Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

8日目:アマゾン先住民族コミュニティ・サンマルティンでの滞在 (3)

サンマルティン滞在3日目。今日はボートに乗ってアマゾン川の本流まで出て、反対側であるペルー領にあるサンアントニオという村を訪れます。

村人が乗るのはこうした昔ながらの手漕ぎボートですが、私たち観光客は村に数艘しかないモーターボートを使わせてもらい、時間を省略です。

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川は洗濯、水浴び、釣り、水遊びと様々な用途で無くてはならない存在。川があってこそ村人の生活が成り立っています。

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20分ほどモーターボートに乗るとアマゾン川本流へ。そこから更に20分ほど川上へ向かうと、サンアントニオの村に到着。ここがペルー領であることを誇示するかのように、ペルー国旗が設置されています。

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この村の正式名称は"San Antonio de Cacao (Reubicación)"。ここはカカオ島というアマゾン川に浮かぶ島の一つですので、"カカオ島のサンアントニオ"という名前です。

カッコ内のReubicaciónは、英語にするとRelocation。以前のサンアントニオはカカオ島内の別の場所にあったのですが、2009年に発生したアマゾン川の氾濫により住民は移住を余儀なくされ、新たに再建したサンアントニオという意味になります。

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氾濫の教訓を生かして、再建されたサンアントニオは内陸の方に位置しているため、村までは歩いて10分ほど。この広い道も雨季は水中に沈み、ここをボートで通れるようになるそうです。

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乾季は畑として使われています。これはキャッサバ。

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木の幹の様子から、雨季にどこまで水が上がってくるのか想像がつきます。

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村に近づくと木道が出現。雨季はこれがなければ歩けないのでしょう。

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村に到着。ここも高床式です。

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住居だけでなく、なんと高床式の畑まで。かなり小規模にはなりますが、これで雨季でも一応農業は出来るようです。

大河のアマゾン川に直接面しているサンアントニオと、小さな支流の1つであるアマカヤク川沿いのサンマルティンでは、雨季の川の増水がもたらす影響も全く違うことがわかります。

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サンアントニオの村を通り抜けて、そのままここでもジャングルトレッキングへ。島というせいか、サンマルティンの周囲の原生林に比べると緑の密度は低めでした。

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空中に出来たこの土の塊はアリの巣。重みで落下しないように、いくつもの枝に絡ませて作られています。

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日本では想像できない大きさのカタツムリ(の抜け殻)。

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森の奥にはこの島で最も大きいとされているらしい大木がありました。根の高さが軽く2mほどあり様々な方向に伸びているさまは、さながらジブリの映画に出てきそうな神秘的な感があります。

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ここでも動物類はほとんど見つからず、唯一見かけたのはこのファンキーな頭部を持つ鳥くらい。キツツキの一種でしょうか。

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2時間ほど歩いて村に帰還。村の広場では村人たちがキャッサバの加工作業をしていました。この辺りでは、キャッサバは洗って乾燥させた後に粉末状に加工したもの(ファリーニャと言います。)を食します。

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サンアントニオの名産品の一つが蜂蜜。養蜂をしている家が多く、どの家も軒下にこのようにハチの巣が入った木箱を吊るしています。

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中を見ると蜂がたくさん。日本の感覚ではこんなものを軒下に置くなんて考えられませんが、村人に聞いてみたところ、これはミツバチ(Abeja)でありスズメバチ(Avispa)ではないから無害とのことでした。とは言え、ここの村人のミツバチ耐性が強いのは間違いないのでしょう。

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昼過ぎ、再びボートでサンマルティンに戻りました。今日も水場は子供たちで賑やか。

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午後は再び1人でサンマルティンの村をぶらぶら。川以外でも色々な場所で遊んでいる子供たちを見かけました。少子化の日本もうらやましい子供の数の多さです。

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この写真の左側の子が手に持っているのは、シロップ入りの甘い水を凍らせた即席シャーベットのような食べ物。村の商店で販売しており、村の子供たちに大人気の駄菓子のようなものです。

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こちらがその商店。似たような商店が村に数軒あり、食料品から衣類まで何でも取り扱っていました。冷たい飲み物も買えますが、当然この店も電気は朝と夕方の3時間ずつしか来ないので、それ以外の時間帯はあまり冷えたものは期待できません。

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夕方はカサ・グレゴリオ2階のリラックススペースにて、サンマルティンで今でも行われている伝統的な陶芸の教室が開かれました。おばちゃんの先生の手つきを見よう見まねで土をこねますが、簡単そうに見えて案外難しくセンスが試されます。

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滞在期間が1週間ほどあれば、自分の作った作品を窯で焼いて持ち帰ることも出来るようなのですが、あいにく私は明日が最終日のためそれも叶わず。代わりに先生の作った作品群を見せてもらい、1つお土産に貰えることとなりました。自分の不細工な作品よりはそちらの方が逆にラッキー。

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この日の夕飯。毎日ライス+野菜+プランテーン+肉or魚という構成は同じですが、コックの女性の腕が良いので全く飽きずに食べられます。

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夜は30分ほど近くの二次林でナイトウォーク。タランチュラはこの辺りでは全く珍しくないようで、5匹ほど見つけました。

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ただし、逆にタランチュラ以外はあまり見つからず。下の写真のように背景に溶け込むように擬態している昆虫も多いので、見つけるのは容易では無いようです。

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