Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

3日目:キナバル山登山+Via Ferrata (1) 登山口〜ペンダントハット

この旅行の主目的であるキナバル山登山。ここに登る場合、初日に標高1,900mの登山口から3,300mの山小屋まで登って1泊し、翌日は早朝に4,095mの山頂までアタックした後、登山口まで下山するというのが一般的なスケジュールです。

今回はそれに加え、下山途中でヴィア・フェラータというワイヤーを使った岩下りのアクティビティにも参加することに。垂直に切り立った岩肌をロープを頼りに下っていく、なかなかスリリングなアクティビティです。

キナバル山は富士山等の日本の山々と違い、入山には現地ガイドを雇うことが必須条件になっています。今回はヴィア・フェラータを運営しているMountain Torqに諸々の手配を全てお願いしました。入山料、ガイド、山小屋、食事(4食)、ヴィア・フェラータ、登頂証明書、コタキナバルから登山口までの往復の移動手段等全て込みで約7万円と決して安くありませんでしたが、一度は登ってみたい山だったので仕方ありません。

当日朝は事前の連絡通り、6:30にホテルまで送迎の車が到着。登山口までは車で2時間ほどの移動です。登山口に近づくと、左側にキナバル山が姿を現しました。天候は文句無し。

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8:15に登山口手前の管理事務所に到着。登山者は全員ここに立ち寄り、入山手続きを済ませなければいけません。

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メインの建物の裏側にMountain Torqのオフィスがあります。ここでスタッフにパスポートを渡すと、入山手続きは全て済ませてもらえました。15:30から山小屋でヴィア・フェラータの事前講習があり、これに参加しないと翌日のアクティビティにも参加できないため、必ず15:30までに山小屋に到着するようにとの案内を受けます。これが登山中ずっと頭の片隅にあり、今回の登りは自然とハイペースになりました。

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管理事務所から見えるキナバル山。

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ちょうど森林限界の少し手前あたりに、かすかに山小屋を見ることができます。距離にして約6km先のこの山小屋が今日のゴール。

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手続きを済ませた後にガイドと合流し、再度車に20分ほど乗って登山口へ。

9:18にゲートを出発して登山開始。到着のタイムリミットである15:30までは、6時間ほど時間があります。ゲートから小屋までの平均所要時間が5時間〜7時間とのことなので、あまりゆっくりしていられません。

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最初は100mほどの下り。これが下山時の最後の関門となります。

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歩き始めて5分程で滝の横を通過。この辺りが登山ルートの最低地点。この後はひたすら登りです。

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初っ端からキツい階段が続きます。

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途中このように視界が開けることもありますが、初日はコースのほとんどが樹林の中を歩くことになり、眺望はあまり期待できません。

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途中1km弱おきにこうしたシェルターが設置されており、ベンチやトイレが設けられています。

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一昨年の地震の影響でしょうか、このような立て看板も何箇所かで見かけました。

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4km地点のラヤンラヤンシェルター(標高約2,700m)に着いたのは11:27。2時間ちょっとで4kmを踏破したことになります。残りは2kmなので、とりあえず15:30のタイムリミットには問題なく間に合いそうで一安心し、ここでランチ休憩を取ることに。

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ランチボックスの中身はサンドイッチ、フライドチキンとゆで卵。これに加えてりんごも1つ入っていました。

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30分ほど休憩をして、12:01に出発。ラヤンラヤンを出てすぐ、旧マシラウルートとの分岐点を通過します。以前はキナバル山に2つの登山道があったのですが、2年前の地震以降、こちらは閉鎖されてしまいました。

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ラヤンラヤンを過ぎると登山道の傾斜もより一層急に。標高が上がるに連れて植生も変化していきます。晴れていた空もいつのまにか雲に囲まれてしまいました。

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新たに建設中の小屋の横を通り過ぎればもう少し。

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バンラタ・レストハウスに到達。大半の登山者はここに一泊するのですが、ヴィア・フェラータ参加者はもう少し上にあるペンダントハットまで登らなければいけません。

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バンラタとペンダントハットの間に6kmポストがあります。

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13:57にペンダントハットに到着。前半にペースを上げたおかげもあってか、平均所要時間を下回る4時間39分で歩ききりました。

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まずはレセプションでチェックイン。部屋はまだ掃除中だから待っているようにとのこと。

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ラウンジエリアで部屋が空くのを待ちます。紅茶やコーヒーは飲み放題のほか、入り口で登山口を脱いで指定の部屋履きに履き替えないといけないこともあり、山小屋とは思えない清潔感です。

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トイレもこの清潔さ。山小屋とは思えません。

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暇つぶしをしたい人のためにカードゲームやボードゲームも揃っています。

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14:30頃、清掃が終わったようで部屋へ案内されます。10人前後が泊まれる大部屋が数部屋あり、各人は部屋のみを指定された上で、ベッドは早い者勝ちで好きなところを取っていく方式。早めに着いたこともあり下のベッドを無事確保しました。ペンダントハットでは各ベッドに寝袋が備え付けられています。

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天井にキブラ(メッカの方角を示す矢印)があるのはさすがマレーシア。

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15:30になってもまだ到着していない人がいるとのことで、結局ヴィア・フェラータの事前講習が始まったのは16:00頃。時間制限はある程度は柔軟なようです。

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まずは座学でコースの説明や注意点を受けた後、実際にハーネスを装着してカラビナの取り扱い等を練習します。正直、この練習だけで使い方を覚えるのは無理がある気がするのですが、翌日の本番でも復習する機会があるので、こんなものかと思って説明を聞いておく程度で問題ありません。

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講習は最後に一人一人が誓約書を記入して終了し、その後は早めの夕食タイム。夕食はペンダントハットではサーブされず、ラバンラタ・レストハウスまで降りていく必要があります。

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ビュッフェスタイルで、種類も山小屋とは思えないほど豊富。

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食事が終わってもまだ7時前。暗くなる前にペンダントハットに戻り、翌日に備え8時前には就寝。

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【登山1日目・コースタイム実績】

1日目 登山口〜ペンダントハット
8:52  管理事務所出発
9:18  登山口出発
9:46  Ubah Shelter通過
10:12 ~ 10:20  Lowii Shelter休憩
10:54 ~ 10:58  Mempening Shelter休憩
11:27 ~ 12:01  Layang Layang Shelter休憩・ランチ
12:38 ~ 12:48  Villosa Shelter休憩
13:08 ~ 13:15  Paka Shelter休憩
13:57  ペンダントハット到着