日本出国から35時間で、ようやく今回の西アフリカ3カ国周遊旅行の1カ国目、ギニアビサウの首都ビサウへ到着。事前に依頼していた送迎車でホテルへ直行すると、朝4時過ぎでしたが問題なくチェックインしてもらえました。
今回宿泊したのはHotel Imperio。バックパッカーのアフリカ旅行はテント持参が主流ですが、さすがに社会人の短期弾丸旅行でそれはリスキーなので、ちゃんとしたホテルを予約しました。昨年オープンしたばかりで、ホットシャワー、エアコンに衛星テレビも完備しており、現時点ではビサウで最高レベルのホテル。
宿泊費は一泊90ユーロと先進国と変わりませんが、短期間の旅行で体調を崩したりしては元も子もないので必要な出費と割り切るしかありません。
久しぶりにベッドでゆっくり横になったあと、昼頃から市内散歩に出かけることに。
ホテルの全景。現時点ではビサウ一の高さの建造物です。
ホテルの前は街の中心広場。一国の首都とは思えないのどかさです。広場奥に建つのは大統領宮殿。
まずは腹ごしらえ。本当は現地人の行くようなローカルな市場の食堂で食事をしたいところですが、社会人になるとどうしても保守的になってしまい外国人向けのレストランへ。まさかギニアビサウまで来てプレミアリーグの試合をライブで見られるとは思いませんでした。
この食事とスプライトの缶で1,000円。とても現地の人々の手が届く価格ではありません。
お腹を満たしてから散歩再開。
"DESFRUTA DA QUALIDADE DO JAPÃO"と、日本の電化製品が高品質であることはギニアビサウでも認知されているようです。
ポルトガル語圏ということもあり、この国で存在感が強いのはブラジル。大使館とは別に文化センターも設置されています。東ティモールやカーボベルデを訪れた時も感じましたが、ブラジルはこうしたポル語圏の国々に対する支援活動を国策として積極的に行っている印象です。
この国も他のアフリカ諸国の例に漏れず、写真の撮影にはかなり気をつかいます。政府関係の施設の撮影はもちろん、一般の人々の間でも写真に自身が入り込むのを極端に嫌がる人が他の地域に比べて格段に多いので、人が密集するところではなかなか写真が撮れません。
町市場に行ったのですが、写真を撮るにはこの距離が精一杯。製造業がほぼ皆無なこの国では、売っているのはほとんど全て輸入品でした。
市内にはスーパーも何店かありますが、地元の人々には手が届かないものばかりで客はほとんどいません。
ここは店主が熱心で、私が店内をウロウロしていると現地人スタッフに指示をしてバスケットを手渡したり、私がチェックした商品のいくつかに値札が貼っていないのを見るとスタッフの怠慢を叱責したりしていました。欧米式のスーパーや値札という文化に触れたことがない現地人を雇ってこれに慣れさせるのは簡単なことではなさそうです。
それにしても、路上の露店を除くと、この国のビジネスはほとんどが外国人で回っているという印象です。宿泊したホテルはアンゴラ人、昼食で寄ったレストランはポルトガル人、このスーパーはレバノン人、街角のキオスクはモーリタニア人の経営でした。教育水準の低い後発発展途上国では自国民がビジネスに必要なスキルを身につけることが難しく、いつまでも国民が豊かになれないだろうことは容易に想像がつきます。
ぐるっと町を歩いていると港に出ました。ただ、当然港も撮影禁止対象。うっかり撮影しようものなら腐敗警官に難癖をつけられる恐れがあるので、港が写らないように細心の注意を払います。
港入り口にはSNACK - SUSHI & QUICK FOODという看板のレストラン跡がありました。かつてはここで寿司が振る舞われていたのでしょうか。とても考えられないですが。
同じく港入り口にあった共産主義の匂いを感じさせるモニュメント。独立当初は親ソ連政権だったので、その頃の名残でしょう。
港からホテルへ戻る途中に大きな教会がありました。もしかしたらホテルが建設されるまではこの教会がビサウ一高い建物だったかもしれません。
町の中心ですが、ところどころにこうした廃墟があります。こういった建物が残っていると一気に町の景観が損なわれますが、撤去するだけの資金もないということでしょうか。
ATMでお金を引き出すと、新札が出てきました。ギニアビサウは西アフリカ諸国共通通過のCFA Franc(セーファーフラン、現地ではただ単にフランと呼ばれることがほとんど。)を使用しており、多めに引き出しておいても国境を跨ぐ毎に両替する必要がないので、旅行者にとっては嬉しいところ。レートは1ユーロ = 約656フランで固定されています。
ちなみに、街中で出回っている紙幣は基本的にこんな感じ。触ると衛生面で不安になるレベルです。
こんな感じで、半日かけたビサウの町歩きも終了。観光資源が全く無く、ビジネス環境も整備されていないこの国には、世界全カ国制覇を目指す旅行者か援助関係者くらいしか訪れることはないでしょう。日本に居ると全く情報が入ってこない土地をぶらぶらするのは興味深いですが、1日で十分という感じです。
ギニアビサウは早足ですがこれで終わり、翌日はガンビアへと移動します。