Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

5日目:フナフティ散策 (1) 島の北側方面

宿から空港までは送迎を頼んでいたのですが、空港を出たのが一番遅かったせいか、既に迎えの人はおらず。ただ、徒歩でも10分ほどの距離なのでまあいいかと思い歩き始めると、途中でバイクに乗ったおばちゃん警官に呼び止められ、後ろに乗せて宿まで送り届けてもらえました。到着して早々にツバル人のホスピタリティに触れることに。

宿泊したのはL's Lodge。ツバルの宿泊施設で唯一、Booking.comから事前予約が可能なところです。

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バストイレ共同で1泊54豪ドル(約4,500円)。ツバルドルは豪ドルと等価なので、国内で豪ドルが問題なく使えます。ただし、クレジットカードはこの宿に限らず国内では全く使えず、ATMも無いため十分な現金の量を持ってくることが必須。

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部屋に荷物を置いたら、宿のガレージにある自転車をレンタル(10豪ドル/日)して、早速島の探検を開始。

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今回滞在しているフォンガファレ島は南北方向に細長い島なので、今日はとりあえず北側を攻めてみることに。

街中では、外にいる子供たちの多さがやはり目立ちます。学校が終わったら外で遊ぶというのが基本のよう。

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クールな自転車を乗りこなす女の子。

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鶏を素手で捕まえてキスする男の子。日本の小学生でこんなことが出来るのは何割もいないでしょう。

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ツバルには大型の人工構造物を解体する仕組みが無いのか、寿命が来たものはどれもそのまま打ち捨てられています。これは漁船でしょう。

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放課後に海で泳ぐ子供たち。ツバルは旧イギリス領だったおかげで子供でもベーシックな英語を解すので、意思疎通には困りません。

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もっと古そうな機器類も放置されています。

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イリノイ州シカゴのNorthwest Engineering Co.と書いてありました。後で調べたところ、第二次世界大戦中に滑走路整備のために米軍が持ち込んだブルドーザーだそう。ツバルは太平洋戦争において米軍のベースの一つだったようなので納得。

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言われてみればブルドーザーに見えないこともないかもしれません。

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先ほどのブルドーザー以上に原型を留めていない機械。言うなればこの島自体が大型機器の墓場のようなところです。

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これは漁船でしょうか。

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もう少し新しそうなものだと、このジプニー。

ジプニーと言えば、言わずと知れたフィリピンの乗り合いバス。どういう経緯で来たのかわかりませんが、フィリピンで使われなくなった車体が中古車としてツバルに持ち込まれ、一時はこの島で公共交通機関として活躍した時期もあったのでしょう。

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もう風化によって判別が難しくなってきていますが、Manila Philippinesと書いてあるのがわかります。

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車体にはツバルのインターネットカフェの広告も。これはこのジプニーがツバルで活躍していた時代のものでしょう。そんなに古くはなさそうです。

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ジプニーが打ち捨てられているのは海岸線のぎりぎりのところ。もう少し経つと海の侵食で流されてしまうのでしょうか。

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ツバルと言えば地球温暖化によって世界で最初に沈む国と言われていますが、たしかに海岸の土壌侵食は深刻なよう。

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多くの場所で木々の根が露わになってしまっています。

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市街地から北へ2kmほど行ったところにあるのが港湾設備。ツバルへの物資は基本的に全てこの港に陸揚げされます。

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この港は日本の無償援助で2009年に建設されたとのこと。その名もNIPPON WHARF。

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これは沿岸警備艇でしょうか。基本的に国防はオーストラリアやニュージーランドに依存しているはずですが、自前の艦艇も一応持っているようです。

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沖合には意外と何隻かの船が停泊しています。まさか打ち捨てられているわけではないと思いますが。

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港も子供たちにとっては遊び場です。

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燃料類も当然全て輸入。

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ヤシの木以外は大した木も生えていないので、建設資材も全て輸入。

