国の支援で造られたもの。中国は途上国に対してインフラ支援としてその国の身の丈に合わないような巨額の融資を行うケースが最近目立ちますが、この政府庁舎や埠頭もその良い例でしょう。この埠頭には既に中国海軍の船も何度か寄港したのが確認されており、中国の太平洋進出の足がかりにもなっているようです。
このイメージのようなクルーズ船がどんどん来るのであれば地元の経済も潤ったのでしょうが、トンガの立地を考えると少し楽観的すぎたかもしれません。
海岸沿いには津波発生時の避難マップも。トンガ自体では地震は起きないのでしょうが、日本やチリやインドネシアなどの太平洋沿岸諸国で大地震が起きればここまで津波もやってくるので、全く無縁という話ではないのです。
このトンガタプ島は山や丘がほとんど無い平坦な島なので、避難場所に指定されているのも(トンガにしては)高層建築の建物だっりするのが特徴的。
海岸沿いに道を進むと次に目に入るのがトンガの観光庁。
今日はもちろん閉まっていますが、観光案内所も兼ねているようです。
敷地内では鶏が駆け回っていたりと自由な雰囲気。
一般道路の整備も中国の支援です。
バスターミナルは空っぽ。日曜日は本当にどこにも人がいません。
トンガで一番大きなホテルのTanoa International Dateline Hotel。外見は古いですが、中は最近リノベーションされたようです。ホテルの名称は日付変更線が近いことに由来しているのでしょう。
その先にあるのは中国大使館。彼らのこの国への力の入れようを考慮したら当然というべきか、アメリカや日本を凌いでトンガ国内ではダントツで大きな大使館です。
トンガのお墓は、死者の生前の写真がカラフルなパネルに飾られて随分賑やかです。あたかも選挙ポスターのよう。
午前中の数時間でだいたい市内中心部は歩き回れる程度の規模。午後は船に乗って近くの島へと向かいます。