Out of Office サラリーマン週末旅行記録

とあるサラリーマンの週末旅行記&搭乗記。2022年より米国在住。

2017年5月 西アフリカ旅行 まとめ

ゴールデンウィークは西アフリカへ。9日間でギニアビサウガンビアセネガルの3カ国を旅しました。

まだ未踏の国が多く残るアフリカ大陸の中で、特に空白地帯になっていたのが西アフリカ地域。東部や南部と違い英語が通じる国が少なく、旅をするには好ましい環境が整っているとはとても言えません。いきなり難易度MAXの国から行くのは躊躇されたので、まずは地域一発展しているセネガルとその周辺国から訪れることに決定。

実際に訪れると、セネガルガンビアでは最低限の観光インフラは存在していた一方、ギニアビサウは本当に世界最貧国というような雰囲気。入国カードに英語版が存在しない国なんて初めてです。今回は旅でリフレッシュするというよりは、良い社会勉強のような旅になりました。

 

【フライト】

往路は昨年発券したキャセイパシフィック航空の欧州発運賃の復路分を利用してパリまで行き、そこから先はロイヤルエアモロッコで別手配をしました。キャセイはいつも安定したサービスで、信頼しているエアラインの一つです。最近業績が良くないようなので、サービス面でのコストカットが進まないことを祈ります。

復路はイベリア航空ダカールからドイツまで戻り、そこから先はブリティッシュエアウェイズ。BAの部分はJALの欧州発運賃で発券したコードシェア便です。GWやお盆、年末年始といった日本発の航空券の運賃が高騰する時期には、普段以上に欧州発運賃のコスト優位性が高まります。

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【旅行記】

1日目:キャセイドラゴン航空 KA397 羽田〜香港 ビジネス

2日目:キャセイパシフィック航空 CX279 香港〜パリ(CDG) ビジネス

2日目:ロイヤルエアモロッコ AT751 パリ(ORY)〜カサブランカ エコノミー

2日目:ロイヤルエアモロッコ AT583 カサブランカ〜ビサウ エコノミー

3日目:ビサウ町歩き

4日目:ギニアビサウ〜ガンビア 陸路移動

4日目:バンジュル町歩き

5日目:セレクンダ町歩き

6日目:ガンビア〜セネガル フェリー+陸路移動

7日目:ダカール町歩き (1)

8日目:ダカール町歩き (2)

8日目:イベリア航空 IB3329 ダカール〜マドリード エコノミー

9日目:イベリア航空 IB3140 マドリード〜デュッセルドルフ エコノミー

9日目:ブリティッシュエアウェイズ BA939 デュッセルドルフ〜ロンドン(LHR) ビジネス

9日目:ブリティッシュエアウェイズ BA5 ロンドン(LHR)〜成田 ビジネス

 

 

9日目:ブリティッシュエアウェイズ BA5 ロンドン(LHR)〜成田 ビジネス

ヒースローでの乗り継ぎは至ってスムーズ。ラウンジに立ち寄る時間はなかったものの、75分で何事もなく乗り継ぎはできました。

この時の成田線に充てがわれていたのは最新機材のB787-9。とはいえ、クラブワールドの座席自体は羽田線に入っているB777と全く同じものです。

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座席は隣りを気にせず通路に出られる7Aを確保。ビジネスクラス6~7列目はミニキャビンのようになっているので静かですが、クルーもあまり通らないため、ウェルカムドリンクや安全ビデオ放映時の画面開きなど、色々と忘れられがちな席でした。

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セーフティーデモも終わって機体が完全にタキシングを始めた後で、ようやく忘れられていたことに気づかれたのか、ウェルカムドリンクが回ってきました。わざわざ持ってきてもらったのでシャンパンを受け取りましたが、3分ほどですぐに回収です。

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離陸。この日はいつもと違い東に向かって離陸するパターン。

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 そのおかげで、ウェンブリースタジアムなどロンドンのランドマークを見下ろすことができました。