ツバルは輸出品がほとんど無い中で、どこからこうした品目を輸入できるだけの外貨が生み出されるのかと不思議に思うところですが、他国船舶へのツバル領海での漁業権貸与によって最低限の外貨を稼いでいるとのことです。

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細長い島なので、本当に一本道しかありません。

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一番細いところではこのくらい。コンクリートで補強された形跡があるので、ハリケーンか何かの影響を受けて寸断されたことがあるのかもしれません。

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途中でゴミ収集のトラックに追い抜かれました。島の北端にはゴミ処理場があるとのことなので、そこへ向かっているのでしょう。

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この国では仕事もほとんど無く、昼からのんびりと横になっている人が多いのですが、それでも生活が成り立つのはすごいところ。アフリカの最貧国と違い、海で魚は獲れるし、陸ではタロイモの栽培をしているし、木にはヤシの実がなっているし、ということで飢える心配は無さそうです。

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なにやら樹液を集めているようなペットボトルが木にぶら下げられているのを数多く見かけました。飲用かどうかは不明。

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北のはずれにも小学校がありました。

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どうやら、Lonely Planetにも記載のあったツバル独特の球技である"テアノ"(Te Ano)を行っている様子。ロンプラでも部外者には全く理解不能なルールと書いてありましたが、まさにその通り。理解できたのは2チームに分かれること、ボールを相手の陣地に投げ返すバレーボールのような競技であること、ボールは同時に2つ使われること、くらい。

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市街地から約7kmで北端のゴミ処理場に到着。

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"DUMPSITE"なので、処理場よりは投棄場と行った方が正しそうです。連絡先のメールアドレスがGmailなのがいい感じ。

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そのまま中へ。本当にただゴミの山があるだけ、というところです。

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廃車もここに投棄。

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とにかくすごい量のゴミ。プラスチックは自然に溶解することはないのでいくら長い期間放置しておいても無くなるわけではないのですが、処理設備が無いのでどうしようも無いのでしょう。こういった小国でも簡単に処理できるような素材が開発されるような抜本的な技術革新が無い限り、解決の目処はなさそうです。

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幸い?奥の方はまだゴミ投棄がされておらず、スペースにはまだまだ余裕はありそう。

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さらに奥へ進むと、道も無くなり樹林帯へ。ここからは自転車を駐輪して徒歩で進みます。

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そしてフォンガファレ島の最北端に到着。なにやらコンクリートの構造物がありますが、既にこれも利用されている気配は無く用途は不明です。

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奥に見えるのは隣のアマトゥク島。漁師を育てる国営の漁業学校がある島です。ここも干潮時には歩いていけそうですが、あいにく今は無理。

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北端までのショートトリップを終えて、市街地へ戻ってきました。

日暮れどきになると、ツバルの若者たちが連れ立って出かける先があります。それは空港の滑走路。

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フライトは週3便でしかも昼時しかなく、離着陸時以外は地元住民に開放されているのです。狭い島ではこのような広々としたスペースは他に無く、若者や子供たちにとっては絶好の遊び場。

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小さい子供たちはお手製の剣と盾で戦いごっこ。基本はみんな裸足のこの国では、昼時はアスファルトが熱すぎるので、夕刻になってから集まり始めるようです。

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もうちょっと年齢が上がった若者たちはサッカーの練習。こんな小国でも一応代表チームがあり、他の太平洋諸国と時たま試合も行っています。

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もう一つポピュラーなスポーツがバレーボール。ちょうどこの日はチーム対抗試合が行われていました。主審に加えて線審も4人おり、本格的な試合です。

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日の入り前、雲行きが怪しいなと思っていたらあっという間に豪雨に。幸い滑走路からホテルまでは100mほどしかないのですぐに帰還。

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子供たちは傘が無くとも気にするそぶりは全く無し。

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夕食は同宿の人と一緒にツバルの元国営ホテルが運営するレストランへ。

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ここの建設は台湾の支援。ツバルは世界でも数少ない台湾と国交を持つ国です。

