Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

7日目:エルミナ城観光

ガーナ2日目はアクラを出て、世界遺産があるというエルミナとケープコーストという大西洋岸の2つの町を訪れることに。

エルミナもケープコーストも方角は同じ。まずはそちらの方面へのトロトロが発着するカネシ地区へやってきました。

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カネシのトロトロ発着場の周りは地元民向けのマーケット。アフリカらしい雑踏の中を歩いて、自分の乗るトロトロを探します。

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発見したのはケープコースト行きのフォードバス。フォードバスとはその名の通りフォードのバンを使った乗り合いバスで、普通のオンボロ車のトロトロに比べて快適ですがその分値段も高めに設定されているのが特徴です。

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当初はトロトロで行くつもりだったのですが、アクラからケープコーストまでは3時間かかるため、金で快適さを買うつもりでフォードバスに乗ることに。とはいえ運賃は24セディ(=約600円)と、大した額ではありません。

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フォードバスも満員になり次第出発というのは他の交通機関と変わらず。到着時はまだほとんど乗客がいなかったため、出発までは1時間ほど待ちました。

出発しても、カネシ地区では渋滞で停車するたびに物売りの女性が窓越しに押し寄せてきます。

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カネシ地区を出た後も、交差点や料金所等、車が一時停止するようなところには必ずと言っていいほど売り子が待ち構えています。商品は頭上に載せるのがアフリカスタイル。

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ケープコーストに到着すると、フォードバスは乗客を降ろしながら町を周るので、Google Mapを頼りにトロトロ発着場に近い場所で適当に下車。トロトロに乗り換えてまずはエルミナへ向かいます。

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ケープコーストからエルミナまでは運賃2.2セディ(=約50円)で所要時間は15分ほど。海岸沿いの気持ち良い一本道です。

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そしてエルミナに到着。漁村ということで、海岸は漁船に埋め尽くされていました。

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海を埋め尽くす船は圧巻。各漁船に掲げられた国旗は船籍国というわけではもちろんなく、それぞれの漁師が自分の船を見つけやすくするために好きな国の国旗を目印として掲げているとのことです。よく見ると日本国旗も見えます。

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そしてこちらが世界遺産のエルミナ城。現存するヨーロッパ人による建築物としてはサブサハラでは最も古く、1482年にポルトガル人によって建設されました。

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入場料50セディ(=約1,250円)を払って中へ入ると、何やら催しが行われていました。

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どうやら汎アフリカ主義を訴えるグループのイベントのよう。アフリカの国々の名前を一つずつ読み上げ始め、そのあとに全員でゴスペルソングを歌い出しました。奴隷貿易の拠点ともなったこの建物は、彼らにとって象徴的な意味を持つのでしょう。

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イベントの終了を待って内部見学スタート。高い入場料でしたがそこにはガイド代が含まれており、30分ほどのツアーで内部の各所を解説しながら周ってくれます。

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こちらが男性奴隷用の牢獄。南北アメリカへ"出荷"される奴隷は、運搬船がやって来るまでの期間をここに閉じ込められて待たされていました。

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女性用は別にありますが、どちらも灯りのほとんどない地下牢であることに変わりはありません。

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運搬船への乗船時の奴隷用の出口。ここを通って外に出たアフリカ人は2度とアフリカの地を踏めなかったことから、通称"Door of No Return"と呼ばれています。

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これは懲罰部屋。態度の悪い奴隷はここへ閉じ込められていたとのことです。上部に象られた頭蓋骨は、当時のヨーロッパ人の悪趣味と言わざるを得ません。

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ツアー客が全員この部屋に入ると、ガイドに外から扉を閉められて暫しの間の奴隷体験。扉が閉まると本当に真っ暗になるので、30秒ほどで扉を再び開けてもらうと外の光の眩しいこと。

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城の上階部分はヨーロッパ人の居住区。奴隷の牢とは比べものにならないくらいの快適さとはいえ、地下に奴隷がたくさん押し込められているその上で暮らす気分とはどのようなものだったのでしょうか。

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エルミラ城全景。奴隷貿易という負の歴史を振り返ることが出来る貴重な場所でした。

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続いてケープコーストへ向かいます。