Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

4日目:礼文島滞在 (6) トレッキング <桃岩展望台コース>

礼文岳登頂を終え、香深に戻って来たのは9:40頃。13:25発のフェリーで利尻島へと向かうため、それまでの余った時間で最後に桃岩展望台コースを歩きます。

香深からは初日に元地へ向かった時と同じ方向へ進み、トンネルに入らずに分岐を右へ進めば桃岩方面。

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桃岩登山口までは車道も繋がっているのですが、分岐のすぐ先に、歩行者用の近道が用意されているので、歩く場合はこちらへ。

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こんな感じの歩きやすい道です。普段トレッキングをしないような初心者でも問題なく歩けるでしょう。

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桃岩展望台コースの全容。あまり歩くつもりのない観光客は桃岩展望台までの往復で済ませる人が多いようですが、今回は約6kmを歩いて反対側にある知床集落まで向かいます。

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香深から20分で、桃岩展望台に到着。

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これが桃岩。その下には、2日前に訪れた桃台猫台や、海に浮かぶ猫岩まで見えます。

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桃岩の由来はきっと形が桃に似ているということなのでしょうが、展望台から見るよりも下側の桃台猫台から見上げた方が、より桃感が出ていた気がします。2日前に下から見上げた時の記事はこちら。 

桃岩展望台から先も、比較的平坦で歩きやすい道。必要な場所では階段や木道も整備されているので、この辺りであればトレッキングシューズでなくとも普通のスニーカーでも問題なさそうです。 

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ただ、問題はかなりの強風。この写真からも伝わるでしょうが風を遮るものがなく、吹き曝しの中を歩くことになりました。

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風は強いですが、視界を遮るものもないので利尻岳は常に見えています。

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礼文島は花の浮島と呼ばれるだけあり、数々の野花が見られました。礼文島を日帰りで訪れ時間が無い人は、このコースだけ歩けばとりあえず満足出来るでしょう。

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晴れれば海も綺麗。

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桃岩展望台から45分ほどで、元地灯台に到着。ここまで来ると、観光客の数も随分減りました。

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元地灯台から先は、利尻岳を正面に見ながらの下り。ゴールである知床集落は海岸沿いなので、そこまで下りが続きますが、そこまで標高差があるわけではないので傾斜は緩やかです。

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11:15、ゴール。6kmを1時間半で歩きました。知床集落から香深へと戻るバスは12:13発なので、歩くペースが少し速過ぎたようです。

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ここにも昆布。

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バスまで1時間ほどありますが、知床集落には喫茶店やレストランはおろか、商店も1軒も無し。買い物ができる場所といえば、バス停近くにある自動販売機くらいしかありませんでした。香深まで走って帰ろうかとも思いましたが、少し距離もあるのでそれは断念し、大人しくバスを待ちます。

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4日目:礼文島滞在 (5) トレッキング <礼文岳コース>

昨日と打って変わって、この日は快晴の礼文島

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海の向こうには、一昨日・昨日は雲に隠れていた利尻岳も文句無しに見えました。あちらは翌日に登山予定です。

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今日は午後の便で利尻島に移動するので、その前にトレッキングコースを2本歩く予定。まずは、昨日と同じ始発便のバスに乗って、礼文岳コースのスタート地点である内路(ないろ)集落にやってきました。

バス停のすぐ向かいが登山口です。ここから礼文島最高峰である礼文岳(標高490m)の山頂まで、片道4.5kmのコースを往復します。

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このコースも、昨日歩いた道と同じく両脇は笹が基本。

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途中視界が開けると正面にピークが見え、あれが山頂かな、と思ってしまいそうになるのですが・・・。

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残念、本当のピークはその裏にあるのでした。

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とはいえ標高490mと、東京都民的な考え方で言えば高尾山よりも低い山なので、体力的にはまだまだ余裕。コースタイムはかなりバッファーを持って150分で設定されているのですが、1時間で山頂まで到着しました。

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最高峰だけあって、山頂からは礼文島全体が見渡せます。こちらは最北端のスコトン岬。

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礼文島の北側にある船泊集落の方面。よく目を凝らすと礼文空港も見えます。

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礼文空港を拡大。かつては稚内との間に直行便が飛んでいたようですが、今は定期便は就航していません。それでも、緊急時の利用を想定しているのか、廃港とはなっていないようです。