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メニューは3種類程度でしたが、その中から唯一国産品と思われる魚を選択。それでも添えられたポテト、ミックスベジタブルは当然輸入品。そういえば、この島ではほとんど生野菜を見ないことに気づきました。

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5日目:フィジーエアウェイズ FJ281 スバ〜フナフティ ビジネス

今日は今回の旅のメインイベントであるツバルへと向かう日。スバの空港は実際には隣町のナウソリに位置しており、泊まっていたスバ市内のHoliday Innのからはタクシーで所要時間30分、25フィジードル(=約1,250円)でした。

フィジーの首都空港ですが、長い滑走路で大型機も着陸可能なナンディの空港にハブ空港としての立ち位置は取られており、こちらは一地方空港といった雰囲気。

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それでも、トンガの空港とは違い、きっちり優先チェックインカウンターも用意されています。

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遂にフナフティ行きのフライトに乗る機会がやってきました。ここ数年ずっと行きたい国リストの上位に名を連ねていただけに、このプレートを見ただけで感慨が。

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チェックインを済ませても、出発予定時刻の1時間前になるまでは保安検査場は開きません。それまではチェックインカウンターの横にある食堂で朝食。このフライドチキンは完全にケンタッキーの味と同じでした。衣の粉が横流しされているのではないかと疑ってしまうほど。

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ホテルで入手した新聞を読んでいると、MaxValuの広告が目にとまりました。イオン系のスーパーだったと思いますが、フィジーまで進出しているとは。下部の店舗一覧を見るとそれなりの規模のようです。

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保安検査場が開いたので制限エリアへ。

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ビジネスクラス利用ですが、この空港もラウンジは無し。アジアや欧米では国際線が飛んでいるような空港であれば普通はラウンジがあるものですが、南太平洋ではそうした常識は通用しません。

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今日の便も昨日と同じくATR72-600。欠航が多いことで悪評のツバル便ですが、今日は無事飛んでくれそうです。

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優先搭乗で機内へは一番乗り。後部から搭乗するのでなんとなく違和感があります。

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小さい機体なので搭乗もすぐに終わり、そのまま離陸。

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すぐにフィジー本島を離れて海上へ。青のグラデーションが目を惹きます。

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水平飛行に移ると、まずはツバルの入国カードが配られました。イミグレ、税関、検疫x2で全部で4部にわかれており、記入箇所は多め。

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続いて配布されたのは、機内エンタメとしてiPadとヘッドホン。昨日のトンガ便では配られなかったので、距離次第ということなのでしょう。

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コンテンツは映画とテレビ番組がそれぞれ20本ずつ。驚いたことに邦画も1本(鎌倉ものがたり)入っています。

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その後はミールサービス。まずは離陸後ではあるもののウェルカムドリンクからスタート。スプライトにフルーツを入れただけだと思われますが、南国らしさの演出には成功しています。

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メインはスクランブルエッグかベジタリアンの2択。前者にしましたが、朝なので内容としてはこんなものでしょう。

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出発から2時間強で、生憎の天気ではありますが何とかツバルの島々が視界に入ってきました。

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さらに高度を下げると良く見えてきます。どうやら干潮の時間帯で水位が下がり、島同士が陸続きになっているようです。

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この感じだと歩いて島同士を渡れるかもしれません。

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写真右奥は晴れている一方で左奥は集中豪雨に見舞われているかのよう。天気は変わりやすいようです。

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更に高度を下げて着陸寸前には、集落も見下ろせました。小さい島とはいえ、そんなに人口密度が高いわけではなさそう。

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到着。幸い雨は止んだ後のようでした。

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この便でもやはりビジネスクラスの乗客は降機が一番最後になってしまうため、イミグレの列も最後尾。まあ、ツバルまで来て5分だか10分の時間のロスを気にするなんてバカらしいので、特に問題無し。

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この空港ターミナルは最近改築されたばかりのもの。2018年2月28日開業なので、このタイミングではまだオープンから2ヶ月しか経っていない出来立てです。

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こちらが今まで使用していた旧ターミナル。こうやってツバルも少しずつ近代化していくのでしょう。

