Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

アメリカ観光ビザ取得手続き

年明け頃から始まった、アメリカ合衆国ESTAを利用した入国の厳格化。2011年3月以降に、イラン、イラク、シリア、スーダンリビアソマリア、イエメンの7カ国への渡航歴がある旅行者は、ESTAを使った入国が出来なくなり、事前のビザ取得が必要となりました。

私の場合イランとイエメンへは渡航歴があるものの、訪れたのが2011年以前のため問題とはなりません。しかし、今年5月に渡航したソマリランドはどういう扱いになるのでしょう。

私のパスポートに押されている出入国スタンプには、ソマリランドと明記されており、ソマリアへの訪問を示すようなものは何もありません。一方、アメリカ政府はソマリランドの独立自体を認めていないので、ソマリランドソマリアの一部との考えから、ソマリランドの出入国スタンプを以てソマリアに訪問したものと見做してくる可能性もあります。

念のため、アメリカ大使館に確認をしてみましたが、「大丈夫だとは思うが不安だったら事前にビザ申請をするように」との何とも心許ない回答。早速7月には夏休みを取ってアメリカ経由でペルーに行くことになっているのですが、アメリカまで行って入国審査で追い返されては目も当てられません。念のために事前に観光ビザを取得しておくことにしました。

 

ビザ申請の細かい手続きは、大使館のホームページに動画付きで詳しく掲載されていますが、大雑把なフローとしては以下のような流れです。

①ビザ申請書をインターネット上で記入し提出。

②クレジットカードでビザ料金を払い、大使館での面接日時を予約。

③面接に必要な書類の準備。

④大使館にて面接、その場でビザ発給の可否が決定。

 

①は記入箇所が非常に多く、今までビザを取得した国の申請書とは項目数が比べものになりません。特に過去5年間に渡航した国を全て記入させる項目が私の場合は厄介です。過去の旅行記録と照らし合わせながら入力していたら優に1時間はかかってしまいました。

 

②は非常に簡単で、①が終わった後も画面の指示に従って操作を続けていけば、すぐ支払いが完了し、日時予約の候補が表示されます。平日の午前中しか指定できないようで、最短で10日後くらいから予約が可能でした。

 

③では、ただの観光ビザにもかかわらず、以下のものを補足書類として面接までに準備する必要があります。

 (1) 現在の収入、納税、財産、事業所有権、資産の証拠書類。

 (2) 予定している旅行に関する旅程表やその他の説明。

 (3) 職位、給与、勤続年数、休暇許可、米国への旅行に際して仕事上の目的がある場合がある場合はその目的、を詳述した雇用主の書簡。

ホームページ上の記載が若干曖昧で、補足書類は必ず全て準備する必要があるのか、あくまで"補足"なので任意提出なのかよくわかりませんでしたが、(1)は銀行通帳の最新ページのコピー、(2)はエクセルで作成した旅行スケジュールと航空券の予約画面のコピー、(3)は日本で定職があるという証明が出来ればいいのだろうと考え、最新の給与明細と写真付き社員証のコピーを準備しました。

 

④面接は朝8:30からの予約を入れました。8:15頃に大使館に到着し、空港のような荷物検査を通過した後に待合室で書類を提出し順番を待ちます。

私の場合は比較的早く、9:00前には呼ばれて面接を受けました。いつもアメリカ入国時は別室送りになり過去の渡航歴について細かく質問を受けているので、今回もいろいろ突っ込まれるかと思いましたが、何のためにソマリランドに行ったのか、ソマリランドで過激派(extremist)と接触したかというようなお決まりの質問のみ。たった2~3分でビザを発給するとその場で伝えられ拍子抜けでした。③の書類が要求を満たしているかどうか若干心配だったのですが、それも審査官の目には全く触れないままでした。

 

正直、今回のESTA制限に引っかかった旅行者の観光ビザ申請は、非常に形式的な手続きのような印象です。多分、今回のESTA制限は欧州パスポートを持つイスラム教徒が米国内でのテロ等を実行するために入国することを食い止めるのが目的であり、日本人については、きちんと申請さえすればほぼ確実にビザは出るのではないかと予想します。

 

面接から3日後に、自宅へパスポートが返送されました。10年有効のB1/B2ビザが発給されていたので、当分アメリカ入国に困ることはなさそうです。