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20分ほど頂上でゆっくりしたら、サクサクと下山。帰りは45分で内路まで戻ってきました。

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戻りのバスの時間まで、内路の集落を少しぶらぶら。昨日も見ましたが、ここでも昆布が干されています。島内どこでも昆布は取れるようです。

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始発のバスが内路に着くのが6:52で、戻りのバスは9:16。これを逃すと次は12:21までバスが無いので、間に合わない場合はタクシーで戻るのが得策でしょう。そういう需要を見越してか、登山口にはこのような張り紙もありました。

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3日目:礼文島滞在 (4) トレッキング <礼文林道コース>

1日がかりの岬めぐりコース、8時間コース、礼文林道コースを繋ぐトレッキングも、いよいよ最終パート。 

8時間コースも歩き終わり、宇遠内分岐点から礼文林道コースへ。

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林道というだけあり、車両も通れそうな幅の道です。周囲は背の高い笹が育っており、視界はあまり開けていません。

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40分ほど歩いて、礼文滝コースへの分岐に到着しました。ここから2kmほど進んだ先の海岸線沿いにある礼文滝まで続くこのコースは渡渉もあったりして面白いルートのようなのですが、この日は時間が無いのでパスして先へ。

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分岐から更に20分歩くと、レブンウスユキソウ群生地。礼文の名前が付いていますが、礼文島の固有種ではなく、北海道やサハリンであれば各地で見られる花だそうです。

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 レブンウスユキソウのベストシーズンは6月だそうですが、7月中旬のこの時期でもまだこの通りたくさん咲いていました。

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拡大するとこんな見た目の花。サウンドオブミュージックで有名なエーデルワイスの仲間です。

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礼文島の山間部は森林が無い禿山状態のところが多いのですが、これは過去に複数回あった山火事が原因だそう。現在、所々では植林での森林回復が図られています。

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群生地の少し先には、元地集落を見渡せる展望台。最後の最後で、雲の隙間から晴れ間も見えてきました。

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群生地から20分歩いて車道への合流地点に到着し、礼文林道コースも終了。この後は車道を1.5km歩き、16:30に香深の町まで歩き終えました。約30kmを9時間で無事踏破です。

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この日の夜は、漁協直営の食堂「海鮮処かふか」へ。評判が良いだけあり、電話をかけると予約で満席とのことでしたが、時間をずらして20時頃に伺うと、直ぐに入ることが出来ました。

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漁協直営なだけあり、やはり推しは海の幸ということで、寿司を注文。ウニやホタテをはじめ、地元の水揚げ品を中心にしたネタで8貫1,840円と、東京に比べればかなり良心的な値段で満足でした。

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3日目:礼文島滞在 (3) トレッキング <8時間コース>

この日は岬めぐりコース8時間コース礼文林道コースの3つを繋ぎ、最北端のスコトン岬から香深港まで約30kmを踏破する予定。

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前記事では岬めぐりコースに触れました。

 今回は西上泊から先の8時間コースについて。西上泊から先に進む場合、オフィシャルなルートは車道沿いに少し戻る必要があるのですが、この看板にある通り、集落の奥からショートカットルートを進むことが可能です。

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10:15、西上泊を出発。集落の端に標識があるので、そこからトレイルへと入っていきます。

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但し、このショートカットコースは人が歩いた跡がわかりづらく、一面藪状態なのが難点。ルートファインディングに自信の無い人は、素直に車道沿いを戻った方が安全かもしれません。

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所々標識はありますが、これが無ければトレイルだとは全く思えないような場所もちらほら。距離は長く無いので、最悪GPSが手元にあって方向さえ間違えなければ何とかなるとは思いますが。

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10分ほどの藪漕ぎの後、無事8時間コースのメインルートに合流。ここから礼文林道までの13kmはエスケープルートが無く、前に進むしかありません。

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最初のうちはルートも広く、ハイキングというよりは散歩のようなコース。

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途中、西上泊の集落と澄海岬、そしてその奥にはゴロタ岬まで一望できる場所もあります。

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11:00頃、召国集落との分岐を通過。

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その先、徐々にルートは細くなり、トレイルのような雰囲気が出てきます。

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西上泊から、8時間コースの道中で唯一の集落である宇遠内までの距離は9km。