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4日目:フィジーエアウェイズ ナンディ〜スバ バス振替輸送

フィジーに入国を済ませたら、国際線ターミナルから国内線ターミナルへ。別の建物ですが隣同士に建っているので、表示に沿って行けば歩いて移動が可能です。

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国際線ターミナルはまだ改築されて間も無いと思われるインターナショナルスタンダードの建物ですが、その隣りにある国内線ターミナルはまるで倉庫のよう。

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建物の中に入るとすぐ目の前がチェックインカウンター。トンガの空港での一連の出来事から想定はしていましたが、案の定スバ行きの便はオーバーブッキングになっているとのことでした。私と同じように、元々トンガからスバ行きの便を予約しておりキャンセルでナンディ経由に振り替えになった人は、団体客以外はほとんど同じ目に遭っている様子。全部で10人ほどいるらしく、特にインド系の人たちはカウンター前で粘っています。私はとりあえず様子見。

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結局、スバ行きのフライトの空きがあるのは21:00発の最終便しかないということで、それは時間が遅すぎるのでフィジーエアウェイズの方でスバまでのバスを手配してくれることになりました。通常の長距離バスへの振り替えではなく、オーバーブッキングで乗れなかった10名だけの貸切バスです。こういうことはよくあるのか、あっという間にどこからかバスが現れました。

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出発の前に、フィジーエアウェイズからバーガーキングで使用可能な30フィジードル(=約1,500円)分のミールバウチャーが配られ、テイクアウトで各自食べ物を調達してバスの中で食べるようにとの指示がありました。

フィジーは英国領だった時代にインドから労働者が送り込まれた影響で、今でも人口の4割がインド系。このバウチャーの使い方一つとっても、フィジー系の人たちは大雑把に買いたいものだけ買っているのに対して、インド系の人たちはレジのカウンターを長々と占拠して30ドルぴったりになるように商品の組み合わせを考えて粘っているあたり、民族性の違いが垣間見られて面白いところです。

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バスは14:30頃出発。ナンディはビティレブ島の西側にあるのに対してスバは東側。ちょうど島の正反対に位置しているので、島の南側を半周してスバを目指します。

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ナンディの街を過ぎると、たまに海が見える以外は基本的に景色が代わり映えしない緑地帯の中をひたすら進みます。路面状態は問題無く快適だったこともあり、行程の半分以上はうたた寝をしながら過ごしました。

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18時頃、スバの市街地に到着。ナンディからの200kmを3時間半で走破したことになります。

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バスの停車地点はちょうど今日宿泊予定のHoliday Innの真正面でした。

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ここのHoliday Innは普通に予約すると1泊2万円近くするのですが、ポイント利用だと15,000ポイントで泊まれます。IHGのポイント価値はだいたい1ポイントあたり0.6~0.7円程度でしょうから、ポイント宿泊だとかなりお得。

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スバは夜間の治安があまり良くないことで有名なので、この日はチェックイン後は外に出ずに大人しく部屋で翌日以降のプランニングをして過ごしました。

4日目:フィジーエアウェイズ FJ210 ヌクアロファ〜ナンディ ビジネス

空港に着いたのはフライトの2時間前。小さい空港なのでこんな早くに到着する必要も無いのですが、元々は午後のスバ行きの便を予約していたにも拘らず、前々日にメールで予約便のキャンセルと午前中のナンディ行きの便への振り替えを通知されたという経緯があったため、念のため早めに到着しました。

それでも既にカウンターには行列。当然優先カウンターなど無く、20分ほど列に並んでようやく自分の順番が来たのですが、対応してくれたスタッフの女性にパスポートを渡すと、彼女はパソコンをいじりながら曇り顔です。どうしたのかと聞くと、振り替えされた際にフィジーエアウェイズが航空券の再発券をしていないため、チェックインが出来ないとのこと。どうやら他にもそういう乗客が何名かいるらしく、ここでは手続きが出来ないのでまとめてフィジーの本社に電話をして再発券をしてもらうようにするとのことでした。