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機内食メニューチェック。夕食メインの和風カレーは数カ月前に搭乗した羽田行きにもありましたが、日本路線の定番なのでしょうか。

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朝食のイングリッシュブレックファストも前回と同じ。これはやはりBAの定番ということなのでしょう。

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まずはBAお決まりのout of Africaナッツから。程よい塩味でいつも気に入っています。

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前菜は和食。BAはいつも洋食の選択肢があまり魅力的に思えず、乗るたびに和食を選択してしまいます。まあ、イギリスの航空会社ですから。

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メインは"牛すき煮"を選んだのですが、完全に想定と違うものが出てきました。ただメニューの英語表示を見ると"Grilled fillet of beef with suki ni sauce"と書いてあったので納得。外国での日本語は迂闊に信用できません。

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デザートまでしっかり完食。

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前回搭乗した時も食事のペースはかなりゆっくりだったのですが、今回はさらに時間がかかり、食事が終了した時には既にロシア上空でした。ヒースローを離陸してから3時間以上が経過しています。

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このタイミングでちょうど日の入り。この時期なら白夜かとも思っていたのですが、そこまで高緯度には行きませんでした。

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満腹になったところで就寝し、ハバロフスクあたりで目覚めました。その後、日本海上空に出たあたりで朝食タイム。

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まずはフルーツとパンから。熱帯地域で採れる印象のドラゴンフルーツが入っていたのですが、イギリスではポピュラーな果物なのでしょうか。

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メインは前回イングリッシュブレックファストを選択したので、今回は別のものを。これは当たりでした。

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今回の私の列の担当クルーは日本人の方だったのですが、外航の日本人クルーによくありがちな横柄な感じは全くなく、丁寧かつ適度にフランクな良い印象の方でした。BAの日本人クルーは基本東京ベースらしいので、そのおかげかもしれません。

成田に到着。西アフリカ旅行も無事終わり、トラブルなく帰国することができました。

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9日目:ブリティッシュエアウェイズ BA939 デュッセルドルフ〜ロンドン(LHR) ビジネス

ダカールからデュッセルドルフまでのイベリア航空と、ここから先のブリティッシュエアウェイズは別々に手配した航空券です。同じ親会社を持つグループ会社同士でも、別切りの場合荷物のスルーチェックインは出来ないという不便なルールのため、ここで一度荷物をピックアップして再チェックインしなければいけません。

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しかし、BAのカウンターはなかなかオープンせず。スタッフが現れたのは出発の2時間前でした。ヨーロッパ内の短距離線だとこんなものでしょうか。しかも、乳児連れ夫婦が何やらカウンタースタッフと揉めていたせいで一列しかない優先レーンは全く進まず、結局カウンターオープンから30分経ってやっとチェックイン完了。

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制限エリアへのエントランスは自動改札。さすがドイツです。

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BAの指定ラウンジは共用のHugo Junkers Lounge。プライオリティパスでも使えるようです。エアベルリンのハブ空港ですが自社ラウンジが無いのは驚き。

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窓が大きく明るい雰囲気のラウンジです。

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簡単なホットミールもあり、食事のラインナップはヨーロッパ域内線のラウンジとしては悪くありません。

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イミグレを通過してゲートへ。この便の機材はA319。定刻が14:00発で、ボーディングパスに記載の搭乗締切時刻は13:30となっていましたが、機材の到着遅れで搭乗が始まったのは既に13:40でした。ヒースローでの乗り継ぎは75分しかないため少し不安です。

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ところが、日系エアラインも驚くほどのスピード搭乗で13:55にはドアクローズ。搭乗率は高かったにも関わらずこんなにスムーズな搭乗ができたのはビジネス路線だからでしょうか。

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クラブヨーロッパ仕様のビジネスクラスは、エコノミーと同じ座席で中央席が簡易テーブルでブロックされているだけ。このテーブルも簡単に取り外せるので、エアラインにとっては予約状況に応じてビジネスクラスの座席数を調節することが可能です。この日のビジネスは7列とA319にしてはかなり多めの席数でした。

