礼文島滞在2日目は、1日かけてトレッキング。礼文島は高い山があるわけではありませんが、トレイルがいくつか整備されており、この日は下のマップに記載されている岬めぐりコース、8時間コース、礼文林道コースの3つを繋ぎ、最北端のスコトン岬から香深港まで約30kmを踏破する計画です。
コースタイムだと13時間ほどありますが、そんなにかかると夜になってしまうので、テキパキ歩いて10時間以内にはゴールしたいところ。
まずは香深から始発のバスに乗ってスコトン岬まで移動。乗客は観光客がほとんどで、私と同じようにトレッキング用の服装をしている人もちらほらと見受けられます。
天気はあいにくの曇天で、晴れていれば正面に見えるはずの利尻岳も、残念ながら雲の中。
7:30頃、バスはスコトン岬に到着。その奥に見えるのはトド島です。かつてあの島でトド猟が行われていたことに由来する名前だそうですが、現在は無人島です。
先の方まで遊歩道が整備されており、気軽に歩いて行けます。ただし、さすがは北海道というほどの、7月とは思えない寒さ。風が強いのでさっさと撤退してきました。
岬の真下には民宿もありました。周囲に食堂やコンビニは全く無いので、ここに泊まる時は事前のプランニングが重要です。
7:40、トレッキング開始。最初は舗装道路で、バスで来た道を少し戻ります。
5分ほど歩いたら分岐点。バスは正面から来ましたが、トレイルは右へ。
ハイカー向けの標識も出ているので、間違えることは無いでしょう。
分岐点の左側を少し登ったところにあるのが、水難諸霊之塔。特定の沈没事故を想定したものではなさそうですが、北の海は荒れていることも多いでしょうし、数多くの事故が過去にあったことは想像に難くありません。
分岐点から更に5分進むと、次の分岐。目指す鉄府・澄海岬方面がどちらの方角にも書いてあるので、若干戸惑いますが、どちらからも行けます。
右方向に行くと、一度海岸沿いにある鮑古丹集落まで下りて、再び丘を登るルート。道は舗装されておらず、雑草が生えた中を歩いていくことになります。こちらの方がアップダウンはありますが、直線距離だと近そう。
対する左方向は、海岸線まで下りずに丘の上を進む迂回ルート。舗装されておりアップダウンは少ないですが、回り道なので距離は少し延びます。岬めぐりコースに指定されているのはこちらのようなので、今回は舗装ルートを歩きました。
舗装ルートを進むと、途中にトド島展望台があります。天気が良ければ利尻岳も見えるとのことですが・・・。
残念ながらこの天候。トド島からの距離もスコトン岬と比べると随分離れており、なぜこの名称としたのかは謎です。
舗装道路が終わり、トレイルの入り口に到着。礼文島は"花の浮島"と呼ばれるだけあり、数多くの花が道中でも見られました。
トレイルの最初は、ゴロタ岬へと向かっての緩やかな登り。
8:35、スコトン岬から1時間弱でゴロタ岬に到着。コースタイムだとここまで100分なので、まあまあのペースです。
ゴロタ岬は標高約180mの位置にあり、遠くまで見渡すことが出来ます。これから歩いていくのはこちらの方角。雲が低く垂れ込めていますが、幸い雨は降っていません。
ゴロタ岬からは一気に海岸線まで下り道。道の脇はこのように切り立った部分もありますが、トレイルはしっかり整備されているのでそんなに心配はありません。
海岸沿いには、昆布漁をしているボートが何艘も。高級品として有名な利尻昆布ですが、実は礼文島でも獲れるそうで、しかも利尻島の昆布よりも品質が良く高額で取引されるそうです。
海岸線まで下りて振り向くと、左奥見えるのがゴロタ岬です。こうみると一気に下りてきたのがわかるかと思います。
その先は海岸沿いに進んで鉄府集落へ。
人口100人にも満たないであろう、小さな鉄府集落。商店は特に無く食料の調達は出来ませんが、ハイカー用のお手洗いは設置されていました。
獲ってきたばかりの昆布を、解して乾かしているところ。海に出るのは男性、陸で作業するのは女性という棲み分けがなされているようです。
鉄府を過ぎたら再び登り。澄海岬への道は海沿いでは無く、丘を一つ越えて向かうようです。
ここの道は草刈りが入っておらず、雑草が伸びるままになっていました。藪漕ぎ状態で進んで行きます。
丘の上まで来ると、反対側に見えてくるのが西上泊の集落。鉄府より更に一回り小さく、家々を数えてみると住んでいるのは20世帯にも満たないようです。
西上泊にある澄海岬は観光地になっており、舗装道路でアクセス可能。駐車場には団体ツアーの観光バスも一台止まっていました。
名前の通り、澄んだ海を臨む澄海岬。晴れていたら更に綺麗だったことでしょう。
駐車場横には観光客向けのお店が1店あります。この先はしばらく人里離れた場所を歩くことになるので、ここで小休憩。
コース上で温かい食べ物が手に入る場所はここしかないので、あげいもでエネルギー補給。
ここまでで岬めぐりコースは終了。この先は8時間コースへと続きます。