結局、無事に再発券手続きは完了したようで、更に30分ほど待ってから再度カウンターに案内されました。その際にコンピュータからはトンガ〜ナンディとナンディ〜スバの2区間分のボーディングパスがそれぞれ印刷されたのですが、後者の国内線区間の搭乗券の文字には大きくSBY(=スタンバイ)の文字。これはどういうことかと質問しようとする前に、スタッフにそのボーディングパスは破り棄てられ、ナンディ行きのボーディングパスのみが手渡されました。スバ行きの国内線はナンディで再チェックインするようにとのことでしたが、なんとなく嫌な予感。

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結局空港に着いてからチェックインが完了するまで1時間近くかかりました。チェックインカウンターはオープンエリアだったので暑かったですが、制限エリアは冷房付き。ラウンジは無いので、ゲート前のベンチで一休みです。

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オンタイムで搭乗開始。ボーディングブリッジどころか乗客輸送用のバスも無く、歩いて機体まで向かいます。

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機材はATR72-600。日本では見ない機材です。

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座席配置は2-2でビジネスもエコノミーもシートは一緒。最前の2列がビジネスクラス扱いですが、A320B737と違い中央列も無いので、欧州域内便のような隣が空席というメリットすらありません。しかも、ビジネス乗客は私を含めて元々2人しかいなかったのですが、スバ便のキャンセルも影響でインボラ客が続出して結局満席に。隣りが細身の若者だったのがせめてもの救いです。

座席には枕が予めセットされていました。

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搭乗が終わると、他の便の離着陸を待つようなこととは無縁のこの空港のことなので、すぐに離陸。トンガタプ島は本当に平坦で起伏が全くありません。最高地点でも65mしかないそうです。

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機内食はメニュー等は無く、口頭での確認。ラムカレーかマヒマヒ(南太平洋で良く見かける白身魚。日本語ではシイラ)の2択だったので、前者をチョイス。国際線とはいえ羽田〜新千歳より短い距離のフライトだと思えば頑張っている内容でしょう。クルーも感じが良く、ドリンクのリフィル等も何度か回ってきました。

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フィジー本島が近づくと、海面にも小島が増えてきます。

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フィジー本島(ビティレブ島)は面積にしてトンガタプ島の5倍。平坦だったトンガと違い、内陸部は山がちの地形です。

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ナンディに到着。フィジー航空のエース機材であるA330の隣りに駐機することになりました。

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こちらが乗ってきた機材。搭乗タラップが機材後方にしかないため、ビジネスクラスの乗客は、エコノミー客が降りてから一番最後に降機することとなります。

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オープンエアのブリッジを歩いて入国審査へ。南太平洋諸国の中では最大規模の空港ですが、それでもローカル感が漂い到着時点から南国気分にさせてくれます。

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4日目:ヌクアロファ町歩き (2) トンガの平日

週が明けて月曜日。本来であればこの日の夕方発のフライトで出国の予定でしたが、2日前になって航空会社からキャンセルの連絡がメールであり、11:20発の便に振り替えとなってしまいました。そのためほとんど時間はなかったのですが、平日の市内の様子をみようと、朝に少しだけ町歩きに出かけることに。

昨日ミサで賑わっていた教会は、子供達の待ち合わせ場所になっていました。学校が近くにあるわけではなさそうだったので、通学バスでも待っているのでしょうか。

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メインストリートは車の往来も幾分増え、昨日よりは活気が出てきています。

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バスターミナルでもバスが発着していました。当初の予定では、この日は路線バスに乗って島内各地を巡る予定だったのですが、それも叶わず。

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王宮の近くにあるのは、トンガ自由教会。19世紀に建てられた荘厳な教会なのですが、、、

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今年3月に襲来したハリケーンの被害をまともに受けてしまったらしく、窓ガラスがほとんど吹き飛んでしまっている状態でした。当然入館禁止で外から眺めるのみ。