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離陸前、エミレーツの機体が見えました。デュッセルドルフ程度の大きさの空港にA380を就航させられるのは世界広しと言えどもエミレーツしかいないでしょう。

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離陸。

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距離でいうと東京〜大阪間ほどしかない近距離線なので、機内食もシンプル。

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座席にはなぜかエコノミー客用の有料機内食メニューも。そういえばBAも今年から短距離線のエコノミー機内食は有料になったのでした。

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晴れていたドイツとは打って変わって、イギリスらしい天気の中ヒースローに到着。定刻よりも早く着いたので乗り継ぎは問題なさそうです。

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9日目:イベリア航空 IB3140 マドリード〜デュッセルドルフ エコノミー

ダカールからの便が到着したのは朝4時過ぎ。がらがらの入国審査と保安検査を終えて出発フロアに着いてもまだ4時半頃で、空港も寝静まっています。

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この時間ではラウンジもまだオープンしておらず、唯一開いていたカフェで時間をつぶすことに。せっかくのスペインなので、生ハムのボカディージョで朝食にしましたが、これで10ユーロは完全に空港価格です。

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5:45にラウンジがオープンしたので移動。

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1月にも同時間帯に利用したばかりですが、この日も人は少なく快適です。

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フード類もシェンゲン域内ラウンジということを考慮にいれれば十分。

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まだオープンしたばかりだからか、ドリンク類が冷えきっていなかったのは少し残念。

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シャワーブースも5つほどあり、すぐ利用することができました。

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シャワー後は仮眠室でゆっくり。シェンゲン域内ラウンジとしてはかなり充実した設備です。

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出発時刻が近づきゲートへ。8時過ぎになるとフロアもずいぶん活気付いてきました。

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今回のフライトの機材もA321。

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優先搭乗が始まり、車椅子の乗客に続いてボーディングブリッジへ進んだのですが、どうやらまだ機内の準備が終わっていなかった様子。 

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1~2分ほどボーディングブリッジで待ってから無事搭乗。座席は前便と同じ9Aです。

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搭乗後、クルーが座席までやってきてワンワールドスタータス保持者向けと思われる個別の挨拶がありました。キャセイなどではよくありますが、イベリアでは初めてのことです。クルーは手にタブレットをもっていたので、そこで乗客の個人情報が確認できるのでしょう。

尾翼だけ旧ロゴのイベリア航空機を発見。何に使われているのでしょうか。

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離陸後は、北北東に進路を取り、バスク州の州都ビトリア上空を通過。

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そのままビスカヤ湾へ。珍しくバスク地方一帯が快晴です。

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新聞に目を通すと、IAGの新しい長距離LCCであるLEVELの記事が目につきました。6月からバルセロナをハブとして大西洋路線に就航することになっており、パリやローマにも将来的にはハブを作る計画があるとのこと。バルセロナ、パリ、ローマというとIAGの近距離LCCであるVuelingのハブ空港と完全に一致するので、将来的にはブランドも一つに統一することを見込んでいるのかもしれません。

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イベリア航空の欧州内路線は機内食が有料なので、オーダーしない限りは何も出てきません。短距離線は競争が激しく、運賃もLCC並みに下がっているので仕方ないのでしょうが、エコノミーでも機内食は楽しみだっただけに、少し寂しい感がするのは否めないところ。ちなみに、有料の機内食ををオーダーしている乗客はほとんどいませんでした。

フランス領空に入ると雲が出てきて下界が見えなくなってしまいましたが、ドイツに近づくと再び晴れてきました。風力発電の風車が目立ちます。

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デュッセルドルフ空港に到着。ルフトハンザ、キャセイ、エアチャイナと見慣れたエアラインが並びます。

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8日目:イベリア航空 IB3329 ダカール〜マドリード エコノミー

宿から空港まではタクシーで30分。夕方なので道が混雑するかと思いましたが、空港方面はあまり影響を受けないのか、スムーズに到着しました。

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ダカールの空港が一番賑やかになるのは夜。セネガル航空が昨年破綻して以来、就航するのは外国の航空会社のみですが、ブリュッセル航空、エールフランス、ターキッシュエアラインズなどの大手どころが並んでいるのはさすが西アフリカの中心都市といったところ。