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所々森林の中を歩く場面もありますが、基本的には景色が変わらず、この区間は正直少し退屈なエリアでした。

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トレイルもどんどん細くなり、遂には藪状態の場所もポツポツと。ただ、歩きにくいですが道迷いするほどではありません。

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12:00頃、少し広くなった長めの良い場所で30分ほどランチ休憩。

このルートは、基本的に北から南への一方通行のみが推奨されているため逆走する人はおらず、全く人とすれ違うことがありません。関東近郊のガヤガヤした登山道とは大違いの静けさです。

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ランチを楽しんでいたらカラスが登場。特段危害はありませんでしたが、カラスなんて都会にしか生息していない鳥かとばかり思っていました。

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宇遠内集落の手前で、海岸線まで一気に急降下。かなりの斜度なので、ここは注意深く進む必要があります。

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アナマ川の河口で海岸線に到達。ここから宇遠内まで1kmほどは、海岸沿いを歩いていきます。

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海岸のすぐ脇は切り立った崖。落石の跡はいくつもありますが、こんなサイズの岩が命中したらひとたまりもありません。

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この区間、1kmと距離は短いですが岩がゴロゴロしているためにスピードは出せませんが、普通のトレイルと違いメリハリがあってこれはこれで楽しめます。ただ、強風や高潮の時は通らない方が良さそうです。

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波打ち際に漂着していたゴミにはキリル文字。海の向こうはもうロシアです。

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地層の線が剥き出た岩肌。

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13:20、宇遠内の集落に無事到着しました。

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防波堤の先から見た集落全景。家は10軒以上ありますが、ほとんどが廃屋になっており、現状では夏の期間のみ2世帯だけが居住しているということです。

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そのうちの1世帯のおばちゃんが開いているカフェ「ウエンナイひとやすみ」で一休み。温かいコーヒーが売っています。

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このおばちゃんの話では、宇遠内集落は昔はもっと賑やかでしたが、礼文島の他の地域と道路が繋がっておらず不便だということで、過疎化が進んでしまったそう。現在夏だけ住んでいる2世帯も、買い物等は西上泊までボートを出すしか無いそう。郵便局員もたどり着けないため、郵便物も西上泊まで行かないと受け取れないというのには驚きました。電気代・水道代も検診員が来られないため定額制、テレビもBSしか映らないんだそう。

 

それでも夏だけここで暮らす理由は、やはり昆布漁。礼文島の経済の生命線と言っても過言では無さそうです。

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おばちゃんの話が面白かったのでついつい長居をして40分ほどゆっくりしてしまい、14:00に再出発。かつてはここから更に南の元地集落までトレイルが設定されていたそうなのですが、落石事故があったために現在は通行止めとなっているため、ここから先は内陸へと入っていきます。

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2世帯のための浄水場を通り抜けて、先へ進みます。

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谷沿いを進んでいくのですが、冬は谷を吹き抜ける日本海からの風が相当強いのか、木が一方向にしか成長していません。

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宇遠内から礼文林道までは3km。今までに比べると歩きやすい道で、スイスイ進めます。

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14:40、礼文林道との合流地点に到着。ここから更に東へ2kmほど進めば香深井の集落に辿り着き、バスに乗って香深まで帰ることも出来ますが、まだ時間に余裕もあるので、この先は礼文林道を南へと歩いて香深へと向かいます。

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3日目:礼文島滞在 (2) トレッキング <岬めぐりコース>

礼文島滞在2日目は、1日かけてトレッキング。礼文島は高い山があるわけではありませんが、トレイルがいくつか整備されており、この日は下のマップに記載されている岬めぐりコース8時間コース礼文林道コースの3つを繋ぎ、最北端のスコトン岬から香深港まで約30kmを踏破する計画です。

コースタイムだと13時間ほどありますが、そんなにかかると夜になってしまうので、テキパキ歩いて10時間以内にはゴールしたいところ。

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まずは香深から始発のバスに乗ってスコトン岬まで移動。乗客は観光客がほとんどで、私と同じようにトレッキング用の服装をしている人もちらほらと見受けられます。

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天気はあいにくの曇天で、晴れていれば正面に見えるはずの利尻岳も、残念ながら雲の中。

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7:30頃、バスはスコトン岬に到着。その奥に見えるのはトド島です。かつてあの島でトド猟が行われていたことに由来する名前だそうですが、現在は無人島です。

