もともと長く滞在する予定ではなかったサンティアゴ島。どうしても時間が余ってしまいます。前日の夜に何をすべきかとガイドブックを読んで情報収集していたところ、内陸部にあるセラ・マラゲータ国立公園でハイキングができるとの記述を発見。もともと山歩きは好きなので、これでこの日の予定も決まりました。
朝8時過ぎにホテルを出発し、ミニバンで国立公園入り口まで向かいます。今回のミニバンはすぐ出発はしたものの、プライアのメイン通りを行ったり来たりしながら満員になるまで乗客を探すスタイル。結局プライア市内を出たのは9時頃。途中アッソマーダの町でミニバンを乗り換え、10時半頃に入り口へ着きました。
入り口から2分ほど車道を下ったところに事務所があり、そこで入場券を購入してパンフレットを受け取ります。入場料はメモをし忘れてしまいましたが、確か500CVE程度だったはず。それほど高くはありませんでした。ここもシダーデ・ヴェーリャと同様、事務所に寄らずにコースに入っても多分バレません。
入り口の地図でコースを確認。紫色→オレンジ色のコースを辿ってHortelãoの町まで下るルートを歩くことにしました。
それぞれのコースの入り口にはコースの概要を記した標識があり、紫色のルートはEASTERN TRACKという名前で、標高差は100m程度とアップダウンのあまり無い平坦な道のりであることがわかります。
最初のうちはコースも広め。これなら迷いようがありません。
基本的には尾根伝いにコースが続いているので景色は最高。ミニバンで登ってきた道が見えます。
途中、企業が社会貢献活動として植林をしているエリアがありました。カーボベルデで企業がこうしたCSR活動をしているのは驚きであり、社会がそれなりに発展している証拠です。
しばらく歩くと、遠くにうっすらと雲の上から突き出たフォゴ島の火山が見えました。本当だったらあの頂上に登っていたはずです。
1時間ほどで今日のコースの最高地点(標高約970m)につきました。なかなかの絶景。奥に見えるのはサンティアゴ島最高峰であるアントニア峰です。
途中には休憩小屋のようなものも建っており、国立公園ということでそれなりに整備されています。
ここではキャンプもできるようです。
1時間半ほど歩いて12時頃、鉄塔に到着。ここで紫色のルートは終わりです。
鉄塔からは反対側の海岸線が見渡せます。目指すゴールであるオルテランの町は、写真左側に見える、河川敷が少し広くなっている箇所の横にあります。
鉄塔の横にあるのがオレンジ色コースの入り口。オルテランまで標高差にして700mほど下ります。ここから道が一気に細くなり難易度も上がるので、ここで引き返して紫色コースを戻るのもいいかもしれません。
このコースの最初の部分は道があまりクリアに示されておらず、分岐がいくつかあって迷いやすいです。鉄塔から見えた地形をしっかりと頭に入れて、別の谷に下りていかないように注意しながら下る必要がありました。ポイントは、あまり巻きすぎずに直降する道を選ぶこと。
ちなみに、コースは藪の中のような場所を進んでいくので、ハーフパンツだと膝下に雑草がかなり当たります。幸いかぶれるようなことはありませんでしたが、気になる人はハーフパンツはやめた方がベターです。
段々畑が見えてきたら人家に近づいてきた証拠。
最初の人家を通り抜けると、道筋が見えるようになりました。ここまで来ればもう迷う心配はありません。
途中で集落をいくつか通り抜けますが、人が誰も住んでいない打ち棄てられた集落もありました。まだ雑草に飲み込まれてはいないので最近放棄されたばかりなのでしょう。こうした集落を通り抜ける時は少し不気味な気分になります。
人が住んでいる集落でも、たまに外国人観光客に対していい感情を持っていない人もいたりするので、写真は遠目にしか撮れませんでした。ここはもう国立公園外で、自分の私有地を言葉の通じない外国人がノコノコ歩いていたら良い気分はしないというのは理解できます。
ただそうした人でも、Feliz Ano Novo! (Happy New Year!)と言うととりあえずニコッと笑ってFeliz Ano Novoと言い返してくれます。ちょうど新年のタイミングだからこそ出来た小技です。
下るに連れて道幅が広がっていきます。
下り始めて1時間半、13時半頃にやっとオルテランの町が見えました。
13時45分オルテランに到着。3時間ちょっとのトレッキングでした。
ここで30分ほど待ち、やってきた車で近くの大きな町であるカリェータまで向かいます。こうした幹線を外れたルートはミニバンではなくトラックの荷台に乗るのが主流のようです。
犬も乗っていました。乗客の飼い犬ではないようですが、誰も気にしていません。
カリェータまで45分ほど。そこでミニバンに乗り換えて、17時頃にプライアへ帰着しました。