Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

6~7日目:フリータウン滞在 (2) タクガマ・チンパンジー保護区

フリータウン2日目の午後は、市街地から離れた山の中にあるタクガマ・チンパンジー保護区(Tacugama Chimpanzee Sanctuary)へ。コンゴタウン地区にある宿からは貸切タクシーで所要時間45分、運賃は80,000レオン(=約900円)でした。

ただし、最後の数百メートルは道の勾配がキツく4WDで無い普通のタクシーは登れないので、その手前まで。

f:id:Pablo21:20200127004143j:plain

最後の区間は5分ほど歩いて登ります。

f:id:Pablo21:20200127004147j:plain

到着。正確な標高はわかりませんが、それなりに山を登ってきたのでフリータウン市街地に比べると随分涼しく過ごしやすい気温です。

f:id:Pablo21:20200127004621j:plain

このチンパンジー保護区には、観光客が泊まれるエコロッジも6棟建てられています。今日はここに1泊するのでまずはチェックイン。

f:id:Pablo21:20200127004630j:plain

今回泊まるのは"BRUNO"という名前のついたロッジです。6棟それぞれが少しずつ離れて建っているので、どこに泊まっても自然に囲まれた静かな環境が保証されています。

f:id:Pablo21:20200127004155j:plain

部屋は蚊帳付きのベッドが1台と、トイレ、水シャワーという設備。冷房はありませんが、前述の通りこのエリアは気温も随分涼しく過ごしやすいので問題無し。むしろ朝晩は半袖のみだと少し寒いほどでした。1泊900,000レオン(=約10,000円)と安くはありませんが、フリータウンに滞在するならぜひ1泊はしたい場所です。

f:id:Pablo21:20200127004200j:plain

こちらが宿泊者用の食堂。朝食・昼食・夕食はそれぞれ前日までの事前予約制で、好きな時刻を指定してここで食べることになります。

f:id:Pablo21:20200127004204j:plain

このチンパンジー保護区では、1日に2回(午前と午後)、訪問客向けのツアーを実施しています。通常は参加費150,000レオン(=約1,700円)ですが、エコロッジの宿泊客は無料です。私も午後のツアーに参加しました。

f:id:Pablo21:20200127004210j:plain

ツアーは1時間ほど。まずはチンパンジーの生態の説明から始まります。チンパンジーはサルではなくGreat Apes(ヒト科)に属する生物であること、遺伝子のうち98.6%は人間と類似していること、多種多様な道具を使うこと等、一般的な"サル"とは違うということに力点を置いた説明でした。

f:id:Pablo21:20200127004207j:plain

保護区に運ばれてきたチンパンジーがまず収容される検疫エリア。保護区に運び込まれるチンパンジーの大半は人間がペットとして飼っていたものだそうですが、病気が保護区内の他のチンパンジーに広がるのを防ぐため、最低でも3ヶ月はこの検疫エリアで過ごします。

f:id:Pablo21:20200127004455j:plain

その後は、チンパンジーの年齢、性別、性格等を考慮して、それぞれ仕切られた区画で他のチンパンジーと集団生活を送ります。

f:id:Pablo21:20200127004345j:plain

将来的には野生に戻すため、エサを自力で探すための細い穴など工夫が凝らされた仕掛けが用意されていました。以前インドネシアで訪れたオランウータン保護施設でも同じような取り組みが為されていた気がします。

相手の毛づくろいをして寛ぐチンパンジー。人間と同じく集団生活をするチンパンジーにとって、集団内での円滑なコミュニケーションも人間と同じように重要なのです。

f:id:Pablo21:20200127004356j:plain

表情が豊かなのも人間と同じ。ここで働くスタッフ達であれば、表情と声音でチンパンジーが何を言いたいかはだいたい把握出来るとのことでした。

f:id:Pablo21:20200127004412j:plain

群れの和を乱すような乱暴な行動をするチンパンジーが現れた際の隔離小屋。この日も1頭がこの小屋に入れられていましたが、人間の姿を見るとこれでもかと言うほどの大声で威嚇をしてきました。

チンパンジーは1頭で人間5人分の力があるということなので、彼らに襲われたら人間はひとたまりもありません。この保護区に連れてこられる元々ペットだったチンパンジーも、飼い始めの小さい頃は愛らしかったものの成長するにつれて手に負えなくなったというケースが多いそうです。

f:id:Pablo21:20200127004415j:plain

このチンパンジー、名前は失念しましたが、かつてシエラレオネ現大統領にペットとして飼われていたのだそう。つい最近まで、シエラレオネではチンパンジーをペットとして飼うのがごく普通だっだそうです。(現在では違法になっています。)

f:id:Pablo21:20200127004402j:plain

また、西アフリカでは伝統的にチンパンジーを食べる風習があるそう。チンパンジーの狩猟ももちろん現在は違法ですが、やはり密猟は現在でも続いているそうです。

f:id:Pablo21:20200127004704j:plain

そうした文化・風習を変えるには子供への教育が重要。地元の小学生の団体訪問を受け入れ、正しい知識を教え込むのもこの施設な大事な役割の一つなのでした。

f:id:Pablo21:20200127004459j:plain

夕飯はチキンとアフリカ風のシチュー。ここでの食事は今回の西アフリカ旅行の中でも、一・二を争うほどの美味しいものでした。

f:id:Pablo21:20200127004503j:plain

虫の音とチンパンジーの咆哮を聴きながら心地よい一晩を過ごした翌日は、保護区周辺をトレッキング。まずは保護区の裏にあるダム湖に出て、その奥に見えるガボン山(Mount Gabon)を目指します。

f:id:Pablo21:20200127004636j:plain

保護区内のトレイルは1人で歩くことは禁止されているため、ジーンズ履きのガイドと一緒に。道のりはそれなりの急登が多く、登りがいのあるコースです。

f:id:Pablo21:20200127004221j:plain

巨大な蟻塚。

f:id:Pablo21:20200127004641j:plain

途中、レンジャー訓練所の横も通ります。保護区の周辺でもチンパンジーやその他野生動物の密猟を行う現地住民が絶えないため、ここでトレーニングを積んだレンジャーが日々周辺をパトロールしているのだそうです。

f:id:Pablo21:20200127004653j:plain

45分ほどで山頂に到着。山頂と言っても、木が生い茂っており眺望はほとんどありませんでした。

f:id:Pablo21:20200127225033j:plain

唯一見えたのはこの程度。手前側は保護区のため開発が禁止されており森林が護られていますが、奥側は10年前までは同様に森林に覆われていたものの、人口爆発による都市の拡大で今やこのような風景になってしまったとのことでした。

f:id:Pablo21:20200127004649j:plain

ロッジに戻りランチを終えたらここでの滞在も終わり。最後に、レセプションでアレンジしたタクシーが来ないというハプニングがありましたが、偶然他の観光客を連れて来て下ろしたばかりのタクシーに遭遇し、それを捕まえて無事フリータウンへと戻ることが出来ました。

f:id:Pablo21:20200127225247j:plain