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先の方まで遊歩道が整備されており、気軽に歩いて行けます。ただし、さすがは北海道というほどの、7月とは思えない寒さ。風が強いのでさっさと撤退してきました。

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岬の真下には民宿もありました。周囲に食堂やコンビニは全く無いので、ここに泊まる時は事前のプランニングが重要です。

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7:40、トレッキング開始。最初は舗装道路で、バスで来た道を少し戻ります。

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5分ほど歩いたら分岐点。バスは正面から来ましたが、トレイルは右へ。

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イカー向けの標識も出ているので、間違えることは無いでしょう。

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分岐点の左側を少し登ったところにあるのが、水難諸霊之塔。特定の沈没事故を想定したものではなさそうですが、北の海は荒れていることも多いでしょうし、数多くの事故が過去にあったことは想像に難くありません。

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分岐点から更に5分進むと、次の分岐。目指す鉄府・澄海岬方面がどちらの方角にも書いてあるので、若干戸惑いますが、どちらからも行けます。

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右方向に行くと、一度海岸沿いにある鮑古丹集落まで下りて、再び丘を登るルート。道は舗装されておらず、雑草が生えた中を歩いていくことになります。こちらの方がアップダウンはありますが、直線距離だと近そう。

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対する左方向は、海岸線まで下りずに丘の上を進む迂回ルート。舗装されておりアップダウンは少ないですが、回り道なので距離は少し延びます。岬めぐりコースに指定されているのはこちらのようなので、今回は舗装ルートを歩きました。

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舗装ルートを進むと、途中にトド島展望台があります。天気が良ければ利尻岳も見えるとのことですが・・・。

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残念ながらこの天候。トド島からの距離もスコトン岬と比べると随分離れており、なぜこの名称としたのかは謎です。

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舗装道路が終わり、トレイルの入り口に到着。礼文島は"花の浮島"と呼ばれるだけあり、数多くの花が道中でも見られました。

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トレイルの最初は、ゴロタ岬へと向かっての緩やかな登り。

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8:35、スコトン岬から1時間弱でゴロタ岬に到着。コースタイムだとここまで100分なので、まあまあのペースです。

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ゴロタ岬は標高約180mの位置にあり、遠くまで見渡すことが出来ます。これから歩いていくのはこちらの方角。雲が低く垂れ込めていますが、幸い雨は降っていません。

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ゴロタ岬からは一気に海岸線まで下り道。道の脇はこのように切り立った部分もありますが、トレイルはしっかり整備されているのでそんなに心配はありません。

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海岸沿いには、昆布漁をしているボートが何艘も。高級品として有名な利尻昆布ですが、実は礼文島でも獲れるそうで、しかも利尻島の昆布よりも品質が良く高額で取引されるそうです。

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海岸線まで下りて振り向くと、左奥見えるのがゴロタ岬です。こうみると一気に下りてきたのがわかるかと思います。

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その先は海岸沿いに進んで鉄府集落へ。

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人口100人にも満たないであろう、小さな鉄府集落。商店は特に無く食料の調達は出来ませんが、ハイカー用のお手洗いは設置されていました。

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獲ってきたばかりの昆布を、解して乾かしているところ。海に出るのは男性、陸で作業するのは女性という棲み分けがなされているようです。

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鉄府を過ぎたら再び登り。澄海岬への道は海沿いでは無く、丘を一つ越えて向かうようです。

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ここの道は草刈りが入っておらず、雑草が伸びるままになっていました。藪漕ぎ状態で進んで行きます。

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丘の上まで来ると、反対側に見えてくるのが西上泊の集落。鉄府より更に一回り小さく、家々を数えてみると住んでいるのは20世帯にも満たないようです。

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西上泊にある澄海岬は観光地になっており、舗装道路でアクセス可能。駐車場には団体ツアーの観光バスも一台止まっていました。

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名前の通り、澄んだ海を臨む澄海岬。晴れていたら更に綺麗だったことでしょう。

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駐車場横には観光客向けのお店が1店あります。この先はしばらく人里離れた場所を歩くことになるので、ここで小休憩。

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コース上で温かい食べ物が手に入る場所はここしかないので、あげいもでエネルギー補給。

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ここまでで岬めぐりコースは終了。この先は8時間コースへと続きます。





















