到着した日はこれ以上の移動はせず、アタール市内でゆっくり。
アタールの旅行者向けの宿と言えば、今回宿泊したBab Saharaと、町の南側にあるCamping Inimiの2つが有名。車のチャーターの相談などで事前にどちらもコンタクトを取りましたが、Camping Inimiの方のモーリタニア人オーナーはかなり金にがめつい雰囲気でした。
一方、Bab Saharaのオーナーである年配のオランダ人カップルはこの地に20年以上住み続けていることもあり周辺情報に関する知識が豊富で、ルートの相談にも乗ってくれたりと好印象。宿自体も、広々とした共有スペースにハンモックなどが点在しており、リラックスして過ごせました。
部屋はこんな感じ。エアコン付き、トイレ共同で1泊1,150ウギア(=約3,500円)でした。この他にも250ウギアのドミテントからシャワー・トイレ付きの部屋まで、バリエーションは豊富です。
宿の立地は町の中心から800mほど。中心部の騒々しさとは無縁ながら、気軽に歩いて行くことも可能なちょうど良い距離でした。
翌日以降のルートについてオーナーのJustusと相談しました。
アドラール地方で一番の見所と言えば世界遺産にも登録されているシンゲッティの旧市街。アタールからは舗装道路が通っているので乗り合いタクシーでもダイレクトにアクセス可能ですが、4WD車でオフロードを通って行った方が周辺の見所も効率的に巡れるとのことだったので、アドバイスに従い車を翌日は1日チャーターすることにしました。
周辺の見所が書かれた手作り感たっぷりの地図も貰えます。Google Mapでもほとんど空白地帯なので、これは便利。
昼はアタールの町をぶらぶら。町の中心のロータリーは、塔のようなモニュメントが目印です。
中心部には過剰と思われるほどの数の太陽光パネル付き街灯が立ち並んでいます。アフリカの田舎町の景色にはイマイチ馴染まず、不自然な光景です。
殺風景な中心部とは違い、まだ開発が進んでいない周辺部はなかなか味がある町並みが残っています。電線を除けば、100年前からほとんど変わらない風景でしょう。
この町ではロバも立派な荷物運搬の担い手。ロバ1頭にしてはかなり大きな荷台を引かされて、気の毒になります。
そんなロバも休憩中は自然と日陰へ。サハラ砂漠のど真ん中にあるこの町では、日中の気温は軽く40度を超えていきます。
ヤギのエサはダンボール。
ぶらぶら町歩きをしている中で、唯一見つけた観光客向けの見所と思われるのがこの博物館です。
ただし、開館時間は9時〜13時と16時〜18時と、3時間も昼休みがあるのでした。ちょうど昼過ぎに訪れたので入ることは出来ず、どんな展示物があるのかは謎のまま。
することもないので、適当な場所でランチ。乗り合いタクシー発着場の近くにある食堂に入りました。
中は殺風景。いかにもアフリカのローカル食堂という様相です。
英語は全く通じませんが、知っている限りのフランス語の単語を駆使して出てきたのはこんな料理。チキンのポテトと玉ねぎソテー添えです。玉ねぎソテーが甘辛味で思ったよりも美味しく食べられました。しかも50ウギア(=約150円)と激安。
モーリタニアで出会った意外な飲み物が、ポッカのメロンミルク。こんなところで日本ブランドをの飲み物を目にするとは思いませんでした。このドリンクはかなり人気があるようで、モーリタニア全土で売られており、商店やキオスクなどどこでも購入可能です。銭湯で売っているフルーツ牛乳のような味。
どこで製造しているのかと思えば、なんとシンガポールでした。あんな土地も狭く人件費も高い国で製造されたドリンクが、こんな辺鄙なアフリカの後発途上国で販売されているとは意外な感じもします。