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まだ出発時刻までは3時間ほどありますが、チェックインカウンターはオープンしていました。優先カウンターはロープで封鎖されていたのですが、スタッフに申告すれば開けてもらえます。

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今回はエコノミークラスの利用ですが、ワンワールドのエメラルドなのでラウンジインビテーションがもらえました。チェックインを担当してくれたスタッフに「あなたのマイレージ番号の"JL"って見慣れないけど、どこのエアライン?」と聞かれたのはご愛嬌。アフリカでのJAL知名度なんてそんなものです。

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チェックインを終えたら出国審査と保安検査へ。この時間帯はヨーロッパ便が何本か重なっており、優先レーンもなかったので、40分ほどかかってやっと制限エリアへ出ることができました。

免税店がいくつかありますが、全体的には天井も低く一昔前のターミナルといった雰囲気。新空港の建設が進んでいる今、こちらの空港は移転までこのまま使い続けるつもりなのでしょう。

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ラウンジは各エアライン共用のものが一つあるのみ。カメラの自動補正のおかげで写真で見るとあまり感じませんがフロア全体がかなり薄暗く、場末感の漂うラウンジでした。

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食事はパン類やサモサなどがいくつか。

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今回の搭乗はエコノミーなので、隣席の状況は重要です。ExpertFlyerで最新の状況をチェック。今回指定したのは9Aですが、幸い現時点ではまだ隣りは空席でした。しかもエメラルドステータスのおかげか、嬉しいことに通路側の9Cもブロックが入っています。

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搭乗時刻になりゲートへ。ビジネスクラスの搭乗客がいないのか、優先搭乗はありませんでした。仕方なく列に並びます。ヨーロッパ行きということもあってパスポートチェックはかなり厳重に行われていました。

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この空港はボーディングブリッジがないため、必ずバス搭乗になります。機材はA321です。

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ExpertFlyerの情報通り、隣り2席は空席のままでした。非常口席なので横になれるわけではありませんが、それでも隣りが空いているのは嬉しいものです。

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そして何よりこのシートの最大の魅力はこのシートピッチ。非常口の配置の関係で前列の席が無いため、エコノミークラスの窮屈さとは無縁で過ごせます。この機材だとビジネスクラスでもシート自体はエコノミーと同じで中央席が空いているだけなので、それよりもこちらの方が確実に快適性では勝ります。

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離陸。アフリカともしばしお別れです。

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ダカール22:10発、マドリード4:30着という完全な夜行便ですが、離陸してすぐに機内食がサーブされます。ダカールで搭載された機内食ということでどんなものかと思いましたが、メインのチキンに少しアフリカっぽさを感じるものの、思ったほど悪くありませんでした。

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夜行便とはいえ、時差が2時間あることもあり、実際の飛行時間は4時間にも満たない程度です。うとうとしていると、あっという間にマドリードへ到着。

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降機後にも、ボーディングブリッジからターミナルに入ってすぐのところに係員が待機しており、全員のパスポートとビザチェックが。アフリカ線に乗ると、ヨーロッパでの国境審査の厳格化していることを身をもって経験できるのでした。

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8日目:ダカール町歩き (2)

早いものでもう西アフリカ最終日。最後の日はダカールの南に浮かぶ奴隷貿易で悪名高かった島、ゴレ島へ行くことにしました。

まずは路線バスでダカールの中心であるプラトー地区へ。宿のあるアミティ地区と違い人が多く活気のあるエリアです。

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歩いていると、急に現代的な鉄道のイメージ図が。

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何かと思ったら、現在建設中の鉄道路線のターミナル駅でした。駅舎はほぼ完成しているように見えます。

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ダカール市内から郊外に建設中の新空港までを結ぶ路線。2019年開業予定とのことですが、どうなることやら。

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鉄道駅舎のすぐ向かいが港。ゴレ島行きの船もこのフェリーターミナルから出発します。