2日目:礼文島滞在 (1) 元地集落、桃台猫台

礼文島に到着したら、まずは港近くにある予約している民宿へ。今回は比較的直前で計画した旅行だったため、コロナ禍にも関わらず礼文島の宿はほとんどどこも満室。唯一空きがあったのがここで、他に選択肢はありませんでした。

とはいえ、かなり質素な部屋ではありますが、畳に布団で寝るのはもうかれこれ10年以上ぶり。それだけで少し気持ちも上がります。

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民宿で荷物を下ろすともう17時頃。それでも、7月の礼文島の日没は19時過ぎなので、暗くなるまでまだ2時間ほどあるということで、香深から近い元地という島の反対側の集落の方まで歩いていくことにしました。 

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香深から島の反対側にある元地まで繋ぐのは、2015年に開通したばかりの新桃岩トンネル。以前は山越えのルートしかなかったようですが、このトンネルが繋がって歩いても30分程度での両集落間の往来が可能になりました。

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とはいえ人口の少ない礼文島のこと、歩いている人は全くおらず、人気の無いトンネルは少し不気味です。

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トンネルを抜けるとすぐに元地集落に到着。田舎の寒村という言葉がしっくりくる雰囲気の港町です。

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一応香深からバスで来ることも出来ますが、運行は1日5便程度。今回はスケジュールが合いませんでした。

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元地の海岸はメノウ浜と呼ばれています。かつてはメノウがよく拾える場所だったらしいですが、近年ではそれも少なくなっているとのこと。私も興味本位で少し見てみましたが、全く見当たらず。

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そしてメノウ浜の奥にあるのが地蔵岩。下の写真奥に見える切り立った岩が、合掌している地蔵の手の形に似ていることから名付けられたようです。

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拡大してみるとこんな風。まあ言われてみれば確かに、という感じでしょうか。

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ちなみに、この地蔵岩の手前から先は立ち入り禁止。ここから10kmちょっと北に進んだ先にある宇遠内(ウエンナイ)という集落まで、かつては海岸沿いに歩くことが出来たそうですが、現在では落石や崩落の危険があるために通行禁止となっています。

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確かによく見ると海岸沿いには上から落ちてきたであろうと思われる大きな石がゴロゴロ。こんな石が頭上に落ちてきたらまず助からないでしょうし、危険であることは間違いなさそうです。

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それにしても急峻な地形。個人的にはかつて旅行した先であるアイスランドを彷彿とさせる風景です。

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続いては、地蔵岩と反対側に海岸線沿いを南へ。こちらも似たような地形が続いており、元地集落が本当に海岸線と山の隙間のギリギリの位置に広がっていることがわかります。

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南にしばらく歩くと現れるのが、かつての山越えで香深へ向かっていたルートの分岐跡。現在は通行禁止となっていますが、それでも山沿いに蛇行しながら上へと登っていく道の跡は目視出来ます。このルートだったら香深から気軽に歩いて来るのは難しかったことでしょう。

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分岐跡を過ぎ、元地集落から南に15分ほど歩いて着いたのが、桃台猫台。

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ここは少し小高い展望台になっており、桃岩と猫岩という2つの岩が眺められることからその名前が付いています。まずこちらは桃岩。

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そして反対側に見えるのが猫岩。

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小さいので少し拡大。海の方を向いた猫の背中に見えるということのようです。

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ちなみに、桃台猫台より更に南に進んだ道路の終点にあるのが、桃岩荘ユースホステル礼文島からの船の出港時にはここの宿泊者・スタッフが港で盛大に見送りをしてくれるのが名物だったようですが、今年は残念ながらコロナ禍で閉鎖中でした。

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西向きの元地集落や桃台猫台は、晴れていれば良い日の入りスポットなのでしょうが、この日は生憎の曇天。日の入りは期待出来なさそうなので、暗くなる前に香深へと戻ります。

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礼文島初日の夕食は「炉ばたちどり」で。昼は日帰り客のランチ需要で混むようですが、夜は比較的余裕がありました。

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焼きホタテとホッケのちゃんちゃん焼き。今日は大して歩いていませんが、ビールがどんどん進む組み合わせでした。初日から名物料理を満喫です。

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2日目:札幌から礼文島まで陸海移動 (2) アマポーラ宗谷