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続いてはトンガの中央市場であるタラマフ・マーケット。市場なら朝から賑やかかと思いきや、数店舗がやっと営業を始めた程度でまだまだ静かでした。トンガ人は朝はゆっくりする気質なのでしょうか。

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生鮮食品だけではなく、このような民芸品コーナーもあるので、お土産探しにももってこい。押しの強い感じでは無いので、ゆっくりと見て回ることが可能です。

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町中のショップも今日はオープン。昨日は閉まっていたので気づかなかったのですが、こうした商店を経営しているのはほとんど全て中国系の人々です。

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こうした雑貨店も中国系の経営。政府レベルの融資等の支援だけではなく、既にトンガの民間レベルでの経済もかなり中国に牛耳られているような印象でした。

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ちなみに、旧英領の左側走行国家なので中古車はほとんど日本製。Lonely Planetでは、日本と中国がトンガで支援合戦などというコラムが掲載されているのですが、実際に日本が存在感を出せているのは自動車くらいのものです。

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2時間ほど市内をぶらぶら歩いた後、ホテルに頼んだ送迎(40パアンガ)で空港へ向かいました。

3日目:パンガイモトゥ島ぶらぶら

ヌクアロファの中心部から海岸沿いを東に向かって15分ほど歩くとパンガイモトゥ島行のボート乗り場に到着。ガイドブック曰く、日曜日のヌクアロファは街全体が静まり返ってしまうので、現地の人達にとってもパンガイモトゥ島は定番の遊び場のようです。

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平日は他の島へ行く船もあるのですが、日曜に運航しているのはこのルートだけ。

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平日は1日往復なのに、日曜だけ本数が多いことがわかります。運賃は往復で50パアンガ(=約2,500円)と安くはありませんが、現地でのランチも込みの値段。

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12時発の便で出発。海の色が日本で見るものとは全く違います。

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乗船時間は10分ほどであっという間にパンガイモトゥ島に到着。ビーチに廃船が沈められており良い雰囲気を出しています。

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海の水は透明度もありそう。地元の人や欧米人観光客は海に入って泳いでいる人が多くいます。

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上陸。島には小さなロッジのようなものが1軒あり、そこがボートも運営している様子。

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まずはロッジのレストランでランチにすることに。ラムカレーかフィッシュアンドチップスの2つから選ぶことが出来たので後者を。

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ドリンクは有料。IKALE LAGERという名のトンガの地場ビールです。

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ゆっくり食事をした後に、散策開始。小さい島なので、一周歩いて見ることにしました。

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歩いていると、実は砂浜になっているのはボート乗り場の付近だけでそれ以外はむしろ岩場の多い島であることがわかります。

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少し見つけた砂浜のあたりで腰を下ろし、しばし休憩。日本から持ってきた文庫本を読みながら、波の音をバックミュージックにひたすらゴロゴロするという贅沢な時間を過ごしました。

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2時間くらい経ち、ふと気づくと天気が下り坂。明らかに雨雲です。

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雨に降られないうちにとボート乗り場の方まで戻る途中に見つけた十字架。

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島の内部はこんな感じ。特に何かがあるわけではなさそうです。

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ボート乗り場に着いた途端にザッと雨が降り出したので、ロッジのレストランで雨宿り。それでも15分ほどで止み、そのあとはまた晴れ間が。

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時間になったので、16時のボートで帰ります。

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帰り際、例の難破船にはロープがかけられ、地元の若者達が登って遊んでいました。

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夕食は日曜日でもオープンしている中国人経営の中華料理屋へ。彼らがどうやってトンガの法律に触れずに日曜日に営業しているのかは謎ですが、これも閉まってしまうといよいよ食事をする場所が無くなってしまうので助かります。

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Fried Noodleとファンタの瓶で14パアンガ(=約700円)。量は十分、味は見た目通り。

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3日目:ヌクアロファ町歩き (1) トンガの日曜日

 到着の翌日、朝から早速町歩きに出かけます。散歩日和の良い天気。

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とはいえ、この日は日曜日。トンガは世界でも珍しく、国の法律でホテルを除くほぼ全ての商店の日曜日の営業を禁じており、そのおかげでメインストリートでもこの静けさです。