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2010年に完成した新ターミナル。これも昨日訪れたあの銅像と同じく、独立50周年の記念事業だったのでしょう。

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ゴレ島への船は1時間〜2時間に1本の間隔で運航しています。出発時間に合わせてターミナルのドアが開くと乗客が一気に押し寄せて混乱状態になりますが、アフリカなので仕方ありません。

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ターミナル内に無事入って乗船を待っていると、現地の学生と思われる集団が登場。お揃いの制服を着て、きちんと整列も出来ています。ゴレ島はセネガルの学生にとっては社会科見学の定番スポットのようでした。

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フェリーに乗船してからも、続々とやってきます。結局、乗客の半数以上が学生の賑やかな旅となりました。

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出発して港を出るとすぐ、ゴレ島が右前方に現れます。

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隙間なく建物が張り付いていて、遠目にみると島全体が要塞のよう。

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出発から30分で到着。早速歩き始めます。

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波止場沿いに並ぶ食堂・土産物屋を通り抜けて、島の奥へ。

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ここにも日本のODAが。それに加え、三菱商事も何か関わっていたようです。さすが天下の三菱商事

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民芸品市場があったりと、前日に訪れたンゴール島に比べて島全体が観光地化されています。

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これはバオバブの木でしょうか。マダガスカルが懐かしく思い出されますが、意外とアフリカ全土でよく見かける気が。

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バオバブ並木の坂を登ると小高い丘の上に出ました。遠くにダカール市街を臨みます。

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海沿いは断崖絶壁。当然柵はないので要注意です。

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この丘は見晴らしがいいので、かつては軍事拠点として利用されていたのでしょう。その時の名残りが見受けられます。今は住居として利用されているような様子も。

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今回の旅行ではほとんど見かけませんでしたが、意外と日本人旅行客も来るのでしょうか。外国でこういうのを見かけると悪い気はしません。

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丘から見下ろすゴレ島。ンゴール島に負けず劣らず小さな島です。

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丘を降りて、島をぐるっと歩いています。海岸沿いにはアート作品。

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中心部を離れると廃墟になった建物もちらほら。哀愁を誘う光景です。

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また三菱商事が。2016年2月とかなり新しいプレートです。

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島の南端にある丘から北端まで歩いて15分ほどで着く距離です。北端にあるのは砦。

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規模は小さいですが、プエルトリコのサンフアンにあるモーロ要塞を彷彿とさせる造り。文化の影響圏について改めて考えさせられます。

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島全体にアザーンが鳴り響くと礼拝の時間。警備員もその場で礼拝を始めます。ダカールの街を歩いているとあまり意識しませんが、セネガルも立派なイスラム国家です。

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続いて、この島一番の見所である奴隷の家へ。ガイドブックによると12:00~14:30は昼休みとのことなので、昼休み明けを狙って14:30過ぎに行きました。ですが、扉が閉まっています。

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よくみると小さい文字で金曜午後は15:00から・月曜は全日休みと書いてありました。金曜はイスラム教の休日ですから、礼拝等が関係しているのかもしれません。月曜でないだけ良かったと思うことにします。

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30分時間が空いたので、奴隷の家の周辺をぶらぶら。すぐ隣には奴隷貿易の記憶を残すための像がありました。

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この像、子供達の記念撮影の定番スポットになっています。専属のカメラマンまでついて、まさに日本の小学校の遠足と何ら変わりありません。

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少し経って奴隷の家に戻るとすでに行列が。

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アフリカらしからず、15時ぴったりにオープンしました。

この奴隷の家は、奴隷貿易最盛期に奴隷商人の邸宅として使われており、1階部分が新大陸への"出荷"の船を待つ奴隷用のスペース、2階部分が使用者の居住区です。

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奴隷用のスペースは細かく区分けがされていますが、どの区画も窓のない薄暗い小部屋というのは共通しています。こちらは女性用。他に男性用、子供用に加え、反乱者用の牢もありました。

