礼文島に到着したら、まずは港近くにある予約している民宿へ。今回は比較的直前で計画した旅行だったため、コロナ禍にも関わらず礼文島の宿はほとんどどこも満室。唯一空きがあったのがここで、他に選択肢はありませんでした。
とはいえ、かなり質素な部屋ではありますが、畳に布団で寝るのはもうかれこれ10年以上ぶり。それだけで少し気持ちも上がります。
民宿で荷物を下ろすともう17時頃。それでも、7月の礼文島の日没は19時過ぎなので、暗くなるまでまだ2時間ほどあるということで、香深から近い元地という島の反対側の集落の方まで歩いていくことにしました。
香深から島の反対側にある元地まで繋ぐのは、2015年に開通したばかりの新桃岩トンネル。以前は山越えのルートしかなかったようですが、このトンネルが繋がって歩いても30分程度での両集落間の往来が可能になりました。
とはいえ人口の少ない礼文島のこと、歩いている人は全くおらず、人気の無いトンネルは少し不気味です。
トンネルを抜けるとすぐに元地集落に到着。田舎の寒村という言葉がしっくりくる雰囲気の港町です。
一応香深からバスで来ることも出来ますが、運行は1日5便程度。今回はスケジュールが合いませんでした。
元地の海岸はメノウ浜と呼ばれています。かつてはメノウがよく拾える場所だったらしいですが、近年ではそれも少なくなっているとのこと。私も興味本位で少し見てみましたが、全く見当たらず。
そしてメノウ浜の奥にあるのが地蔵岩。下の写真奥に見える切り立った岩が、合掌している地蔵の手の形に似ていることから名付けられたようです。
拡大してみるとこんな風。まあ言われてみれば確かに、という感じでしょうか。
ちなみに、この地蔵岩の手前から先は立ち入り禁止。ここから10kmちょっと北に進んだ先にある宇遠内(ウエンナイ)という集落まで、かつては海岸沿いに歩くことが出来たそうですが、現在では落石や崩落の危険があるために通行禁止となっています。
確かによく見ると海岸沿いには上から落ちてきたであろうと思われる大きな石がゴロゴロ。こんな石が頭上に落ちてきたらまず助からないでしょうし、危険であることは間違いなさそうです。
それにしても急峻な地形。個人的にはかつて旅行した先であるアイスランドを彷彿とさせる風景です。
続いては、地蔵岩と反対側に海岸線沿いを南へ。こちらも似たような地形が続いており、元地集落が本当に海岸線と山の隙間のギリギリの位置に広がっていることがわかります。
南にしばらく歩くと現れるのが、かつての山越えで香深へ向かっていたルートの分岐跡。現在は通行禁止となっていますが、それでも山沿いに蛇行しながら上へと登っていく道の跡は目視出来ます。このルートだったら香深から気軽に歩いて来るのは難しかったことでしょう。
分岐跡を過ぎ、元地集落から南に15分ほど歩いて着いたのが、桃台猫台。
ここは少し小高い展望台になっており、桃岩と猫岩という2つの岩が眺められることからその名前が付いています。まずこちらは桃岩。
そして反対側に見えるのが猫岩。
小さいので少し拡大。海の方を向いた猫の背中に見えるということのようです。
ちなみに、桃台猫台より更に南に進んだ道路の終点にあるのが、桃岩荘ユースホステル。礼文島からの船の出港時にはここの宿泊者・スタッフが港で盛大に見送りをしてくれるのが名物だったようですが、今年は残念ながらコロナ禍で閉鎖中でした。
西向きの元地集落や桃台猫台は、晴れていれば良い日の入りスポットなのでしょうが、この日は生憎の曇天。日の入りは期待出来なさそうなので、暗くなる前に香深へと戻ります。
礼文島初日の夕食は「炉ばたちどり」で。昼は日帰り客のランチ需要で混むようですが、夜は比較的余裕がありました。
焼きホタテとホッケのちゃんちゃん焼き。今日は大して歩いていませんが、ビールがどんどん進む組み合わせでした。初日から名物料理を満喫です。