特急宗谷で到着した稚内駅。ここから礼文島への船が発着するターミナルまでは歩いて10分ほどなのですが、出発時刻まで少し余裕があるので稚内駅の周辺は少しぶらぶら。

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駅の北側にあるのは防波堤ドーム。戦前はここが稚内樺太を結ぶ航路の発着所になっていたという、歴史ある建造物です。当時は稚内駅からここまで線路が伸び、樺太へ向かう乗客を運んでいたとのこと。

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端から端まで500m弱あり、立派な建物です。雨風を凌げるためここで夜を明かそうとする旅行客もいるのか、テント設営禁止という注意書きもありました。

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稚内から樺太側の港町である大泊(現コルサコフ)を結ぶので、両地名を取って稚泊(ちはく)航路と呼ばれていました。立地柄、真冬は砕氷船で運航されていたそうです。

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かつて連絡船が停まっていた場所に現在停まっているのは、海上保安庁の巡視船りしり。海上保安庁の船にここまで近づけるのも珍しい気がします。

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ランチは稚内で大人気のラーメン屋さん、青い鳥。

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透き通るスープの塩ラーメン。普通に美味しかったですが、わざわざこのために来るほどではないかな、というレベルでした。駅から近いので、列車待ちで時間があるなら丁度良いかも。

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稚内駅の周辺は寂しい風景。典型的なシャッター街が広がっていました。

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道路標識には見慣れたアルファベットに加えてキリル文字も。もうここはロシアが目と鼻の先なのです。

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国境の町らしい看板に写真を撮ったつもりでしたが、演技の良さそうな住所もなかなか目を引きます。

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駅から歩いて稚内フェリーターミナルに到着。

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ちなみに道を挟んだ向かい側には国際線ターミナルも。かつての稚泊航路は現在では国際線となっているわけですが、コロナ禍ということもあり今年は運休でした。

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ターミナル内に入るとチェックインを待つ行列が。同じ時間帯に利尻行きと礼文行きが立て続けに出発するために混雑してしまっているようです。しかも、窓口が少ないためなかなか進みません。

フェリー会社のウェブサイトには30~40分前には乗船手続きを終えるように、と記載されていたので少し不安になりましたが、結果的にはその時間を過ぎてしまっても問題なく手続きは出来ました。

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カウンターでチェックイン→ゲートへ向かって乗船という流れは飛行機とほぼ同じ。違いと言えば保安検査が無いことくらいでしょうか。

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利尻・礼文航路には3隻の船が就航しており、便によって日替わりで就航船は変わりますが、今回当たったのは3隻の中でも最新船であるアマポーラ宗谷。今年2月に就航したばかりの新型船です。

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乗船。

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船内は1等席と2等席に分かれており、今回予約したのは1等席。737や320のビジネスクラスシートのような座席でした。満席にはならず、乗船率は目視で60%ほど。

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2階の座席配置(下が前方)。先頭に1等席、後ろに2等席という配置です。このほか、1階部分にはカーペット敷きの雑魚寝が出来る2等大部屋が広がっています。

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デッキにも座席はありますが、7月でも風が肌寒かったので、ここに座っている人は皆無でした。

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まずは利尻行きのサイブリア宗谷を見送って、その15分後にこちらも出発。

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出航。こうしてみると、稚内の町も意外と大きく見えます。

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宗谷湾から、野寒布岬をグルっと周って外海へ。雨こそ降っていませんが、分厚い雲が立ち込め7月とは思えない肌寒さでした。

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船内散策。簡易的な売店もあります。売っていたのはお土産やスナック菓子など。

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自販機は地上と変わらない値段。

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便利そうなものではポットと電子レンジもありました。船内にレストランはありませんが、カップ麺を持ち込めば食事は出来そうです。

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出航から1時間半が過ぎ、徐々に見えて来た礼文島。こちらも同じく天気は優れません。

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乗船時間約2時間で礼文島に到着しました。

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フェリーターミナルがあるのは、礼文島の最大集落である香深(かふか)。小さい町ながら、観光客向けの大型ホテルもいくつか見えます。

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札幌を出てから約9時間で、やっと今回の旅の最初の目的地である礼文島まで到着しました。9時間といえば、成田から飛行機でヨーロッパやアメリカにも着いてしまうほどですから、北海道のスケールの大きさを実感です。

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