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 1階の裏側にあるのは、"Door of No Return"。日本語にすると「帰らずの扉」といったところ。奴隷達はここの扉を通って船に乗せられ、2度とアフリカの地に戻ってくることはなかったことから名付けられています。残酷な歴史を直視するための場所です。

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2階に上がると、使用者側の居住区だけあって欧米風の造り。

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少しすると語り部が登場し、何か話し始めました。フランス語なので理解できませんでしたが、他の観光客が静かに聞き入っているところを見ると、この場所で起こった悲劇についてを話しているのでしょう。

実のところ、ここが奴隷貿易でどの程度重要な役割を果たしたのかについては諸説ありはっきりしていないようですが、少なくともセネガル当局による"見せ方"はうまくいっています。 

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その後はお土産屋を冷やかしてからダカールへ戻ります。船で30分と距離も近く、数時間で見て回れる程度の規模の島で、ダカールからのデイトリップとしては最適な行き先でした。

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まだ空港に行くには早いので、少しプラトー地区をぶらぶら。

独立広場です。高層ビルが立ち並ぶ風景はギニアビサウガンビアでは見られませんでした。やはり経済的に周辺国より進んでいることは確かです。

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スーパーもあります。見覚えのあるスペイン資本。

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入り口にはフランス語と現地語(多分ウォロフ語)の表記。セネガルでも現地人の会話はほぼ現地語である一方、看板等の活字はフランス語が大半なので、文字としての現地語は新鮮です。

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国民のうちキリスト教徒は7%程度ですが、首都ということもあり大きい教会もあります。

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さすがにヨーロッパに比べると質素な造りという印象は否めません。

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教会といえばステンドグラス。この人物の肌が少し黒い気がするのですが、アフリカでは聖人も黒人として描かれるのでしょうか。

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フライトの時間も近づいてきたので宿へ戻ることに。夕方の帰宅ラッシュと重なり、プラトー地区から郊外へ向かうバスは超満員でした。さすが大都市と思わせる一面です。

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宿で荷物をピックアップして、タクシーで空港へ。西アフリカ3カ国の旅もあっという間に終わり、あとは帰国の途につくだけです。

7日目:ダカール町歩き (1)

ダカール滞在は丸2日。初日の町歩きは北西部のワッカム地区からスタートすることに。

ダカールは路線バス網が発達していますが、どの番号のバスがどの地区に行くのかを見分けるのは旅行者には至難の技。全ての路線が網羅されているわけではありませんが、このサイトがとても参考になりました。

路線バスでは必ず後部に車掌が乗っており、乗車したら金網越しに料金を支払います。料金を支払う際には目的地を告げる必要があるので、目的地の地区名は覚えておいた方がスムーズでしょう。

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宿の近くから路線バスの43番に乗ってワッカム地区に到着。バスを降りるとすぐ、この町一番のランドマークが嫌でも目に入ります。

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バスを降りてから10分ほど歩いて到着。その名もアフリカンルネサンスの像です。

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2010年にセネガルの独立50周年を記念して完成した銅像で、高さは49mで像としてはアフリカ最大。基礎インフラすら未整備のこの国で総工費2,500万ユーロを費やして建設されたことで、セネガル市民の間では政治の腐敗の象徴として不評だそうです。

階段を登って像の真下までは誰でも入場可能。

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6,500フラン(約1,300円)を払うと、銅像の内部に展望デッキとミュージアムに入ることができます。入場料の35%は建設時の大統領の収入になるというのはとんだお笑い種。

外国人に対しては英語ガイドが付いて説明をしてくれるのですが、その説明で驚いたのは、この銅像の設計・建設を担ったのが北朝鮮の政府系企業だということ。確かにミュージアムで流れるムービーをよく見ると、建設作業員はみんなアジア系の顔つきです。北朝鮮がこんなところで小遣い稼ぎをしていたとは意外でしたが、彼らにとっては貴重な外貨獲得手段だったことでしょう。

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一通りムービーを見終わったら、エレベーターに乗って展望デッキへ。

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展望デッキは男性の像の頭頂部分に位置しています。すれ違うのがやっとの狭い構造です。