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そんな日曜にトンガの人々がどこにいるかと言うと、教会でした。国民の大半がキリスト教徒で、日曜日の商店の営業が禁じられているのも、キリスト教安息日の考え方に基づいているようです。ヌクアロファ市内にも複数の教会があり、このように特徴的な外見をしたものも。

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ショッピングモールかと思いきや、"MINISTRY OF FINANCE AND NATIONAL PLANNING"の文字。中央省庁とホテルと商店が1つのビルに入っているなんて、さすが南の島の小国というところ。

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このビルの壁に掲示されているのはラグビーナショナルチーム。フィジーサモアと同様、この国でも一番ポピュラーなスポーツといえばラグビーです。

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到着時に空港にATMが無かったので、どうやって現地通貨のパアンガを入手したものかと思っていましたが、市内にはANZのATMがいくつもあり杞憂に終わりました。国際キャッシュカードも問題なく利用可能。

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フィジーエアウェイズのオフィスには、日本就航の案内が。どうやら7月から週3便で就航するようです。南太平洋諸国への旅行がかなり便利になりそう。

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市の中心部を海岸に向かって歩くと見えてくるのは王宮。そう、トンガは王国なのです。

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一国の王宮としてはかなり小さい建物ですが、品がある造りです。王宮に旗が上がっているのは国王が在宅中ということを意味しており、旧宗主国であるイギリスと同じような仕組みになっています。

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王宮の向かいに建つのは、議会などが入居した政府の合同庁舎。

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2017年9月1日に完成したばかりの新しい建物ですが、建設資金は中国政府の融資によるもの。道理でこのような小国には似つかわしくない仰々しい規模になっているわけです。

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海岸沿いにあるのは、Vuna Wharfという名前の埠頭。

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敷地内に人の気配も船の気配も全くありませんでしたが、この掲示の通りで残念ながら中には入れず。

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この埠頭も中国の支援で造られたもの。中国は途上国に対してインフラ支援としてその国の身の丈に合わないような巨額の融資を行うケースが最近目立ちますが、この政府庁舎や埠頭もその良い例でしょう。この埠頭には既に中国海軍の船も何度か寄港したのが確認されており、中国の太平洋進出の足がかりにもなっているようです。

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このイメージのようなクルーズ船がどんどん来るのであれば地元の経済も潤ったのでしょうが、トンガの立地を考えると少し楽観的すぎたかもしれません。

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海岸沿いには津波発生時の避難マップも。トンガ自体では地震は起きないのでしょうが、日本やチリやインドネシアなどの太平洋沿岸諸国で大地震が起きればここまで津波もやってくるので、全く無縁という話ではないのです。

このトンガタプ島は山や丘がほとんど無い平坦な島なので、避難場所に指定されているのも(トンガにしては)高層建築の建物だっりするのが特徴的。

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海岸沿いに道を進むと次に目に入るのがトンガの観光庁

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今日はもちろん閉まっていますが、観光案内所も兼ねているようです。

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敷地内では鶏が駆け回っていたりと自由な雰囲気。

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一般道路の整備も中国の支援です。

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バスターミナルは空っぽ。日曜日は本当にどこにも人がいません。

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トンガで一番大きなホテルのTanoa International Dateline Hotel。外見は古いですが、中は最近リノベーションされたようです。ホテルの名称は日付変更線が近いことに由来しているのでしょう。

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その先にあるのは中国大使館。彼らのこの国への力の入れようを考慮したら当然というべきか、アメリカや日本を凌いでトンガ国内ではダントツで大きな大使館です。

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トンガのお墓は、死者の生前の写真がカラフルなパネルに飾られて随分賑やかです。あたかも選挙ポスターのよう。

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午前中の数時間でだいたい市内中心部は歩き回れる程度の規模。午後は船に乗って近くの島へと向かいます。