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外を見るとまず目に入るのはこれでしょう。なかなかインパクトのある顔です。

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その奥にはダカール市街が広がります。

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反対側には空港も。今の空港は住宅街の中にあるため、現在内陸部に新空港を建設中とのこと。

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こちらがアフリカ最西端のヴェルデ岬突端。最西端のポイントまで行こうとしたのですがたどり着けなかったという話はまた後ほど。

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下に降りて、ミュージアムエリアへ。3階建てになっており、3階には銅像完成時にアフリカ各国から贈られた記念品が並んでいます。

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2階はアフリカ人芸術家のアート作品集。アフリカの文化を発信する施設としたいのでしょうが、残念ながらこの銅像自体がアフリカの腐敗政治文化の象徴となってしまっており、内部の展示物が霞んでしまいます。

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銅像の裏側には、完成記念式典に参加した国々が列挙されたプレートが。アフリカ内でも指折りの腐敗国家ばかりが並んでいるのは笑うところでしょうか。そしてアフリカ外からは唯一参加しているのが北朝鮮

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銅像を後にして、次はダカールの北側に位置する小さな島、ンゴール島へ。Google Mapで船着場までの距離を調べると約4kmだったため、歩いて向かうことにしました。

路上で見かけた散髪屋の看板。上のモデルは某国の将軍様にしか見えない気がするのですが・・・

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銀行の壁には、2025年のダカールの未来予想図が。何事も期待するだけなら自由です。

 

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途中、ダカールシティというショッピングモールで休憩。

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規模は小さいですが、こうしたショッピングモールがあるのはさすがセネガルガンビアギニアビサウでは全く見かけませんでした。

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船着場に近づくと舗装された道が無くなり、裏路地へ。

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潮の匂い、波の音がする方に歩いていくと、海岸に出ました。観光客向けというよりは非常にローカルな雰囲気の砂浜です。

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フランス語はほとんど知識がありませんが、推測するに2017年4月15日から往復運賃は1000フランになったということでしょうか。ガイドブックには500フランと記載されていたので、倍増したようです。とはいえ、1000フランでも200円ですから大したことはありません。

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運賃を払って救命胴衣を受け取り、10分ほど待つと乗船となりました。ご覧の通り海に入って船によじ登ることになるので、ここに行くときはサンダル+短パンが必須です。目的地のンゴール島は真向かいに見えているほどの距離。

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乗っているのはほとんど地元民。現地の人々にとっては気軽な遊び場的な感覚のようです。

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10分ほどでンゴール島に到着。ダカールの喧騒とは打って変わって静かな南の島で、石垣といいカラフルな花といい、沖縄を連想させる場所です。

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標識のようなちょっとした部分もおしゃれ。

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ベンチもモザイクタイルです。芸術家が多く住んでいる島ということもあり、島全体がアーティスティックな雰囲気。

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5分歩けば反対側の海辺に出てしまうほどの小さな島です。

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島の端まで来ました。人もおらず波音だけが聞こえる環境で、のんびりと贅沢な時間を過ごせる場所です。ベンチに座ってリラックスすれば、東京での日常の疲れがすっと取れていく気がします。

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目の前は大西洋。空も晴れ渡って文句なし。

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しばらく休憩したあと、ダカール側に戻ってアフリカ最西端の場所を目指すことにしました。事前に仕入れた情報では、最西端のポイントはHotel des Almadiesというホテルの敷地内にあるということでGoogle Mapsを頼りに向かっていくと、無事看板を発見。

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ところが、ホテルの前まで来ると目に入ってきたのは大きなSheraton Dakarの看板でした。どうやら、Hotel des Almadiesは閉業となり、現在新たにシェラトンとして再オープンするための工事中の様子。警備員に話を聞きましたが工事中ということで当然敷地内には入れてもらえず、最西端は断念せざるをえませんでした。

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1日歩き回り、最後は47番のバスで帰路につきます。 夕方のラッシュ時と重なり、1時間半ほどかけて宿にたどり着きました。